まず、ワタクシのひとり言から
皆さん、こんにちは。あかねです。今回はまた、中東イランのお話です。
ニュースでは、爆発の映像、逃げまどう人々、燃え上がる夜の空。
そういう画面を見るたびに、胸の奥がズキンと痛むのです。
戦争の匂いは、若い頃に嗅いだことがありますから。
チームあかねが、「イラン・アメリカ・イスラエルの対立の歴史」をブログでチームあかね編として記事にまとめてくれました。

チームあかねの記事は少し長いので、ワタクシなりに短くしてアメリカ・イスラエルとイランの対立の歴史をお話します。
歴史を知ることは、まるで古い家の間取り図を手に入れるようなもの。
どの部屋から火が出たのかが分かれば、次の手が見えてくるのです。
さあ、70年以上前に遡りましょう。
第一章:1953年──石油という名の「火種」が埋まった日
すべての始まりは、「石油」でした。
1953年、イランには「モサデク」という名の首相がいました。
当時のイランは立憲君主制、その法律にのっとって選ばれた指導者です。
彼の夢はただひとつ。「自分たちの地面の下に眠っている石油を、自分たちのために使いたい」それだけでした。
ところが、当時のイランの石油はイギリスの会社がほぼ独占していました。
モサデク首相がそれを「国有化する」と宣言した瞬間、英米は色をなして怒ったのです。
ここで登場するのが、「アジャックス作戦」。
CIA(アメリカ)とMI6(イギリス)が仕組んだ、秘密のクーデターです。
賄賂と工作活動によって、民主的に選ばれたモサデク首相は失脚させられ、代わりに親米独裁体制のパーレビ国王が権力を握りました。
これを図解するとこうなります。
| 誰が | 何を望んでいたか |
|---|---|
| モサデク首相(イラン国民) | 自国の石油資源を自分たちの手で管理したい |
| 英米(CIA・MI6) | 石油利権の維持+冷戦でソ連にイランを取られたくない |
結果、外国の工作で政権転覆させられ、親米独裁者が登場したのです。
さあ、皆さんに問いかけさせてください。
もし、あなたが自分たちの手で選んだリーダーが、外国の秘密工作で突然ひきずり下ろされたとしたら?
怒りますよね。悔しいですよね。
そして、その国を「信用できない」と思いますよね。
イランの人々の心の中に、この日からひとつの焔(ほのお)が灯りました。
それは表向きは消えたように見えて、25年間、石炭の火のようにじっと燻(くすぶ)り続けるのです。
第二章:1979年・燻っていた火が、ついに大爆発した
25年後の1979年。燻り続けた焔は、ついに「イスラム革命」という名の大爆発を起こしました。
パーレビ国王が進めた急激な西洋化は、確かに経済を成長させました。
しかしそれは、ごく一部の人間だけを豊かにする「金持ちだけの砂糖菓子」のようなもので、
貧富の格差が広がり、大多数の民衆は置き去りにされていたのです。
そこに現れたのが宗教指導者・ホメイニ師。
「神の法に基づく国を作ろう」という言葉は、不満の塊だった民衆の心に火を点けました。
革命が成功した瞬間から、アメリカは「大サタン」と呼ばれるようになります。
イスラエルは「小サタン」。
これは単なる悪口ではなく、「悪の権化」という宗教的な断罪です。
そして1979年11月、アメリカ大使館人質事件が起きます。
52人の外交官や職員が444日間、人質として拘束されました。
アメリカにとってはこの上ない屈辱。
イランにとっては「大国に屈しなかった」というナショナリズムの証明。
同じ出来事が、まったく逆の感情として刻み込まれたのです。
第三章:「影の戦争」と世界を巻き込む「経済戦争」
その後、両者は直接の戦争を避けながらも、水面下で互いを削り合い続けました。
まるで体を直接叩き合わないボクサーが、代わりにお互いの家族に嫌がらせをし合うような話です。
イランは、レバノンのヒズボラ、ガザのハマス、イエメンのフーシ派などの武装勢力を支援。
イスラエルを囲む「抵抗の枢軸」と呼ばれるネットワークを築きました。
イスラエルはそのたびに空爆でこのネットワークを叩く「芝刈り」戦略をとってきましたが、
2023年のハマス奇襲以降、「芝刈り」では済まない事態になっていきます。
そして見逃せないのが、お金の話です。
中国がイランと結んだ契約があります。
25年間で4000億ドル。日本円にすると、約60兆円規模の巨大投資です。
しかも石油の代金を「ドルではなく人民元」で支払う取り決めでした。
これがなぜ問題かというと、世界の石油取引はこれまでほぼすべてドルで行われてきた。
これを「ペトロダラー体制」といいます。
その基盤が崩れ始めると、アメリカのドルの価値、ひいては世界経済の仕組みそのものが揺らぐ。
だからアメリカの強硬派にとって、イランは「対中国戦略の要」でもあったのです。
ひとつの対立が、実は世界の覇権争いという大きな舞台の「駒」だった、
そう気づいた瞬間、背筋が少しひんやりしませんか。
第四章:2026年──「影」が「炎」になった日
そして2026年2月28日、「オペレーション・エピック・フューリー(叙事詩的な怒り作戦)」が発動されました。
アメリカとイスラエルによる共同軍事作戦です。
イランの最高指導者ハメネイ師が暗殺され、防空網が破壊されました。
しかし、ここが胸に刺さる部分です。
バンダルアッバースという港湾都市で、誤爆によって少女たちの学校が直撃を受けました。
175人の子供たちが犠牲になりました。
175人の子供たち。
ワタクシは戦時中、防空壕に逃げ込んだ経験があります。
あの暗闇の中で感じた恐怖を思い出すと、その子たちのことが他人事とは思えません。
涙が出ます。
さらに──ユネスコ世界遺産のゴレスターン宮殿も爆撃で破壊されました。
人の心の中に生きる「記憶の宝物」が、一夜にして瓦礫になったのです。
燃料基地の爆発ではテヘランの空に黒い雨が降り注ぎ、子供たちの肺を蝕んでいます。
指導者たちの「思惑」も複雑です。
イラン攻撃を仕掛けているイスラエル・ネタニヤフ首相には、国内の汚職疑惑と国際刑事裁判所の戦犯容疑という個人的な窮地がありました。
アメリカ・トランプ大統領もまた、「エプスタイン・ファイル」疑惑や、違法な関税賦課を巡る司法の拒絶といった窮地を、
対外戦争という「賭け」で突破しようとする思惑。
悲しいことに、政治的な生き残りのために戦争が利用されることは、ワタクシが若い頃の日本でも起きていたことでした。
人間は、何十年経っても同じ過ちを繰り返すのでしょうか。
第五章:「ブーメラン」という名の連鎖
ここで冷静に整理させてください。
70年以上前に「アジャックス作戦」で埋まった不信の種。
それが「イラン革命」という大木に育ち、「影の戦争」という根を張り広げ、2026年の「直接戦争」という実を結んでしまいました。
木を焼いても、地中に根が残る限り、また芽が出ます。
ハメネイ師が亡くなった後、息子のモジュタバ氏が新たな指導者として立ち上がり、「さらなる抗戦」を呼びかけています。
武力で人を排除しても、家族や文化を奪われた人々の心にある怒りは、消えるどころか次の世代に引き継がれていくのです。
これは、「ブーメラン(しっぺ返し)」の連鎖になっていると言えます。
強く投げれば強く返ってくる。
70年前に投げたブーメランが、形を変えて今、頭上に戻ってきているのです。
まとめ:歴史という「レンズ」を持って生きること
今日の話を4つの言葉で振り返ります。
- アジャックス作戦(1953年)── 対米不信の原点。民主主義が外国に壊された日。
- イスラム革命(1979年)── 怒りが爆発した転換点。「大サタン」誕生の瞬間。
- 抵抗の枢軸── イランが支援する武装ネットワーク。影の戦争の構造。
- ペトロダラーへの挑戦── 25年・4000億ドル契約。対立の経済的な「裏の顔」。
ワタクシは94年生きてきて、こう思います。
歴史を知ることは、絶望するためではありません。
「なぜこうなったのか」が見えると、「どうすれば変えられるか」という問いが生まれます。
その問いを持ち続けること──それが、いつか連鎖を断ち切る人間を育てるのだと、ワタクシは信じています。
世界がどれだけ騒がしくても、どうか学ぶことをやめないでください。
最後の一句
地の底の 黒き欲望 果てもなく 憎しみ連れて 世代を渡る
地中深く眠る黒い石油と人間の黒い欲望を重ねました。
利権を巡る争いが憎しみを生み、その憎しみが子から孫へと受け継がれていく連鎖を詠みました。
もうそろそろ、その憎しみを地の底に埋め戻す時ではないでしょうか。
アメリカ・イスラエル、イラン戦争攻撃即時停戦を願います。
