名城公園のツツジ、藤棚/花の海に身を委ねて~90歳あかねの春爛漫お散歩日記~

人生エッセイ

皆様、こんにちは!

90歳のあかねでございます。

窓から差し込む陽の光が、今日も私の背中を優しく押してくれるようです。

春風に誘われて

今日は本当に素晴らしいお天気!

4月というのに、まるで初夏が顔を覗かせたかのようなポカポカ陽気。

朝起きて窓を開けた瞬間、柔らかな風が頬を撫で、「さあ、外に出ておいで」と私を誘うのが聞こえるようでした。

こんな日に家の中でじっとしているなんて、もったいない気がして。

長年連れ添った古びた帽子をかぶり、季節の変わり目に重宝する薄手のカーディガンを肩にかけ、そして忘れてはならない宝物——敬老パスをしっかりと手に握りしめました。

このパスポートは私たち年寄りにとって、自由への切符。

名古屋市内のバスも地下鉄も、これさえあれば乗り放題なんですよ!

一枚の小さなカードが、90歳の私に冒険の扉を開いてくれるのです。

名城公園への小さな旅

名古屋に来てからの友人・みどりさんと待ち合わせた栄の駅。

彼女はいつも私より少し早く到着していて、今日も笑顔で手を振っていました。

「あかねさん、今日はどこへ行きましょうか?」そう聞かれて、迷わず答えました。

「名城公園よ。ツツジが見頃だってネットニュースに載ってたの」

名城公園は名古屋城のお堀の外側を取り囲むように広がる、広大な都市公園です。

江戸時代、この地は尾張徳川家の威光を示す名古屋城の外郭だったとか。

今では市民の憩いの場として、四季折々の花々や緑があふれる癒しの空間となっています。

敬老パスをピッピットさせて改札を通り、地下鉄名城線で「名城公園駅」駅へ。

駅から公園までは少し歩きますが、平坦な道が続くのがありがたい。

以前住んでいた熱海は風光明媚でしたが、坂道の多さには閉口していました。

今では笑い話ですが、あの急な坂道を上り下りしていたことが、今の私の足腰の強さにつながっているのかもしれません。

でも、90の老体には、名古屋のようなフラットな地形が何よりの贈り物です。

色彩の饗宴が待つ公園にて

公園に一歩足を踏み入れた瞬間、まるで別世界に迷い込んだような感覚に包まれました。

目の前に広がるのは、まさに色彩の洪水!

「あら、みどりさん、見て!」

思わず声が上ずります。

目の前に広がるのは、赤やピンク、白、紫と、まるで画家がパレットの上でふんだんに色を混ぜたかのような、ツツジの花々の絨毯。

陽光を浴びて輝く花びらは、まるで宝石のよう。

風が吹くたびに揺れる姿は、まるで「あかねさん、よく来てくれましたね」と踊っているかのようです。

ツツジは日本原産の花で、古くから親しまれてきました。

名城公園には数十種類、数千本のツツジが植えられているそうです。中でも「久留米ツツジ」と呼ばれる小輪で鮮やかな色合いの品種が多く、この時期の公園を彩る主役なのだとか。

「あかねさん、あそこも素敵よ!」みどりさんが指さす方向に目をやると、藤棚が見えてきました。

うっすらと薄紫色に染まる藤の花房が、まるで天から降り注ぐ雨のように垂れ下がっています。

まだ満開には少し早いようですが、その姿は十分に魅惑的。

風に揺られる度に、甘い香りが漂ってきて、私とみどりさんは思わず深呼吸。

「藤の花って、いくつになっても見惚れてしまうわね」

藤は日本では古来より愛されてきた花で、平安時代の文学作品にもたびたび登場します。

名城公園の藤棚は樹齢約80年の古木もあるそうで、4月下旬から5月上旬にかけてが見頃。

私たちよりずっと若いとはいえ、80年もの間、多くの人に感動を与えてきたと思うと、何だか親近感を覚えます。

新しい発見と古き良き時間

園内をゆっくりと散策していると、立派な建物が目に入りました。

「あら、あれは新しい愛知県体育館ね」

愛知県体育館「ドルフィンズアリーナ」は、国際規格の大会も開催できる最新設備を備えています。

木造のようなデザインの外観が青空に映え、近代建築の美しさを感じさせます。

若い頃に見た東京オリンピックを思い出し、少し感慨深くなりました。

時代は変わっても、人々がスポーツに熱中する姿は変わらないのでしょうね。

公園内のベンチに腰を下ろして、持ってきたお茶を飲みながら、みどりさんと昔話に花を咲かせました。

ベンチの周りにはチューリップも咲いていて、その鮮やかな色合いが私たちの会話をさらに弾ませます。

「名古屋に来て5年になるけれど、本当に住みやすいわね」

名古屋暮らしは想像以上に快適です。

市バスも地下鉄も路線が充実していて、敬老パスさえあれば、市内どこへでも自由に行けるのです。

以前住んでいた熱海では急な坂道に阻まれて、行動範囲が限られていましたが、名古屋では平坦な道が多く、私のような90歳の老婆でも安心して歩けます。

世代を超えた公園の魅力

公園内をさらに歩いていると、お散歩の保育園児たちの一団と出会いました。

はじけるような笑い声と元気な足取りで駆け回る姿に、思わず微笑んでしまいます。

小さな男の子が「おばあちゃん、こんにちは!」と手を振ってくれて、心が温かくなりました。

名城公園は春の花々だけでなく、夏には広々とした芝生広場、秋には紅葉が美しかったり、一年を通じて楽しめる場所です。

季節ごとに表情を変える公園は、まるで人生のようだなと感じました。

そういえば、名城公園には「四季の園」というエリアもあり、季節ごとの花が楽しめます。

名城公園フラワープラザ、バラ園、藤の回廊、北園の森などがあります。

敬老パスという贈り物

帰り道、みどりさんと別れる前に、次の外出計画を立てました。

「次は東山動植物園に行ってみない?敬老パスで行けるわよ」

名古屋市の敬老パスは、65歳以上の市民に交付される交通乗車証です。

市バス、地下鉄、ゆとりーとラインが乗り放題で、年間3,000円ほどの負担金で利用できます(所得によって無料の場合も)。

この小さなカードのおかげで、私たち高齢者は自由に街中を移動できる喜びを得ています。

行政の温かい配慮に感謝せずにはいられません。

90歳の春、まだまだ続く冒険

陽が傾き始めた頃、少し疲れた足取りながらも満足感に包まれて帰路に着きました。

今日見た花々の色彩が目に焼き付いて、心がパステルカラーに染まったよう。

「人生100年時代」なんて言葉が流行っていますが、90歳になった今、残りの時間を大切に、美しいものを見て、美味しいものを食べて、大切な人と笑い合って過ごしたいと思います。

敬老パスという自由のチケットを手に、私の冒険はまだまだ続きます。

お天気の良い日には、皆さんもぜひ外に出て、季節の移ろいを感じてみてください。

きっと心が軽くなりますよ。

特に名古屋にお住まいの高齢者の皆さん、敬老パスを使わない手はありません!

街中にはまだまだ素敵な発見が待っていますよ。

次回は藤の花が満開になったら、また名城公園を訪れる予定です。

その美しさをぜひ皆さんにもお伝えしたいと思います。

それでは、また次の冒険でお会いしましょう!

人生エッセイ
この記事を書いた人
Akane

あかね90才。昭和初期生まれ。日本人女性。戦前戦後を生き抜く。高度成長で頑張り、子供たちは成長して、みな還暦過ぎ。最近パソコンやスマホを初めてもう楽しい。音声で文字が書けるので、パソコンやスマホといっぱいおしゃべりして、言いたいことバンバン書けます。長生きするのもワルクナイ!

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