こんにちは、あかね、93歳の独り言です。
今日は、私の人生と憲法について、現在の各政党の憲法に関する考え方を調べたので、お話ししたいと思います。
少し難しい話になるかもしれませんが、私自身の率直な思いをお伝えできればと思います。
戦争を生きた15歳の私
私は昭和6年(1931年)に生まれました。太平洋戦争が終わった時、私は15歳でした。
あの戦争の悲惨さは、今でも鮮明に覚えています。
夜空が真っ赤に染まり、B-29の爆音が響く中、街は一晩で焼け野原になりました。
防空壕から這い出すと、そこには言葉にできない光景が広がっていました。
何の落ち度もない人々が、無残に命を落とし、黒焦げになった人の塊が重なっている様子を、この目で見てしまったのです。
食べるものも、着るものも、何もかもが足りない時代。配給のお米はわずかで、雑草を混ぜたお粥で空腹をしのぎました。
知り合いは次々と戦地へ向かい、そして帰ってこない。
あんな戦争は二度と、本当に二度とごめんです。
希望の光となった新憲法
そんな暗闇の中で出会ったのが、新しい日本国憲法でした。
昭和21年11月3日に公布された新しい憲法を手にした時、私は震える手でページをめくりました。
『新しい憲法 明るい生活』という冊子には、「古い日本は影をひそめて、新しい日本が誕生した」
「生れかわつた日本には新しい国の歩み方と明るい幸福な生活の標準とがなくてはならない。これを定めたものが新憲法である」とありました。
この言葉を読んだ時、私の心に久しぶりに温かいものが流れました。
日本の未来に希望を感じ、少し嬉しくなったのです。
あの焼け野原から立ち上がる力が、ここにあると感じました。
新しい憲法の三つの柱は、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」です。
特に、憲法9条が定めている戦争の放棄と戦力を持たないという平和主義は、戦争を体験した私にとって、日本の平和を守るための最も大切な宝物だと信じています。
憲法の成立過程には、GHQの関与があったとしても、この憲法の内容は民主主義や平和主義、基本的人権など、人類の英知の結晶であり、
当時の日本国民も平和への強い願いを胸に抱いて受け入れたものだと、私は感じています。
9条改正への深い懸念
さて、憲法改正についての議論です。
特に憲法9条を変えようという動きがあります。
憲法の基本は変えないけれど、細かい部分を現代に合わせて見直す必要があるという意見も多いようです。
しかし、私は強く思うのです。
この平和憲法の中心である9条を変えてはいけないと。
9条を改正しようとする勢力の中には、「平和を守る」と口では言いながら、
その先に「軍隊を持つこと」や「徴兵制を国民の義務にすること」を考えている人たちがいるのではないでしょうか。
この懸念が、私の心から離れません。
これは私の想像ですが、戦前の帝国憲法下のように、天皇主権で武力による国防を前面に出したい、
そうすることによって兵器産業など国家権力をお客さんにする集団が得をするのではないか、と思ってしまうのです。
権力と利益の影で、また国民の命が軽んじられるのではないかと、不安でたまりません。
あの恐ろしい大戦では、何の落ち度もない市民が大空襲で黒焦げになりました。
家族を失い、友を失い、それでも生き延びた私たちに、国は何をしてくれたでしょうか。
国民の命を守らない国家とは一体何なのか、今でも怒りが込み上げてきます。
だからこそ、国家間の紛争は武力によらないという日本国憲法の考えは、絶対に守り抜く必要があり、変更する理由は全くないと考えているのです。
各政党の憲法観
現在(2025年6月時点)、どの政党がどのような憲法に対する考えを持っているのか、皆さんも気になっていると思います。
私の考えも踏まえつつ、主要政党の憲法政策を調べてみました。
夜遅くまで各党のホームページを見て、資料を読み比べました。
老眼鏡をかけ直しながら、一つ一つ丁寧に確認した結果をお伝えします。
主要政党の憲法に対する考え方
憲法改正については、政党によって様々な立場があります。
大きく分けると、「改正に積極的な政党」、「慎重な政党」、「現行憲法を維持すべきという政党」などがあります。
特に憲法9条と、大規模災害時などに政府の権限を一時的に強める「緊急事態条項」について、各党の考えが分かれています。
自由民主党(自民党)憲法改正に積極的
憲法改正に最も積極的な政党です。
憲法9条に自衛隊の存在を明記することや、緊急事態条項の創設などを改正項目として掲げています。
時代の変化に合わせて憲法を変える必要があるという立場です。
公明党・加憲
憲法の三原則(国民主権、基本的人権の尊重、平和主義)を大切にしながらも、必要に応じて新たな条項を「加える」という「加憲」の立場を取ることが多いです。
憲法9条の1項と2項は維持すべきとしていますが、自衛隊の位置づけについては議論に参加する姿勢も見せています。
日本維新の会・憲法改正に積極的
憲法改正に積極的で、教育無償化や統治機構改革などと合わせて、憲法9条に自衛隊を明記することなどを提案しています。
停滞している憲法改正の議論をリードしたいという考えです。
立憲民主党・論憲
現行憲法の平和主義、国民主権、基本的人権の尊重といった基本原則を重視しており、これらの原則を損なうような改正には反対です。
憲法9条の改正には特に慎重な姿勢を示しており、「論憲」として憲法の運用改善などに重点を置いています。
日本共産党・憲法改悪阻止
現行憲法の全ての条項、特に平和主義を強く守るべきという立場です。
憲法9条の改正には断固として反対しており、自衛隊は憲法違反であるという考えです。
憲法改正の動きに対しては「憲法改悪阻止」を掲げています。
国民民主党・時代に即した憲法改正
「時代に即した憲法改正」を目指し、議論を行うべきという立場です。
緊急事態における国会機能の維持を可能にするための改正や、新しい人権の保障などを提案しています。
れいわ新選組・憲法改正より憲法を活かせ
現行憲法の精神、特に基本的人権の尊重を重視しており、憲法改正よりも、現行憲法を活かして国民の生活を守る政策を優先すべきという立場です。
憲法9条の堅持を訴え、緊急事態条項の新設にも反対しています。
社会民主党・憲法改悪反対
日本国憲法の平和主義、基本的人権、国民主権を断固として守るという立場です。
いかなる憲法「改悪」にも反対という強い姿勢で、憲法9条を堅持し、非武装中立を理想として掲げることもあります。
その他の政党
その他、参政党、日本保守党なども憲法改正に積極的な姿勢を示しています。
NHKから国民を守る党は憲法改正を主要な争点としていない傾向があります。
詳細については、各政党の公式サイトなどでご確認ください。
私の心に響く政党は
私の「憲法は変えてはいけない、特に9条」という考えからすると、
現行憲法を維持すべきという立場の政党は、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社会民主党が、私の考えに比較的近いと言えるでしょう。
これらの政党の幹部議員の過去の行動や実績で、いいことを言っていても違う方向に向かいそう、という私の主観も入れるとこうなります。
特に共産党や社会民主党は、憲法9条の堅持を強く訴えており、私の心に響きます。
そして、れいわ新選組は、平和憲法、特に9条については「安易に改憲するのではなく、その価値を認め、専守防衛と平和外交を基本とすべき」という立場を取っています。
現憲法が守られていないところが問題で、生存権の保証など憲法を実践するすることが必要だと訴えているところは同じように期待が持てます。
もちろん、各政党は憲法だけでなく、様々な政策を掲げています。
また、私が個人的に懸念している「徴兵制の思惑」や「得をする集団」に関する部分は、
必ずしも政党の公式な公約として明記されているわけではありませんので、あくまで私の推測、個人的な思いとして受け止めていただければと思います。
次の世代への願い
憲法は、私たち一人ひとりの幸せと平和な社会を守るための土台であり、日本の未来をどう築いていくかという国の根本に関わる重要な問題です。
夜中にふと目が覚めて、暗闇の中でぼんやりと考えることがあります。
私の戦後体験から来る平和への願いを、次の世代にしっかり伝えたいという思いが、いつも胸にあります。
孫やひ孫たちには、私が見たような恐ろしい光景を、絶対に見せたくないのです。
今年の参議院選挙では、ぜひ皆さんも各政党の憲法に対する考え方をよく見て、ご自身の考えと照らし合わせ、投票する政党を決めていただけたらと思います。
難しいと感じるかもしれませんが、私たち国民一人ひとりが憲法について考え、議論し続けることが何よりも大切だと信じています。
平和は、黙っていては守れません。
一人ひとりの声が集まって、初めて大きな力になるのです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。