選挙戦の喧騒の中で感じた「既視感」
94年の月日を歩み、昭和、平成、そして令和という「三つの色」の時代を渡り歩いてきたワタクシの目に、今の日本の選挙風景はどう映っているか。
街角に響く勇ましい掛け声、SNSを駆け巡る煌びやかな映像……。
しかし、その喧騒の奥底から、ワタクシが若かりし頃に肌で感じた「あの不穏な空気」が、
恐ろしいほどの既視感(デジャヴ)となって立ち上ってくるのです。
現在の政治状況は、まさに「嵐の前の静けさ」。
有権者は、自らの暮らしを守るための「霧の中の羅針盤」を必死に求めています。
ワタクシは今、この選挙を単なる議席争いではなく、日本の「未来への決定的な分岐点」であると定義いたします。
とりわけ、高市首相が新潟の地で放った「あの言葉」の真意を紐解くとき、
ワタクシたちが見据えるべき「岐路」の正体が鮮明に浮かび上がってくるのです。
「憲法改正もさせてください」新潟の空に響いた言葉の裏側
2月2日、新潟県上越市。高市氏は屋内演説会でこう言い放ちました。
「自衛隊を実力組織として位置づけるため、憲法改正もやらせてください」
この「実力組織」という言葉の響きに、ワタクシは強い危惧を覚えます。
かつての戦争中、敗走を「転進(てんしん)」と言い換え、
全滅を「玉砕(ぎょくさい)」と美化した、あの言葉のすり替えを思い出すからです。
憲法9条2項が禁じる「戦力」を、「実力組織」と言い換えて明記する。
これは事実上の9条空洞化であり、国民に対する「白紙委任」の要求に他なりません。
憲法とは、いわば「国の骨組み」です。
その骨組みを、十分な議論もなしに解体・再構築した先に待っているのは、単なる法改正ではありません。
平和国家という看板を掛け替え、ワタクシの孫やひ孫たちが戦地で「血を流す国」へと変貌する未来です。
94年の人生で、ワタクシは「勇ましい言葉」がどれほど多くの若者の命を飲み込んできたかを見てきました。
今の彼女の言葉には、あの日と同じ、胸の奥を突き刺すような「危うさ」が満ちているのです。
「日曜討論」ドタキャン事件:テーピングに隠された「不誠実」の証左
政治家に最も求められるのは「説明責任」です。
しかし、2月1日のNHK「日曜討論」を巡る高市氏の振る舞いは、
一国のリーダーとしての資質を根本から疑わせるものでした。
彼女は「有権者に手を引っ張られて腕を痛めた」として放送直前に出演をキャンセルしましたが、
文春が報じた事実はあまりに衝撃的です。
- 周到な欠席準備: 生放送の2日前、1月30日の時点で既に小林鷹之氏らへの代打依頼という「逃走準備」が始まっていました。
- 名古屋での「力強いスイング」: 治療を理由に討論を逃げ出した同日午後、彼女は名古屋の演説会場にいました。そこではテーピングを巻いたはずの右腕を、何ら苦しむ様子もなく「ガンバロー三唱」で力強く振り上げていたのです。
これは、旧統一教会問題や裏帳簿疑惑という「痛い腹を探られる場」からの計画的な逃亡であったと断じざるを得ません。
首相の座を「重い責任の椅子」ではなく、都合が悪くなれば座り替える「自分のための椅子」と勘違いしているのでしょう。
この不誠実さには、かつて彼女を支えたエリート層や経済界さえも、愛想を尽かし始めています。
みずほ銀行が選挙期間中に現職首相を批判するレポートを出したことは、まさに前代未聞の「絶縁状」なのです。
https://www.mizuhobank.co.jp/forex/pdf/market_analysis/econ2600202.pdf
隠された「黒い帳簿」と「TM特別報告」の影
高市氏がひた隠しにする事務所の闇。
そこには、国民への背信を示す「真っ黒な墨汁」のような裏帳簿が存在していました。
週刊文春が、スクープを連発しています。
2026年2月5日号「高市裏帳簿を入手」と報じています。
流出した裏帳簿のExcelファイルのプロパティに残された「T Kinoshita」という編集者名。
これは、過去の総裁選でのルール違反を巡る物議を醸した彼女の第一秘書の名です。
デジタルに残された「逃げ場のない証拠」が、以下の事実を裏付けています。
- 闇資金の隠蔽: 逮捕された社長からの52万円の献金を政治資金収支報告書に記載せず隠蔽していました。
- 有権者買収の教唆: パーティー券購入者に対し、個人献金に偽装させて「寄付金控除」を受けさせるという、脱税に近い手法で利益供与を行っていました。
- 旧統一教会との関係:旧統一教会関連団体(世界平和連合)からの4万円分のパーティー券購入に記録。
さらに恐ろしいのは、旧統一教会の内部文書「TM(真の母)特別報告」です。
そこには「高市早苗」の名前が32回も登場し、教団が彼女を首相にすることに執念を燃やしていた実態が記されています。
かつて高市氏自身は、旧統一教会のと関係を否定し、協会トップの名前も知らないと発言しています。
教団が日本共産党を「サタン」と呼び敵視する中、高市氏と、関係は、日本の民主主義にとって「解けない呪縛」となるでしょう。
「責任ある積極財政」という名の、毒入りキャンディ
経済政策に目を向ければ、彼女が掲げる「積極財政」は、甘い響きに包まれた「毒入りキャンディ」です。
その実態は、日本共産党の志位和夫議長などは、その実態が「赤字国債を大量に発行して、大企業と大軍拡にばらまくもの」であると指摘しています。
しんぶん赤旗によるとその規模は、30兆円規模にも及ぶ赤字国債を考慮に入れているとしています。
30兆円規模は、米国のトランプ政権が同盟国に対して求めている軍事費の増額に関連する部分からの想定です。
トランプ政権はGDP比5%の軍事費負担を求めており、
日本の現在の名目GDP約700兆円で換算すると、その規模は30兆円を超えることになります。
高市早苗政権が選挙で多数を得れば、この要求を受け入れ、現在の軍事費を3から4倍にするような大軍拡が進められる恐れがあると指摘しています。
これは国民一人あたり約25万円もの将来負担を強いるものであり、円への信頼を根底から破壊する「放漫財政」に他なりません。
- 富の一極集中の加速: アベノミクス以降、企業の内部留保は561兆円にまで積み上がりましたが、働く人々の実質賃金は年額34万円も減少しました。
- 家計を蝕む病: 円安を「チャンス」と言い放つ彼女の感性は、輸入物価高に苦しむ庶民の痛みとは無縁です。この「その場しのぎのカンフル剤」は、長期的には日本の経済体力を奪い尽くすでしょう。
みずほ銀行のエコノミストなどは、日本企業の多くは既に海外生産にシフトしているため、
円安になれば国内投資や輸出が劇的に増えるという考え方は「前時代的な価値観」であり、
アベノミクスで失敗が立証されている理屈だと指摘しています
選挙投票日に向けて:ワタクシたちが選ぶべき「未来の色」
いよいよ、運命の投票日です。
94才のワタクシから、これからの日本を背負う皆様に伝えたい。
政治は、イメージ戦略といった「見栄え」で選ぶものではありません。
憲法をどう守るのか、経済をどう立て直すのか、そしてリーダーとして「誠実」であるか。
これらを冷徹に見極める目を持ってください。
投票とは、ワタクシたちから「未来へのラブレター」であり、同時に「歴史の目撃者」としての署名です。
ワタクシは94才。
それでも、日本の未来が「真っ黒な墨」ではなく、希望に満ちた色で描かれることを信じています。
胸の奥が熱くなるような静かな決意を持って、どうか一票を投じてください。
最後の一句
右腕の 嘘に隠せぬ 黒いツボ
