93歳の私が、来るべき選挙で最も重要だと思うこと~憲法への想いを込めて~

人生エッセイ

こんにちは、あかね93才です。

今回、皆さまに最も強くお伝えしたいのは、今の日本で憲法を巡って起きている議論についてです。

特に、来るべき選挙に向けて、各政党が掲げる政策の「憲法に対する考え方」にこそ私たち国民は目を凝らすべきだと、私の戦争体験から切に願うことです。

 

経済政策だけで政党を選んではいけない理由

多くの政党が、消費税の問題や「手取りを増やす」といった経済政策で、国民に耳触りの良い主張をしています。

確かに、日々の暮らしにとって経済は大切です。

しかし、どれほど魅力的な経済政策を掲げていても、憲法に対する考え方の部分で「憲法を改正する」という主張が入っている時点で、私には信用できないと感じています。

「押し付け憲法」というデタラメのカラクリ

「日本国憲法はアメリカからの押し付け憲法だ」という声が、まるで憲法改正への大義名分のように語られることがあります。

確かに、GHQが深く関与したのは事実です。

終戦の時、焼け野原に立ち尽くす中で配られた『あたらしい憲法のはなし』や『新しい憲法明るい生活』といった冊子をむさぼるように読みました。

そこに書かれていた「二度と戦争をしない」という宣言は、戦争の惨禍を経験した私の心に、まさに希望の光を灯してくれたのです。

憲法制定の真実

しかし、「押し付け」という言葉だけでこの憲法を語り尽くすことはできません。

当時の日本政府も主体的に憲法改正に取り組む姿勢を見せ、日本の専門家たちが調整を行った結果、GHQ草案を受け入れたのです。

何より、この憲法案は、女性の選挙権が認められた新しい選挙法のもとで選出された衆議院議員による活発な審議を経て修正も加えられました。

特に、戦争放棄を定めた第9条第2項に「前項の目的を達するため」という文言が追加された「芦田修正」は、日本側が主体性を発揮した証拠です。

この憲法は、GHQ側にも戦争の惨禍を二度と繰り返したくないと真摯に考え、民主主義や平和を希求する人々がいたこと、

そして日本側にも、戦前の軍国主義への反省から新しい民主的な国づくりに情熱を注ぐ人々が多くいたこと、

つまり、「アメリカと日本の憲法学者や知識人、政治家、市民が一体となって作り上げたもの」なのです。

人類の英知の結晶

この憲法に込められた理念、すなわち国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義は、一国の事情や一時代の要請を超えた、「人類の英知の結晶」だと私は信じています。

特に、憲法第9条に掲げられた平和主義は、私のような戦争体験者の切実な願いの象徴です。

「戦争は金儲け」という現実と、憲法改正への懸念

以前、山本太郎さんの話を聞いて、「戦争は金儲けのために行われている」という言葉に、私は本当に衝撃を受けました。

何の落ち度もない人々が大空襲で黒焦げになり、家族を失い、栄養失調で兄を亡くした私の辛い経験。

それらを生み出した戦争に、こんな側面があったのかと目を開かされる思いでした。

世界の緊張が高まるたびに軍事産業の株価が上がり、アメリカでは、軍事産業のトップが政府の要職に就く「回転ドア」と呼ばれる慣行が「普通に行われている」という話は、正直、おぞましい感覚を覚えます。

憲法に込められた平和への願い

憲法前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」と書かれています。

憲法9条は、武力による戦争を放棄し、戦力を持たないと定めています。

私がこの憲法に願いを見出したのは、この平和主義の理念が、「二度と戦争はこりごり」という多くの国民の実感と願い、

戦争の惨禍を繰り返さないという強い意志、そして民主主義や基本的人権といった人類の英知の結実だと感じたからです。

戦争で「得をするのは一部だけ」、そして「犠牲になるのは国民」だという現実から目を背けてはいけません。

私たちが目指すべきは、武力ではなく外交による平和の構築です。

憲法改正を主張する政党への不信感

このような私の思いからすると、来るべき選挙で各政党が憲法に対してどのような立場を取っているかは、経済政策以上に重要な問題です。

現在、憲法改正に積極的な姿勢を示している政党は多くあります。

  • 自由民主党は、憲法9条への自衛隊明記や緊急事態条項の創設などを掲げ、憲法改正を党是としています。

  • 公明党は、憲法の三原則を大切にしながらも、必要に応じて新たな条項を「加える」という「加憲」の立場を取ることが多く、憲法9条の1項と2項は維持すべきとしつつも、自衛隊の位置づけについては議論に参加する姿勢を見せています。

  • 日本維新の会は、憲法改正に積極的で、教育無償化や統治機構改革と合わせて、憲法9条に自衛隊を明記することなどを提案しています。

  • 国民民主党は、「時代に即した憲法改正」を目指し、緊急事態における国会機能の維持などを提案しています。

  • 参政党は、既存の改憲・護憲論とは異なる「創憲」という概念を導入し、国民自らが憲法を創る「国民運動」を推進すると提唱しています。

私から見れば、公明党、日本維新の会、国民民主党、そして参政党は、たとえ自民党と直接の連立を組んでいなくとも、

憲法に対する考え方の部分で「憲法を改正する」方向に傾いている点で、自公に代わる「補完勢力」だと解釈せざるを得ません。

私が支持する政党:平和憲法を護る覚悟

このような状況の中、私が支持できるのは、憲法改悪に断固反対し、現行憲法の精神を活かすことを主張する政党のみです。

憲法を守る3つの政党

日本共産党は、現行憲法の全ての条項、特に平和主義を強く守るべきという立場を貫き、憲法9条の改正には断固として反対しています。

社会民主党も、日本国憲法の平和主義、基本的人権、国民主権を断固として守るという強い姿勢で、いかなる憲法「改悪」にも反対し、憲法9条を堅持することを訴えています。

そして、れいわ新選組は、現行憲法の精神、特に基本的人権の尊重を重視しており、憲法改正よりも、現行憲法を活かして国民の生活を守る政策を優先すべきという立場です。

憲法9条の堅持を訴え、緊急事態条項の新設にも反対しています。

これらの3党は、私がこの憲法に託した平和への願いと、戦争の恐ろしさを二度と繰り返さないという強い決意に、最も近い考え方を示しています。

孫やひ孫たちに、戦争の惨禍を引き継がせないために

憲法が万が一、改正され、特に憲法9条が骨抜きにされるようなことがあれば、日本が再び有事に向かい、私の世代が見たような「徴兵制」が復活するようなことさえ起こりかねません。

私が見た大空襲の光景、何の落ち度もない人々が無残に消えていった現実、そして栄養失調で兄を亡くした悲しみ。 あんな戦争は、二度とこりごりです。

私はもう93歳になりますが、子供たち、孫、そしてひ孫たちのこれからを考えています。

なんとしても、彼らに、私が見たような恐ろしい戦争の光景を見せたくないのです。

そのような日本を、次の世代に引き継ぐわけにはいかないのです。

平和は、黙っていては守れない

平和は、黙っていては守れません。

私たち国民一人ひとりが憲法について考え、議論し続けることが何よりも大切だと信じています。

一人ひとりの声が集まって、初めて大きな力になるのです。

これからも、皆さんと共に、平和な国を守り続けていきたいと思います。

終戦の時に思った疑問を解決していきたい

このブログをはじめたのは、戦前、戦中、戦後を生き抜いた世代だから語れることが、たくさんあるはずだと考えたからです。

私の中には、まだ解決していない問題があります。

終戦の時に思った疑問があります。

なぜ戦争があるのか、あの大空襲で、なんの落ち度もない人々が、なにゆえに無残に消えていかなければならなかったのかという疑問です。

私が今こうしてブログをやっていることが奇跡のようなものです。

あんな戦争は二度とこりごりです。

私はもう90年以上も生きましたが、子供たちや孫、ひ孫たちのこれからを考えています。

こうやって動画の原稿を綴りつつ、終戦の時に思った疑問を一つ一つ解決していきたいと思います。

皆さまも、ぜひ憲法について考え、議論し続けていただければと願っています。

人生エッセイ
この記事を書いた人
akane

90年の人生を振り返ってブログとYouTubeで独り言朗読音声を残しています。娘、息子や孫、ひ孫にパソコン、スマホを習って挑戦!「あかねの独り言制作実行委員会」なるものを結成してくれて90年の現代史を残すんだ!とワイワイ手伝ってくれています。長生きするのもワルクナイ!

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