こんにちは、あかね93歳です。
今、NHK朝ドラ「あんぱん」を息をのむように見つめています。
この物語は、アンパンマンの生みの親であるやなせたかしさんと小松のぶさんご夫婦をモデルにしたドラマです。
私より一回り年上というやなせさんの人生に、自分の戦争体験が深く重なり、胸に迫るものがあります。
15歳で迎えた終戦、忘れえぬ戦争の記憶
私自身、15歳で終戦を迎えました。
焼け野原になった街に立ち尽くした時の絶望感は、今でも鮮明に覚えています。
横浜での大空襲の体験、静岡の疎開先から見た夜空を焦がす空襲の光景。
遠くの町が炎に包まれ、空一面が赤く染まる、まさに地獄絵図でした。
その後の惨状は、黒焦げになった人々の塊が幾重にも重なる光景でした。
食べるものも、着るものも、何もかもが足りない毎日。
お腹が空いて眠れない夜が続きました。
幼い弟や妹のために、母と大切な着物を風呂敷に包んで物々交換に行ったこともあります。
そして、栄養失調で兄を亡くすという辛い経験もしました。
やなせたかしさんの体験と重なる思い
なぜ戦争があるのか、何の落ち度もない人々がなぜあんなに無惨に消えていかなければならなかったのか。
この疑問は戦後ずっと私の心の中に重くのしかかっています。
あんな戦争は二度とごりごりです。
ドラマのモデルであるやなせさんご夫婦の物語は、この私の思いに深く重なります。
やなせさんは戦争の中で飢えと惨めさを体験し、その極限状態から「逆転しない正義」を体現するアンパンマンが生まれたのです。
やなせさんが「戦争は飢えと欲から起こる」という信念を抱き、腹を減った人に食べ物を分け与えるというアンパンマンの行動原理を導き出したように、
私もまた戦争の悲惨さから「二度と繰り返さない」という強い願いを胸に、戦後の日々を生きてきました。
世代を超えて受け継がれる優しさ
私の子供たちが幼稚園でよく歌っていた「手のひらを太陽に」という歌。
私の子供たちはもう還暦を過ぎました。
そして、孫たちが大好きだったアンパンマンの漫画や絵本。
孫ももう30代です。
さらにひ孫もアンパンマンが大好きで、絵本やアンパンマングッズをいっぱい買ってあげています。
やなせさんが「人を喜ばせることこそが人生」という信念でアンパンマンや「手のひらを太陽に」などの作品を通じて優しさや希望を伝え続けたように、
その思いは私の家族の世代を超えて確かに受け継がれています。
憲法との出会い – 戦後の希望の光
戦後の同じような時期に私に希望の光を灯してくれたのが、新しい日本国憲法でした。
終戦直後の混乱期、まだ町には焼け跡が多く残る中で、国民に新しい憲法について知らせるための冊子が配られました。
中学1年生向けには「新しい憲法の話」、各家庭には憲法普及会が作った「新しい憲法明るい生活」という冊子です。
平易な言葉と挿し絵で書かれていて、子供心にも理解しやすいように工夫されていました。
私はむさぼるように読み、家族と「これからどうなるんだろうね」と話し合ったことを覚えています。
特に心に響いたのは、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」という決意から憲法が生まれ、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれていたことです。
そして、女性として「男女は全く平等になる」という言葉には夢のような喜びを感じました。
この憲法は国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義という人類の英知の結晶だと信じています。
戦争の真実 – 金儲けのための戦争
ところが、先日、あるYouTube動画でれいわ新撰組の山本太郎さんの話を聞き、私は本当に衝撃を受けました。
彼は「戦争は金儲けのために行われている」と指摘したのです。
軍事産業の株価が世界の緊張とともに上がり、アメリカでは軍事産業のトップが政府の役職につく慣行が普通に行われていると。
そして、世界の防衛大手はアジア戦略の中心を日本に移し始めているというのです。
戦時中、何の落ち度もない人々が大空襲で黒焦げになり、家族を失い、栄養失調で兄を亡くした私の辛い経験。
それらを生み出した戦争にこんな冷酷な側面があったのかと目を開かされる思いでした。
正直、おぞましい感覚を覚えます。
憲法9条への思い – 平和は黙っていては守れない
憲法前文には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」と書かれています。
憲法9条は武力による戦争を放棄し、戦力を持たないと定めています。
私がこの憲法に願いを見出したのは、この平和主義の理念が「二度と戦争はこりごり」という多くの国民の実感と願い、
戦争の惨禍を繰り返さないという強い意志、そして民主主義や基本的人権といった人類の英知の結実だと感じたからです。
戦争で得をするのは一部だけ、そして犠牲になるのは国民だという現実から目を背けてはいけません。
私たちが目指すべきは武力ではなく外交による平和の構築です。
次の世代への責任
私はもう93歳になりますが、子供たち、孫、そしてひ孫たちのこれからを考えています。
憲法が万が一改正され、特に憲法9条が骨抜きにされるようなことがあれば、日本が再び有事にむかい、
私の世代が見たような徴兵制が復活するようなことさえ起こりかねません。
なんとしても彼らに私がみたような恐ろしい戦争の光景を見せたくないのです。
そのような日本を次の世代に引き継ぐわけにはいきません。
高齢者、シニア層への呼びかけ
そして、私たち高齢者、シニア層に特に伝えたいのです。
高齢者やシニア層ほど現在の政権与党に投票する傾向があります。
平和は黙っていては守れません。
私たち一人一人が憲法について考え、議論し続けることが何よりも大切だと信じています。
だからこそ、これからの日本の未来をどう築いていくかという国の根本に関わる重要な問題として、
次の選挙では各政党が掲げる経済政策も含めて、憲法に対する考え方にこそ目を凝らしてほしいのです。
私が支持できるのは憲法改悪に断固反対し、現行憲法の精神を生かすことを主張する政党のみです。
終戦の時に思った疑問を解決していきたい
このブログを始めたのは、戦前、戦中、戦後を生き抜いた世代だからこそ語れることがたくさんあるはずだと考えたからです。
私の中にはまだ解決していない問題があります。
終戦の時に思った疑問があります。
なぜ戦争があるのか、あの大空襲で何の落ち度もない人々が何ゆえに無惨に消えていかなければならなかったのかという疑問です。
私が今こうしてYouTubeで独り言を綴っていることが奇跡のようなものです。
あんな戦争は二度とごりごりです。
私はもう90年以上も生きましたが、子供たちや孫、ひ孫たちのこれからを考えています。
終戦の時に思った疑問を1つ1つ解決していきたいと思います。
これからも皆さんとともに平和な国を守り続けていきたいと思います。