2026年1月23日午後、衆議院解散。
高市早苗総理が、通常国会の冒頭で、まるで逃げるように解散断行です。
予算委員会での本格的な論戦が始まる前に、です。
野党が準備していた質問状も、国民が求めていた説明も、すべてを振り切って。
名古屋の息子の家で、ワタクシの胸に去来したのは、90年以上生きてきた中で幾度となく見てきた「権力の逃げ足」でした。
満州事変の年に生まれ、戦争を経験し、戦後の混乱も、高度成長も、バブルの崩壊も見てきたワタクシには、わかるのです。
何かを隠そうとする者の、あの焦りが。
韓国から届いた「3200ページの真実」
その鍵を握るのが、昨年末に韓国から流出した膨大な内部文書、通称「TM特別報告書」でございます。
あまり日本では報道されていないので、ここでまとめてみたいと思います。
3200ページ。
原稿用紙に換算すれば、優に8000枚を超える分量です。
ワタクシが若い頃、夜なべして弟妹たちの学用品を縫っていた時間を思い出します。
一針一針、丁寧に。
けれども、この文書に記されていたのは「丁寧な仕事」などではありませんでした。
日本の政治が、いかにして外国の宗教団体に蝕まれていったかという、血も涙もない記録だったのです。
「TM」——「True Mother(真のお母様)」。
旧統一教会のトップ、韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁を指します。
2018年から2022年にかけて、日本の教団幹部が韓国本部に提出し続けた報告書。
そこには、日本の政治家をどう「工作」し、選挙をどう「支援」してきたかが、実名入り、日付入りで克明に記されていました。
日本と韓国、まるで別世界の報道温度
不思議なことに、この重大な文書について、日本のテレビはほとんど沈黙しています。
韓国ではハンギョレ新聞をはじめ、大きく報道されました。
日本政界癒着と韓国国内ロビー疑惑を軸に、教団幹部による韓国の前大統領夫妻・与野党政治家への金品提供疑惑や、集団入党・候補支援など「韓国版政治工作」も焦点になっています。
教団トップのハン・ハクチャ総裁は逮捕され、起訴され、政界を巻き込んだ大スキャンダルとして国中が揺れています。
ところが日本では、NHKも民放も、主要新聞も、まるで何も起きていないかのよう。
ハンギョレ新聞(韓国)が最初に報道し、日本メディアはそれを引用して報じた形です。
時系列で「TM特別報告書」の報道について調べました。
2025年12月28日: 韓国のハンギョレ新聞がTM特別報告書の内容を報じました。自民党290人支援、安倍氏面談、高市早苗氏32回言及などを詳細暴露したのです。
2025年12月29日: 日本メディアの初報として、「しんぶん赤旗」がハンギョレ新聞を基に「安倍氏、選挙応援を依頼」と1面報道。
以降、毎日新聞、日刊ゲンダイ、朝日新聞などが追随しています。
今年に入って『週刊文春』も全文入手と報道しています。
やはり赤旗は、いち早く報道しています。
2021年総裁選での高市氏への言及、沖縄県名護市長選への組織的介入など、公権力と教団の癒着を具体的に暴き続けています。
文春は3200ページの全容を「闇のTM文書」として特集し、高市総理の最側近・佐藤啓官房副長官の「応援集会」出席疑惑など、決定的な証拠を突きつけました。
大手メディアの沈黙。
それはまるで、戦時中に「大本営発表」しか報じなかった新聞のようではありませんか。
ワタクシは少女時代、ラジオから流れる勇ましい戦果に胸を躍らせましたが、やがてそれが嘘だったと知った時の衝撃を、今も忘れることができません。
「知らなかった」という総理の弁明
高市総理の釈明は、実に明快です。
「ハン・ハクチャ総裁については、報道が出るまで名前すら知らなかった」 「教団との組織的な支援を受けた事実は断じてない」 「文書内に自分の名前が32回出てくるのは、教団側の『片思い』に過ぎない」
なるほど、確かに「知らない」と言えば、証明するのは難しい。
けれども、本当に知らない相手から、32回も名前を出されるものでしょうか。
しかも、高市氏を自民党総裁にすることが「天の最大の願い」とまで書かれているんです。
それは、まるで夜空に輝く星のようなもの。
星は遠く離れていても、その光は確実に地上に届いている。
知らないと言っても、その光を浴びていた事実は消えないのです。
文書が暴いた「3つの衝撃」
この「TM特別報告書」には、総理の弁明を覆すような具体的な記述が満載されています。
第一の衝撃:自民党議員290人への組織的支援
自民党の自主調査では「接点あり」は180人とされていました。
けれども内部文書には、290人を応援したと明記されています。
110人の差。これは誤差ではありません。隠蔽です。
しかも、ただの「応援」ではありません。
秘書の派遣、無償の電話作戦、戸別訪問——。
教団はまるで自民党の「下部組織」として機能していたのです。
戦時中、隣組が上からの命令を忠実に実行していた光景が、ワタクシの脳裏に蘇りました。
第二の衝撃:高市総理の名前が32回も登場
文書の中で、高市総理は「実力ある女性政治家」と評され、彼女を総理にすることが教団にとっての「天の最大の願い」と位置づけられていました。
32回。
これは、まるで恋文のように何度も何度も名前を書き連ねる行為です。
片思いにしては、あまりにも具体的すぎる。
本人が「知らない」と言うのに、教団側がこれほどまでに彼女を神格化し、支援を報告し続けていた——この矛盾を、どう説明するのでしょう。
第三の衝撃:側近たちの「決定的役割」
萩生田光一氏(幹事長代行)は、安倍元首相と教団を繋ぐ「仲介役」として文書内で絶賛されています。
さらに衝撃的なのは、佐藤啓氏(官房副長官)です。
安倍元首相が銃撃された、まさにその日、奈良の教会では佐藤氏の応援集会が開かれ、妻が代理出席していた——。
この事実を知りながら、高市総理は佐藤氏を政権中枢の要職に留め続けているのです。
ワタクシが若い頃、工場で働いていた時のことを思い出します。
不良品が一つでも見つかれば、製造ライン全体を止めて原因を究明しました。
けれども今の政権は、問題のある部品を取り換えることすらせず、そのまま稼働させ続けている。
これで、国民の信頼という「製品」が、まともに作れるはずがありません。
半世紀に及ぶ闇:岸信介から安倍晋三、そして高市へ
この癒着の根は、実に深い。半世紀以上前に遡ります。
1960年代、岸信介元首相が文鮮明(韓国語発音は「ムン・ソンミョン」)氏と「国際勝共連合」を設立しました。
反共産主義という「大義」のもとに、政治と宗教が手を結んだのです。
教団は「実動部隊」——選挙の際の人手、電話かけ、戸別訪問——を提供しました。
自民党は見返りに、教団の「反社会的な活動」を政治の力で事実上保護してきました。
霊感商法の被害が社会問題化しても、なかなか規制が進まなかったのは、この「裏取引」があったからです。
そして安倍晋三氏。
彼はこの関係を強固なものにし、教団からのビデオメッセージまで送りました。
その安倍氏亡き後、深い繋がりは「安倍派の継承者」を自任する高市氏へと引き継がれた——TM報告書は、そう示唆しているのです。
まるで家督相続のように、闇の盟約が世代を超えて受け継がれていく。
ワタクシは長女として、9人兄弟姉妹の面倒を見てきました。
受け継ぐべきものは、家族の絆や、助け合いの精神です。
けれども、受け継いではならないものもある。
それが権力の腐敗であり、国民を欺く体質なのです。
なぜ「今」解散なのか?——疑惑の時系列
時計の針を少し巻き戻してみましょう。
2025年12月15日
韓国警察が「TM特別報告書」を押収。
2025年12月28日
韓国メディアが内容をスクープ。
2025年12月29日
日本メディアの初報として「しんぶん赤旗」報道。
2026年1月7日
『週刊文春』が全文入手を報じ、実名が次々と露呈。
2026年1月23日
通常国会冒頭で、高市総理が電撃解散。
この流れを見れば、火を見るより明らかです。
予算委員会が開かれれば、野党から「TM報告書」に基づいた一問一答で徹底追及される。
証人喚問も要求される。
それを避けるために、総理は自ら説明する責任を放棄し、疑惑が国民全体に浸透する前に「選挙」という舞台で幕引きを図ったのです。
これは、まるで火事場から逃げ出すようなもの。
燃え盛る疑惑の炎を消すのではなく、現場から逃げ出して「あとは有権者に任せます」と叫んでいるのです。
90年生きて思うこと——権力とカルトの危うさ
ワタクシは90年以上、この国の移り変わりを見てまいりました。
戦前、「天皇のため」「お国のため」という言葉のもとに、多くの若者が戦地に送られました。
疑問を持つことすら許されない空気がありました。
戦争末期、全国への大空襲、原爆、何の落ち度もない人々が黒焦げになったんです。
戦後、ようやく民主主義が根付き、自由にものが言える時代になったと思いました。
けれども、今また違った形で、「宗教」と「政治」が結びつき、国民の知らないところで密約が交わされている。
教団の最終目標は、日本の首相を教団トップに屈服させ、日本を教義に従属させること——いわゆる「天一国」の実現にあります。
これは、単なる陰謀論ではありません。
3200ページの文書が、生々しく語っている事実なのです。
ワタクシがシングルマザーとして4人の子供を育てていた頃、オイルショックで物価が高騰し、毎日が戦いでした。
けれども、どんなに苦しくても、子供たちには嘘をつきませんでした。
「お母さんにもわからない」と正直に言いました。
今の政治家に欠けているのは、この「正直さ」ではないでしょうか。
「知らない」「関係ない」と繰り返すばかりで、3200ページの記録と向き合おうとしない。
私たちの「一票」が試されている
今回の解散総選挙は、単なる政権選択ではありません。
「この国の主権を、半世紀に及ぶカルトの工作から取り戻せるか」
これが問われているのです。高市総理が「関係ない」と繰り返す言葉を信じるのか。
それとも、3200ページの生々しい記録を重く見るのか。判断するのは、私たち有権者です。
ワタクシは94才です。もう何度選挙に行けるかわかりません。
けれども、孫やひ孫たちが生きていくこの国を、少しでもまともな形で残したい。
そのために、一票を投じたいと思います。
権力は腐敗します。それは歴史が証明しています。だからこそ、私たちは目を光らせ、声を上げ続けなければならないのです。
どうか皆さん、大手メディアが報じないからといって、この問題が「ない」わけではありません。
インターネットを使える方は、『しんぶん赤旗』や『週刊文春』の記事を探してみてください。
心ある多くのユーチューバーさんも動画を公開しています。
そして、ご自分の目で、ご自分の頭で、判断してください。
90年以上生きてきたワタクシからの、心からのお願いでございます。
最後の一句
三千の 嘘を一票 切り裂かん
(3200ページ(三千)と一票という対比と、切り裂くを有権者の力強い意志としました。)

