デマに惑わされず、真実を見つめる勇気を・選挙期間中の外国人攻撃について

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皆さま、こんにちは。あかねです。

2025年7月参議院選挙投票日前に急いでブログを書いております。

しかし、この選挙期間中に目にするSNS上の光景に、私は深い憂いを感じずにはいられません。

外国人の方々への攻撃的な発言が、まるで嵐のように拡散されている様子を見ていると、胸がざわめいてしまうのです。

そして、そのような排斥的な言説を声高に叫ぶ勢いが人気を集めていると聞き、私はこの状況を大変問題視しています。

投票日を目前に控えた今、私たちは一度立ち止まって、冷静にこの問題を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。

真実とは何か、私たちが信じるべき情報とは何かを、皆さまと一緒に考えてみたいと思い、今日はこの重いテーマについて筆を執りました。

日本ペンクラブの緊急声明が教えてくれること

先日、文学関係のお友達から、日本ペンクラブが「選挙活動に名を借りたデマに満ちた外国人への攻撃は私たちの社会を壊します」という緊急声明を出されたと教えていただきました。

その文面を読んだ時、私の心は深く揺さぶられました。

日本ペンクラブというのは、文学・文化に関わる表現とその普及にたずさわる人々が集まる国際組織「国際P.E.N.」の日本センターです。

言論・表現・出版の自由の擁護、文学の振興、文化の国際交流、そして世界平和への寄与を目的として活動されています。

この組織の設立背景には、戦争に対する強い危機感があったのです。

戦争が言論・表現の自由を抑圧し、人権を軽んじることを身に沁みて知った文学者たちが集まったのが始まりだとされています。

私も戦争を経験した身として、この危機感を心の底から理解できます。

彼らは、あらゆる戦争に反対し、憎しみを取り除く努力をすること、そして「政治的個人的な目的のための欺瞞の出版、意図的な虚構、事実の歪曲など言論報道の自由にまつわる悪弊に反対する」ことを誓っています。

この声明は、彼らが「社会が壊れていくのを見過ごすことはできない」という強い危機感から、嘘とデマに満ちた外国人への攻撃を止めようと、魂を込めて出されたものなのです。

私も、彼らの平和と真実を求める姿勢に、心から共感いたします。

「外国人優遇」という言説の真実を探る

SNSを見ていると、「外国人が生活保護や国民健康保険を乱用している」「中国人留学生ばかりが優遇されている」といった、まるで火のように燃え上がる言説が目につきます。

しかし、これらの情報は本当に事実なのでしょうか。

TBSのニュースによると、次のような内容です。

生活保護に関する真実

政府(厚生労働省)は、生活保護の取り扱いにおいて、外国人を優先しているということはなく、日本人と変わらないと明言しています。

数字で見てみましょう。

生活保護を受給している約164万世帯のうち、世帯主が外国人であるケースは約2.9%です。

この数字は、日本の総人口に占める外国人の割合とほぼ一致しており、ここ20年で全体のおよそ3%と変わっておらず、突出した状況にはないとのことです。

「中国人生活保護者が5年間で2倍に激増した」という動画も拡散されていますが、厚生労働省によると、実際は2023年度の9471人に対し、5年前の9059人から約400人の増加に過ぎず、2倍になったという事実はありません。

まるで雪だるま式に増えているかのような印象を与える情報でしたが、実際の数字は全く違うのです。

また、生活保護の受給要件には、永住者、定住者、配偶者が日本人であることなどが定められており、技能実習生や留学生、就労目的で来日している外国人の方は生活保護の対象ではありません。

中国人留学生優遇に関する真実

「中国人留学生だけを優遇」し、高額な奨学金や授業料免除、航空券支給があるという投稿がSNSで拡散されました。

しかし、文部科学大臣は、「特定の国籍を優遇した支援は行っておりません」と明確に述べています。

文部科学省によれば、優秀な外国人留学生を受け入れるための「国費外国人留学生制度」は存在し、奨学金や授業料免除、航空券の支給などがあります。

しかし、これは「優秀な留学生が対象」であり、昨年度選ばれたのは全ての留学生のわずか2.8%に過ぎない「狭き門」です。

この制度を利用した留学生を国籍別に見ると、インドネシアが最も多く、中国は4番目に位置しています。

実際に「中国人留学生を優遇」と投稿した人は、その根拠について「明確な根拠をお示しするのは困難」と回答したそうです。

このように、SNSで拡散されている「外国人優遇」の情報の多くは、事実とは異なる、あるいは根拠が不明なデマであることが分かります。

まるで霧のように曖昧な情報が、あたかも確かな事実であるかのように広がっている現状に、私は深い憂慮を感じています。

「安全保障化」と「悪魔化」という恐ろしいプロセス

私が数年前から注目している伊勢崎賢治氏は、「戦争は決して『いきなり始まる』ものではない」と強く警鐘を鳴らしています。

そして、戦争が始まる前には必ず、「安全保障化」という恐ろしいプロセスがあるのだと解説しています。

「安全保障化」とは、特定の国や民族に対する脅威をこれでもかと煽り立て、相手を「悪魔」であり「人間ではない存在」かのように描き出すことで、

人々の中から対話や交渉といった選択肢を消し去り、国全体を戦争へと駆り立てていくような言説空間が生まれることです。

伊勢崎さんは、これが「悪魔化のプロセス」だと指摘します。

私自身も、戦争中に「鬼畜米英」という言葉を何度も聞きました。

アメリカ人やイギリス人を人間ではなく鬼や畜生のように描くことで、人々の心から慈悲や理解を奪い、憎悪を煽ったのです。

そして、この「正義」に疑問を投げかける者は「非国民」「売国奴」と呼ばれ、社会から排除されてしまう「同調圧力」の恐ろしさも体験しました。

あの時代を思い出すと、今でも胸が苦しくなります。

隣人同士が疑心暗鬼になり、自由な発言ができなくなり、最後には若い人たちが戦場に送られていく…。

そんな暗い時代を、私たちは二度と繰り返してはならないのです。

今、SNS上で外国人の方々を「悪者」や「社会の邪魔者」かのように扱う言説が広がることは、

まさにこの「安全保障化」と「悪魔化」のプロセスが、私たち自身の社会の中で起きていると捉えるべきではないでしょうか。

自分たちの生活の苦しさを、誰かのせいだと思い、その不満をぶつけたいという感情が、選挙というきっかけで噴き出しているのかもしれません。

伊勢崎氏は、このような感情的な「安全保障化」の言説に流されず、「脱セキュリタイゼーション(非安全保障化)」の能力を社会全体で獲得することが不可欠であると訴えています。

真にこの国を守るためには、軍事力増強にばかり目を向けるのではなく、「攻めてこないようにする」ための平和外交と、

国際社会での独自の貢献のあり方を追求することこそが不可欠なのです。

冷静に、賢く、日本の未来を考える時

今、私たちに求められているのは、SNS上で拡散される情報に感情的に反応するのではなく、

「それは誰が、どのような目的で、何を根拠にして発信しているのか」というところまで一歩踏み込んで考えていくことです。

デマや差別扇動は、過去に関東大震災時の朝鮮人虐殺といった悲劇につながった歴史があることを、私たちは決して忘れてはなりません。

災害の混乱に乗じて流れたデマが、罪のない人々の命を奪ったという痛ましい歴史を、現代に生きる私たちは肝に銘じるべきです。

戦争を経験した者として申し上げたいのは、国民が貧困に苦しみ、自由が奪われ、そして最後には戦争という破滅に向かっていく道は、もう二度と選んではならないということです。

平和は、誰かが与えてくれるものでも、黙っていて守れるものでもありません。

私たち一人ひとりが、この国の行く末を真剣に考え、声を上げ、議論し続けること。その小さな声が集まって、初めて大きな力になるのだと、私は信じております。

「脅威」を煽る「安全保障化」に惑わされず、冷静に、賢く、日本の未来を考えていきましょう。

真実を見つめる勇気を持ち、デマに惑わされない賢明な判断をしていくことが、今この時代を生きる私たちの責務なのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

皆さまお一人お一人の良心が、この国の未来を照らす灯火となることを、心から願っております。

あかね


最後の一句

「冷静に 見極めよ 今選ぶ道」

おそまつさまでした。

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この記事を書いた人
akane

90年の人生を振り返ってブログとYouTubeで独り言朗読音声を残しています。娘、息子や孫、ひ孫にパソコン、スマホを習って挑戦!「あかねの独り言制作実行委員会」なるものを結成してくれて90年の現代史を残すんだ!とワイワイ手伝ってくれています。長生きするのもワルクナイ!

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