あきらめるのは、まだ早い
最近のニュースをご覧になって、「もう、どうにもならないのかしら……」と、
ため息をついていらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。
ワタクシの人生のなかでは、戦争があって、焼け野原があって、それでも人々は立ち上がってきた。
あの時代に比べれば、今はまだ、声を上げる自由がある。
ならば、まだ希望を手放してはいけないと、ワタクシは思うのです。
今日はね、最近のニュースの中から、小さくても確かな「希望の灯火」をいくつかご紹介したいと思います。
「完全比例制」という鏡に映ると、民意の本当の姿が見えてくる
先の総選挙。「自民党圧勝」という言葉が飛び交って、がっかりされた方も多かったのではないかしら。
でもね、ちょっと待ってください。
今の「小選挙区制」という仕組みは、たとえて言うなら「傾いたシーソー」のようなものです。
ほんの数パーセントの重みの差で、片方がガタンと地面に落ちてしまう。
得票の差はわずかなのに、議席の差だけが大きく開く――そういう「虚構の多数」を生みやすい制度なのです。
日本共産党志位和夫議長の『サンデー毎日』のインタビュー「高市圧勝はミスリード」という記事、
30日付の「しんぶん赤旗」で、総選挙の数値を「完全比例制なら」ということで再計算した記事がありました。
あの選挙が、完全比例制なら共産党は8議席が18議席へ、れいわは9議席が8議席(ほぼ同水準を維持。
制度という分厚い壁に押しつぶされているだけで、民意はちゃんと、そこにある。
この数字が教えてくれることを、どうか忘れないでいてほしいのです。
制度の壁があるだけで、国民の意志は確実に積み上がっています。
「希望を捨てるべからず」。この数字は、私たちが決して無力ではないことを教えてくれています。
東京・清瀬で起きた「草の根の奇跡」
3月29日、東京都清瀬市長選挙で、とても胸が熱くなる出来事がありました。
日本共産党員で元市議の原田博美さんが、自公推薦の現職市長を破ったのです!
なぜ勝てたか。それはね、市民の「怒り」が「行動」に変わったからです。
図書館の廃止計画など、市民の声を無視して進められる市政に、ついに「もう黙っていない!」という静かな、しかし力強い炎が燃え上がった。
草の根の力は、巨大な組織票をも動かせる――清瀬がそれを証明してくれました。
東京都清瀬市長選挙では、日本共産党と社会民主党が推薦。
新社会党や緑の党、市民連合からも推薦があり、多党派の協力が見られたと報道されていました。
報道のなかに、れいわ新選組が出てこないのが少し残念です。
事情はよく分かりませんが、みんなが一緒になれるといいなと思います。
こういった市民の声をからの政治勢力は、全然衰えていないんです。
むしろ大きくなっていると感じます。
「解散権」の使い方が、憲法を揺るがしている
今の政権による強引な国会解散についても、ひとこと申し上げたいと思います。
憲法には、69条という条文があります。
これは「内閣不信任案が可決されたとき」に解散できると定めたもの。
ところが今の政権が繰り返して使うのは「7条解散」。
天皇陛下の国事行為として列挙されている条文を、首相が自分の都合のいいときに解散の根拠にするものです。
今回の「高市逃げ切り解散」にしても違憲だと思います。
憲法の条文はこうです。
第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。・・・三 衆議院を解散すること。
「国事に関する行為」です。
1960年の最高裁「苫米地事件」判決でも、この問題は「高度な政治性があるから裁判所は判断しない」と逃げてしまいました。
憲法の条文からどう読んでも、天皇の国事行為が書かれているだけなのに、です。
「自分たちに都合の良い時だけ議論を放り出して、選挙に持ち込む」
こうした解散権の乱用に、ワタクシたちは厳しい目線を持ち続けなければなりません。
日本の「戦争反対」の声が、遠い中東に届いていた
最後に、今この瞬間も戦火の中にある人たちのことを。
トランプ政権によるイラン攻撃に対し、「無法な戦争はいらない」とアメリカ国内で史上最大の800万人、3300か所でデモが起きました。
イスラエルやエルサレムでも大きなイラン攻撃反対のデモが起きています。
そして日本でも、新宿をはじめ各地で「戦争反対」の声が上がっています。
ここで驚いたのは、この日本の反戦運動の様子が、中東のSNSで大きな反響を呼んでいるということです。
日本の国会前で行われた反戦アクションは、アルジャジーラなどのメディアやSNSを通じて中東へ拡散され、合計閲覧数が100万回を超える大反響を呼んでいます。
ワタクシは、生まれてからずっと15年戦争のなかで育ちました。
空襲警報の音、食べるものがない日々、工場で働きながら泣くことさえできなかったあの頃。
「戦争はいけない」という言葉の重さは、体の奥に刻み込まれています。
だから、日本の市民が上げる「反戦」の声が、遠く離れた土地で苦しむ人たちの心の支えになっているという事実に、ワタクシは思わず目頭が熱くなりました。
これは感動というより、「生き続けてよかった」という、深いところから湧いてくる安堵のような感情でした。
希望は、つくるもの
選挙制度の歪み、強権的な政権運営、終わらない戦争……課題は山のようにあります。
でもね、清瀬で市民が勝利した。
完全比例制で計算し直せば、民意はちゃんとそこにある。
日本の反戦の声が、国境を越えて響いている。
ワタクシたちは、負けていません。
「希望は、捨てるものではなく、自分たちの手でつくり出すもの」
94年、ワタクシはそう信じて生きてきました。明日もまた、明るい目線で、一歩ずつ。
🖊 最後の一句
草の根に 火が灯るとき 春来たる
(くさのねに ひがともるとき はるきたる)
小さな市民の声が点火した清瀬の炎、世界を渡る反戦の波――この春、地の底から確かに何かが芽吹いています。94年生きたワタクシには、あの焼け野原から立ち上がった春の感触と、どこか重なって見えるのです。
