ここは名古屋の息子の家の一室なのですが、窓の外を見ますとね、2026年7月5日、日曜日が曇り空で、なんだかスッキリしないお天気です。
この1週間、6月29日から7月5日までの「しんぶん赤旗」電子版をパソコン画面から一枚一枚めくっておりますと、
今の国会から漂ってくる、とてもきな臭い風を感じずにはいられません。
今週の国会は、まさに「数の暴力」という言葉がぴったりの、荒れ模様の1週間でございました。
多様な民意を切り捨てる衆議院の比例定数を45も削減する法案や、
私たちが胸の内に抱く思想や良心の自由まで縛り付けようとする国旗損壊処罰法案。
そうした、民主主義の根っこを力ずくで引っこ抜くような法案を、与党が野党の反対を押し切って次々と強行採決しようとしているのです。
テレビはサッカーの話題ばかりで大騒ぎしておりますけれど、その熱狂の裏側で、
私たちの暮らしや自由を天秤にかけるような恐ろしい出来事が、
静かに、そして確実に進行している。そんな1週間の流れでございました。
でもね、皆様。どうかため息をつかないでくださいませ。
どんなに深い暗闇の中にも、必ず小さな光は存在しているものなのです。
今日は、この1週間の赤旗の記事から、関連するテーマをぎゅっと合体させまして、大きく3つのテーマでお話しさせていただきたいと思います。
1つ目は、私たちの大切な税金が膨大に使われている、アメリカからの武器の「爆買い」と、軍事産業への異常な肩入れについてのお話。
2つ目は、唐招提寺の長老である久保孝戒さんのお言葉をはじめとする、文化人や宗教者の方々の反戦と平和への深い祈りについて。
そして3つ目は、なんとあの軍事大国アメリカや、紛争の渦中にあるイスラエルで、
平和を求める左翼勢力が希望の芽を大きく伸ばしているという、思いがけない結末のようなお話です。
どうか、耳だけワタクシに貸していただき、お茶でも飲みながらリラックスして聴き流していただければ幸いです。
1つ目のテーマ:私たちの税金が飲み込まれる、兵器の「爆買い」
それでは、1つ目のテーマからお話ししてまいりましょう。
7月5日の第1面に、「武器購入元 米国1位」という、なんとも背筋が寒くなるような大きな見出しが躍っておりました。
防衛省の2025年度の武器などの購入において、アメリカ政府の「有償軍事援助」、頭文字をとってFMSという制度を通じた武器の購入額が、
なんと9930億円に達し、購入元として日本が堂々の首位になったというのです。
前年度から比べて、およそ1100億円もの増加だそうです。
皆様、頭の中で少し図解をイメージしてみてください。
巨大なベルトコンベアが海を越えてアメリカへと繋がっていて、
その上に、私たちが汗水流して納めた税金の札束が山のように積まれているのです。
そしてそのベルトコンベアの先には、アメリカの軍需産業という名の、
底なしの真っ暗なブラックホールがポッカリと口を開けて、私たちの財産を次々と飲み込んでいる。
そんな恐ろしい絵が浮かんでまいりませんか。
記事によりますと、アメリカからはステルス戦闘機のF35AやF35Bなどを大量に買っているそうです。
驚くべきことに、そのF35Aという戦闘機は、1機あたり約170億円もするのだそうです。
近年の円安の影響で、たった1年で23パーセントも値上がりしているとのこと。
スーパーでキャベツが数十円値上がりしただけで、私たちは家計簿とにらめっこしてため息をついているというのに、
1機170億円の戦闘機を、言い値で次々と買わされているのです。
しかもこのFMSという制度は、価格も納期も、アメリカ側が一方的に決められるという、まるでお殿様と家来のような不平等な仕組みなのです。
さらに恐ろしいニュースが、同じ7月5日の第2面にございました。
「主張 武器工場の国有化」という記事です。
政府は、戦争が長引いても武器や弾薬が不足しないように、経営が苦しい武器製造工場を国が買い取って、
運営を企業に任せるという国有化の仕組みを検討しているというのです。
これを「国有施設民間操業」、GOCOと呼ぶそうです。
7月2日の紙面でも、政府が人工知能や軍事などの分野へ370兆円もの莫大な投資を行う計画だと報じられていました。
ワタクシは、この「武器工場の国有化」という言葉を聞いた瞬間、心臓が凍りつくような思いがいたしました。
94年前、満州事変が起きた年に生まれたワタクシは、女学校時代、太平洋戦争の真っ只中で、学徒動員として横須賀海軍工廠で働かされました。
あの時の、鼻をつく油の匂い、響き渡る機械の轟音、そして毎日毎日、
武器の部品を作り続けたあの鈍い鉛色の記憶が、鮮明に蘇ってきたのです。
国が直接、武器工場を所有する。それはまさに、戦前の「国営工廠」の復活ではありませんか。
かつて日本を破滅へと導いた、あの巨大な鉄の塊が、再び私たちの平和な日常を押し潰そうと動き出している。
ワタクシの胸の奥底から湧き上がる怒りは、もはや熱い炎というよりも、
深い深い海の底のような、言葉にならない悲しみの色に変わってゆくのを感じます。
2つ目のテーマ:文化と宗教が放つ、黄金色の平和への祈り
しかし、そんな鉛色の絶望に包まれそうになるワタクシの心を、温かい黄金色の光で包み込んでくれたのが、2つ目のテーマでございます。
7月5日の第3面に、「今の時代に伝えたいこと」として、奈良の唐招提寺、第90世長老に就任された久保孝戒さんのお話が掲載されておりました。
唐招提寺といえば、あの鑑真和上が創建された、日本と中国の友好の象徴とも言えるお寺ですわね。
久保長老は、仏教の第一の教えである「不殺生」について、こう語っておられます。
「単に生き物を殺してはいけないというだけでなく、自分とは違う考えや存在を否定してはならないという教えです。殺し合いで解決することは一切ありません」と。
そして、今の政府が軍備を拡大していることに対して、
「やるべきは軍備の拡大ではなく、戦争を起こさないようにすることこそ大切です」と、きっぱりと仰っています。
日本の国旗を傷つけた人を罰する「国旗損壊罪」についても、「法律で取り締まるのではなく、
損壊されないような尊敬される国にすることが何よりも先ではないでしょうか」と、
実に理にかなった、慈悲深くも厳しいご指摘をされています。
武力という冷たくて硬い鋼の色に対して、文化や宗教が持つ、柔らかで温かい黄金色の光。
その光は、どんな武器よりも強く、人々の心を打つものです。
7月1日の第1面では、世界で活躍されるピアニストの小川典子さんが、素晴らしい寄稿をされていました。
かつてバルト三国の人々が、武器を持たずに独立を勝ち取った「人の鎖」のお話を引き合いに出し、
私たちも声を上げて、人の鎖の一人になる準備はできていると語っておられます。
7月3日の紙面では、美術家の中垣克久さんが、国旗損壊罪は芸術の自由を奪い、
人間を束縛するものだと、表現者の魂をかけて訴えておられました。
ワタクシたち一人一人が手に持つペンライトの小さな光は、決してか弱くなんかないのです。
それを持ち寄れば、暗闇を打ち砕く巨大な希望の鎖になる。
文化人の方々や、国会前でプラカードを掲げてスタンディングをしている名もなき市民の方々の姿を見ていると、
ワタクシの胸の内にあった悲しみは、いつしか「絶対に平和を諦めない」という、
未来への確固たる覚悟という名の、静かで力強い炎へと変わっていくのを感じるのです。
3つ目のテーマ:絶望の底で芽吹く、新しい連帯と希望
そして皆様、最後にお伝えしたいのが、3つ目のテーマでございます。
これはまさに、1本の映画を観ているかのような、思いがけない結末の物語です。
戦争や分断、果てしない軍拡のニュースばかりが流れてくる国々で、実は今、全く新しい希望の風が吹き始めているのです。
7月5日の第3面、「左翼連合『ハダシュ』って?」という小さな記事に、ワタクシは目を奪われました。
今、ガザでの凄惨な出来事で世界中から厳しい目が向けられているイスラエル。
その商業都市であるテルアビブで、なんとイスラエル共産党が参加する左翼連合の議員が、副市長に就任したというのです。
その方はアラブ系住民の支援をしてきた弁護士さんで、ユダヤ系とアラブ系の進歩的な人々が手を取り合い、
イスラエル政府の軍事行動を堂々と批判し、パレスチナとの和平や軍事費の大幅削減を求めて活動しているのだそうです。
さらに、7月4日の第2面「主張 アメリカ建国250年」や、6月29日の国際面の記事を読みますと、
あの資本主義と軍事力の象徴であるアメリカでも、巨大な格差や排外主義に対する怒りから、
若者たちを中心に「民主的社会主義者」、頭文字をとってDSAと呼ばれる方々が急速に支持を広げ、躍進しているというのです。
イスラエルやアメリカといえば、軍事力で世界を動かそうとする強硬なイメージばかりが先行しております。
でも、その分厚くて冷たいコンクリートの壁の奥深くで、実は人知れず、
平和と平等を求める鮮やかな緑色の新芽が、力強く、そして確実に育っていたのです。
絶望のどん底のように見える場所にこそ、一番生命力に溢れた希望の種が蒔かれていた。
どんなに権力者が上からコンクリートで覆い隠そうとしても、人間の持つ回復力と、
連帯を求める命の力は、必ずその隙間を縫って光の射す方へと伸びていく。
ワタクシは、この海の向こうのニュースを知り、人間の持つ底知れぬ可能性に、思わず熱い涙がこぼれました。
真実を知るための確かな道しるべ
皆様、いかがでしたでしょうか。
今日お話ししたような、アメリカからの法外な武器の爆買いの実態や、軍需産業への異常な税金投入、
そして、イスラエルやアメリカの内部で力強く芽吹いている平和への連帯の動き。
こうした、私たちの未来を左右する本当に大切な真実は、残念ながら、大手メディアのテレビや新聞では、
スポーツの熱狂や表面的なニュースの陰に隠されて、なかなか報じられることはありません。
だからこそ、権力の暴走をしっかりと監視し、
世界中の希望の芽を余すところなく私たちに届けてくれる「しんぶん赤旗」を読むことが、
今、これほどまでに重要な時代はないと、94歳のワタクシは痛感しております。
毎日の暮らしに追われていると、政治のことなんて遠い世界の話に思えるかもしれません。
でも、170億円の戦闘機を買うお金は、私たちの財布から出ているのです。
どうか皆様も、ご自身の目で、この時代の真実の色を確かめるために、しんぶん赤旗の購読を検討してみてはいかがでしょうか。
そこにはきっと、暗闇を照らす確かな道しるべが記されているはずです。
さて、今日のお話の締めくくりに、ワタクシの今の思いを「最後の一句」に込めさせていただきたいと思います。
最後の一句
鉄の壁 透かして見ゆる 青葉かな
(てつのかべ すかしてみゆる あおばかな)
どんなに分厚い軍拡の壁も、人々の平和を求める若葉のような力強さを、覆い隠すことは決してできないという希望を詠みました。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。また次回、「あかねの独り言」でお会いいたしましょうね。ごきげんよう。

コメント