草の根から吹く赤い風 ワタクシが見つめる、アメリカ中間選挙と「王はいらない」の声

あかね

みなさま、こんにちは。あかねでございます。

2026年11月3日、アメリカは歴史的な決断の日を迎えます。

この日はアメリカの中間選挙の投票日です。

中間選挙とは、大統領の任期のちょうど真ん中で行われ、議会の顔ぶれを入れ替える選挙のことでございます。

けれども今回の選挙は、民主党と共和党という二つの大きな政党が議席を取り合うだけの勝負ではないようです。

第二次トランプ政権の強引な政治、いつまでも終わらないイランとの戦争、そのせいで暮らしを押しつぶす物価高、

そして大企業や軍需産業ばかりを大事にして豊かな人を優遇する政治。

そうしたものに対する、怒れる働く人々の「通信簿」のようなものになっているのです。

いま、アメリカの各地で、ワタクシたちの想像を超えることが起きています。

支配する側が「赤だ、危険だ」と脅しても、歴史をなかったことにしようとしても、草の根から「赤い波」が湧き上がってきているのです。

アメリカ民主社会主義者という、略してDSAと呼ばれる団体をはじめ、左派の人たちが、二大政党の土台をゆさぶっております。

平和と民主主義と暮らしを守ると言って立ち上がった労働者や若者たちが、

アメリカと世界の政治をどう塗り替えようとしているのか。

ワタクシ、今日はその最前線をお話ししたいと思います。

アメリカの2大政党制やアメリカの左派の歴史などは、「チームあかね」が記事にまとめております。

また、なが~~い記事ですが、だいたいのことは網羅的にまとまっています。アメリカの政党政治を理解するのに役立つと思いますので、是非、ご覧ください。

アメリカ2大政党(民主党・共和党)の歴史的変遷、政策比較、および支持層再編の動向(チームあかね編)
(チームあかね編)アメリカの民主党と共和党の歴史的変遷や政策の違い、および現代における支持層の変化を分析してみました。結党以来の両党のイデオロギーと支持基盤の逆転の歴史をたどりながら、現代における「大きな政府」を志向するリベラルな民主党と、...
アメリカ政治における左派・マルクス主義・民主社会主義運動の分析・二大政党制の隙間を抉る「赤い波」(チームあかね編)
アメリカ政治における左派・社会主義運動の歴史的変遷から現代の組織構造、そして直面する戦略的課題までを多角的に分析しました。労働運動の萌芽期や冷戦期の弾圧といった過去の軌跡を振り返った上で、現代における民主社会主義者(DSA)の急成長や各種左...

アメリカの政党の歴史と、左派が越えてきた高い壁

アメリカで社会主義や左派の運動が歩んできた道は、いつも分厚い壁との戦いでした。

いまの勢いを知るには、まずこの国の政党が背負ってきた歴史をひもとく必要がございます。

入れ替わった二つの政党

意外に思われるかもしれませんが、いまの二大政党は、生まれたころには今とまるで逆の顔をしておりました。

民主党が作られたのは1828年(文政11年)です。

江戸時代の終わり近く、日本ではまだお侍さんが刀を差して歩いていた時代でございます。

そのころの民主党は、州の力を強く守り、南部の奴隷制度を支える保守の勢力でした。

一方の共和党は、1854年(嘉永7年)の生まれです。

黒船が日本に来て、世の中が大きく揺れていたころですね。

こちらは奴隷制に反対して国をひとつにまとめようとする、進歩的で新しい勢力として誕生いたしました。

のちに南北戦争が起きたとき、奴隷解放を進めたのは共和党の側だったのです。

これが、まるでオセロの石をひっくり返すように入れ替わったのは、二つの大きな出来事がきっかけでした。

ひとつは、1930年代(昭和5年ごろからの十年間)の大恐慌のなかで、ルーズベルト大統領が進めた「ニューディール政策」です。

じつはワタクシが生まれたのも、この大恐慌のまっただ中の昭和6年でした。

街に失業した人があふれ、どの家も明日のごはんを心配していた時代の空気を、ワタクシは幼な心にうっすらと覚えております。

もうひとつは、1960年代(昭和35年ごろからの十年間)の公民権運動です。

民主党は労働組合や黒人の人たちを仲間に迎え、国が福祉を手厚くして、権利の格差を縮める方向へ舵を切りました。

すると共和党は、南部の保守的な白人の人たちを取り込む作戦に出ます。

こうして、二つの政党の中身はすっかり逆さまになってしまいました。

左派を寄せつけない、選挙の仕組み

さて、アメリカの選挙の仕組みには、二大政党以外の党が育たないように、いくつもの仕掛けが埋め込まれております。

まず、一つの選挙区から当選できるのは、いちばん票を集めた一人だけです。

すると、第三の政党に入れた票は「どうせ当たらない無駄な票」になってしまい、

結局いちばん嫌いな相手を助けてしまうのではないか、という不安が有権者の心に芽生えます。

票を割って、かえって相手を利してしまう。この恐れが、人々の足をすくませるのです。

次に、アメリカの選挙制度では、投票用紙に名前を載せてもらうための資格が、たいへん厳しいのです。

州ごとに膨大な署名を集め、お金と手間をかけなければなりません。

二大政党には楽な道でも、新しい党には、まるでいくつもの山を越えるような苦労でございます。

さらに、複数の政党が同じ候補者を一緒に推すことを、禁じている州が多くございます。

これを許せば、小さな左派の党が自分の組織を保ったまま、大きな流れを作ることもできたはずなのですが、その道もふさがれてきました。

「赤狩り」という名の弾圧

仕組みの壁だけではございません。権力による、容赦のない弾圧もありました。

20世紀の初め、ユージン・デブスという人が率いるアメリカ社会党は、10万人を超える党員をかかえ、

たくさんの市長や議員を送り出して、働く人々と深く結びついておりました。

しかし、第一次世界大戦のころの反逆罪の取り締まりや、戦後の冷戦のころに吹き荒れた「マッカーシズム」、

つまり二度目の赤狩りによって、左派の運動はばらばらに壊され、社会から孤立させられてしまったのです。

ワタクシは戦争の時代を生きた者ですから、「異なる考えの人を非国民と呼んで黙らせる」恐ろしさを、身にしみて知っております。

かつて日本でも、そうやって人の口を封じました。

支配する側は今でも、暮らしを守れ、病気になったら誰でも医者にかかれるようにしろという当たり前の声に、

「過激な社会主義だ」「共産主義の脅威だ」というレッテルを貼り、働く人たちを分断しようといたします。

手口は昔も今も、よく似ているものでございます。

中間選挙の情勢と、トランプ政権への怒り

けれども、2026年(令和8年)の秋のいま、その「赤いぞ、怖いぞ」という脅し文句は、だんだん効かなくなってきたようです。

資本主義の矛盾が、庶民の暮らしを直接なぐりつけているからでございます。

「王はいらない」の大きな声

トランプ政権が押し進めたイランへの軍事介入は、中東の緊張を通じて、ガソリンや軽油の値段を跳ね上げました。

そこへ高い関税による物価高が重なり、農家の人も働く人も、暮らしが崩れ落ちる寸前まで追い込まれております。

給油所の値札を見上げてため息をつく、そんな光景が目に浮かぶようです。

こうした強引な政治と暮らしの破壊に対して、全米3000カ所を超える場所で、「NO KINGS」、

つまり「王はいらない」と書いた旗を掲げる市民のデモが、爆発するように広がりました。

「この国の主人公は私たちだ」「戦争より暮らしにお金を使え」という声が、アメリカじゅうの道に響いております。

PRRIという非営利団体の最新の調査では、国民の48%、つまりおよそ二人に一人が、

トランプ氏の「MAGA運動」(メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン「アメリカを再び偉大に」)を「深刻な脅威」だと見ているそうです。

さらに18歳から29歳の若い世代では、これまた48%、半分近い人が「資本主義は庶民のために働いていない。

社会主義の要素を取り入れるべきだ」と答えたというのですから、驚きます。

DSAの奮闘と、現場の熱気

この大きな怒りの受け皿になっているのが、全米で最大級の民主社会主義の団体、DSAでございます。

会員は、2016年以前(サンダース陣営登場前)の約5000人から2026年には、10万人以上にまで急に増えました。

若い人たち、お年寄りや病人の世話をするケアの仕事の人たち、

家賃の値上がりに苦しむ借家の人たちと手を結び、二大政党のすきまに切り込む運動を広げております。

DSAのやり方は、少し変わっております。

「ダーティ・ブレイク」、日本語にすれば「泥をかぶった決別」とでも申しましょうか。

アメリカ2大政党の民主党の中に入り込み、

まず、民主党の予備選挙、つまり党の代表を決める内輪の選挙の仕組みをお借りして、自分たちの候補者を立てます。

次に、自分たちだけの大衆の組織と、草の根の運動を育てます。

そして最後には、既成の支配層の政治から離れて、自分たちの足で立つのです。

ひな鳥が親鳥の巣を借りて育ち、やがて自分の翼で飛び立つようなものでしょうか。

アメリカの選挙は少し複雑でわかりにくいですね。この辺の解説は「チームあかね」の記事で詳しく解説しております。

フロリダ州の上院選、アンジー・ニクソンさんの挑戦

共和党の牙城とされるフロリダ州の連邦上院補欠選挙では、アメリカ民主社会主義者(DSA)会員で

民主党公認のアンジー・ニクソン州下院議員が、共和党現職のムーディー氏を猛追しています。

ニクソン氏は予備選で16倍の資金差を覆して勝利し、「国民皆保険の実現」「富裕層課税」「対イラン戦争反対」など生活要求に根ざした政策を掲げています。

バンス副大統領からの「社会主義者」攻撃に対し、「医療や教育、安心できる住宅を求めることのどこが過激なのか」と反論。

元共和党支持者や無党派層、若者を巻き込み、世論調査で1.9ポイント差まで肉薄する大接戦を展開しています。

掲げたのは、国民みんなが入れる医療保険、豊かな人への大きな課税、そしてイランとの戦争に賛成しないこと。

まっすぐな言葉で訴えたのです。

「過激な社会主義者だ」と攻撃されても、ニクソンさんはこう言い返したそうです。

「子どもが病気のときに病院に行けること、家賃におびえずに暮らせること、戦争で若者の命を奪わせないこと。

これのどこが過激なのですか。過激なのは、市民を犠牲にして軍需産業と大企業を太らせる政治のほうです」

この言葉は、共和党を支持してきた働く人たちの胸にも深く届き、歴史に残るような大接戦になっております。

ワタクシ、思わず拍手をしてしまいました。

首都や地方にも広がる動き

首都のワシントンでは、DSAのジャニース・ルイス・ジョージさんという市議会議員さんたちが旋風を起こし、

ワシントン初のDSA市長が誕生するかもしれない、とまで言われております。

ミシガン州では、上院選の予備選挙でアブドゥル・エル=セイエドさんが勝ちました。

メーン州にはトロイ・ジャクソンさんがいらっしゃいます。

働く人の権利を広げようと訴える左派の候補者が、アメリカのあちこちで足場を固めているのです。

豊かな人への課税を求める声

カリフォルニア州など、いくつかの州では、とても豊かな人、

つまり億万長者に税金をかける仕組みを作るかどうかを、住民が投票で決めようとしております。

全米の調査でも、庶民のおよそ8割が「豊かな人への税を作るべきだ」と答えたそうです。

大企業から巨額のお金をもらっている政治家に任せるのではなく、

民衆が自分の手でお金の分け直しを勝ち取ろうとしている。これは大きな変化でございます。

世界に広がる、極右への「ノー」

草の根の民主主義の波は、アメリカだけのものではございません。

極右の人気取り政治や、軍事のおどしが世界をおおうなかで、民衆の反撃が、あちこちで実を結びつつあります。

ブラジル 親米の極右を破った民衆

ブラジルの大統領選挙では、ルラ大統領が、アメリカ寄りの極右、フラビオ・ボルソナロ氏らをしりぞけて勝利しました。

ルラさんは「ブラジルは誰の裏庭でもない」と、アメリカに従わず自分の足で立つ外交を守っております。

週に二日の休みを法律で決める、バスや電車を無料にする、といった政策も進めています。

若者や働く人たちが街に出て見せた大きな抗議の行動が、民主主義を守る力になりました。

イスラエル 軍事侵攻と差別へのノー

ガザへの軍事侵攻や、アラブ系の住民への差別を深めてきたネタニヤフ極右政権に対して、イスラエルの国内でも、歴史的な変化が起こりました。

イスラエル共産党を中心にした左翼の連合「ハダシュ」、アラブ系の「統一リスト」、

ユダヤ系の左派の「民主党」が手をつないで躍進し、極右の与党を過半数割れに追い込んだのです。

平和と、差別のない社会を求める国際連帯に、大きなくさびを打ち込んだと申せましょう。

セルビアなど 学生と市民が強権を倒す

東ヨーロッパのセルビアなどでも、開発の名を借りた権力の腐敗や強引な政治に対して、学生や働く人たちが立ち上がりました。

高い投票率と、毎日のように続いた街頭の行動が、一見かたく見えた権力を、崩れさせつつあります。

むすび 「資本主義の根本矛盾」を超えて

シカゴのケント大学のデビッド・トーマス元教授などが指摘しているように、

いま世界の若者や働く人たちが求めているのは、二大政党の「顔の付け替え」ではございません。

もうけを何よりも優先する仕組みが生む、格差、貧困、環境の破壊、そして戦争。

この「資本主義の根本の矛盾」を突き抜けていく、社会の探求なのだとワタクシは受け止めました。

支配する側や極右の巻き返し、理不尽な弾圧は、これからもっと激しくなるでしょう。

けれども、打たれれば打たれるほど、草の根の運動は鍛えられ、しなやかに、そして強く結びついていくものです。

ワタクシは、焼け野原から草が芽を出すのを、この目で見てまいりました。

踏まれた草は、また立ち上がります。

2026年11月3日のアメリカの中間選挙は、その通過点にすぎません。

二大政党という狭いおりを突き破り、働く人々、民衆みずからが主人公として社会を動かす、

本当の「草の根の民主主義」の時代が、いま確かに開かれようとしております。

最後の一句

踏まれても 草は芽を出す 日本でも

焼け跡の土の割れ目から、小さな緑がのぞいたあの朝を、ワタクシは今も忘れません。

踏まれた草は、また立ち上がります。

アメリカや世界中の草の根の風が、この日本の野原にも吹き渡る日を、ワタクシは楽しみにしております。

アマゾンプラスというAmazon電子書籍 kindleの月額980円のサービスを申し込むと『週刊文春』などの雑誌、たくさんの書籍が読み放題です。 他にも週刊新潮や東洋経済、エコノミスト、ニューズウィークなど読み放題です。書籍やファッション雑誌やお料理の雑誌などいっぱい980円で読めます。すごく経済的です。
Amazon Sign-In
あかね
この記事を書いた人
akane

90年の人生を振り返ってブログとYouTubeで独り言朗読音声を残しています。娘、息子や孫、ひ孫にパソコン、スマホを習って挑戦!「あかねの独り言制作実行委員会」なるものを結成してくれて90年の現代史を残すんだ!とワイワイ手伝ってくれています。長生きするのもワルクナイ!

akaneをフォローする
シェアする
akaneをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました