2026年6月8日(月)〜6月14日(日)の「しんぶん赤旗」から
みなさん、こんにちは。あかねでございます。
「しんぶん赤旗」を毎朝パソコンで紙面を開くたびに、何か大切なものが、音もなく削られていくような、そんな胸の痛みを感じるのです。
民主主義の根を細くしようとする動き――比例定数削減問題
まず最初に、選挙制度の話をしなければなりません。これはワタクシにとって、今週の記事の中でいちばん怖い話でした。
高市早苗首相と日本維新の会が、衆議院の比例定数をなんと45議席も自動的に削減するという法案を進めています。
6月10日から14日にかけて、自民党がこの方針を了承し、与党が連携して国会成立を狙っていることが報じられました。
比例代表というのはどういう制度か、少し考えてみてください。
小選挙区というのは、各地域でいちばん多く票を集めた人ひとりだけが当選する仕組みです。
今年二月の衆院選で、自民党は小選挙区で約37パーセントの票しかとっていないのに、議席は約68パーセントも獲得しました。
残りの票、2700万票以上が「死に票」として消えてしまったのです。
だから比例代表があって、得票数に応じて各党に議席を配分し、多様な民意を反映させる。
その比例の部分だけを大幅に削ろうというのです。
国会の選挙制度協議会に呼ばれた専門家や地方の首長さんたちは、口をそろえて反対意見を述べました。
「日本はすでに議員が少ない、これ以上減らせば国民が国政に意見を伝える経路が減ってしまう」と政治学者の先生方。
「定数削減は地方の切り捨てになる、あってはならない」と自治体の首長さん方。
そうした声を全部無視して、与野党の協議がまとまらなければ自動的に削減を発動するという「仕掛け」を法律に組み込もうとしているのです。
ワタクシが子供の頃、大人たちが「戦争は気がついたら始まっていた」とよく言っておりました。
独裁というのも、そういうものではないでしょうか。
大きな声でドンと宣言して始まるのではなく、一つひとつ小さな仕組みを積み重ねて、ある日気がついたら声が届かなくなっている。
その怖さを、ワタクシは今週の記事に感じました。
首相の疑惑と民主主義の土台・中傷動画問題
次は、高市首相の陣営が総裁選や衆院選で相手候補を誹謗中傷する動画をAIで大量に作成・拡散していたという疑惑です。
これも今週、大きく報道されました。
共同通信の報道によれば、首相の秘書から相談を受けたとするIT会社の代表が、
総裁選や衆議院選挙で相手陣営を誹謗中傷する動画をAIで作成・投稿したと証言しています。
週刊文春は、秘書と動画制作者が会話するオンライン会議の音声まで公開しました。
それでも高市首相は「面識がない」という言葉の意味を「実際に会って名刺交換したことがない」という意味にすり替えて、疑惑を否定し続けているのです。
田村智子委員長は6月11日の記者会見で、「単なるスキャンダルではない」とはっきり言いました。
ワタクシもそう思います。
自民党総裁選というのは、事実上、日本の首相を選ぶ選挙です。
衆議院選挙も国民の代表を選ぶ選挙です。
そこで相手候補を貶める動画を人工知能で量産して拡散していたとすれば、これは民主主義の根そのものを虫食いにする行為です。
まるで果物の外側はきれいに見えるのに、中に虫が入って芯まで腐らせているような話ではありませんか。
各新聞も社説で厳しく批判しています。
「秘書を国会に参考人招致すべきだ」「論点のすり替えや強弁が目立つ」と。
小池晃書記局長は、衆参両院の予算委員会で集中審議を行うよう求めました。
国会での徹底解明が必要です。
「外国代理人登録法」と治安立法の連鎖
2026年6月12日【1面と3面】の記事です。
6月12日には、「外国代理人登録法」の検討が進んでいるという記事が大きく取り上げられました。
これも、定数削減や中傷動画問題と地続きの話です。
外国の政府や団体と関わる活動をする人に、国への登録を義務付けるというものです。
聞こえはよいのですが、実際にはアメリカやロシアでこの法律がどう使われてきたかを見ると、背筋が寒くなります。
アメリカでは、朝鮮半島問題の専門家として活動していた元CIA分析官が「登録義務の不履行」で逮捕・起訴されました。
ジャーナリストの日常的な情報収集活動と区別がつかないと、記者保護団体が批判しています。
ロシアでは、戦争の犠牲者を記録する人権団体「メモリアル」がこの法律で解散させられました。
ヨーロッパの人権裁判所は「全体主義の特徴を帯びている」と断罪したほどです。
それを日本でも作ろうというのです。
しかも国家情報局設置法という「第一弾」に続く「第二弾」として。
記事のなかで、海渡雄一弁護士は、「こんな首相に情報集約や国民監視の強大な権限を与えるわけにはいかない」と警告しています。
ワタクシが女学校に通っていた頃、「不審な者を見たら届け出るように」と教えられました。
あの空気が、少しずつ戻ってくるような気がしてなりません。
武器輸出と戦争国家への道・歴史の教訓
2026年6月13日1面・3面の記事です。
政府・与党は今、武器の輸出を「外交ツール」として本格的に活用する方針を進めています。
オーストラリアやフィリピンへの武器売り込みが強化され、殺傷兵器を含む輸出の全面解禁が4月に行われました。
これについて、明治大学国際武器移転史研究所の纐纈厚客員研究員が6月13日の赤旗で、歴史的な証言をしています。
戦前の日本陸軍がやっていたことと、今の高市政権の武器輸出政策は、まるで同じ型紙から切り出したような話だというのです。
かつて日本はタイに軍用機や戦車を売りつけ、その後、タイの領土を通って英領マレー半島に軍隊を進めました。
中国の地方軍閥に武器を売り込み、内戦を激化させました。
ロシア革命後の内戦では反革命勢力に大量の武器を提供し、ロシア人同士の殺し合いに日本の武器が使われました。
纐纈先生は、「鎮火しそうな時に油をまくような武器輸出だった」と表現しています。
まさに火に油、これ以上にぴったりな言葉はありません。
平和憲法を持つ日本は、武器を輸出しないという立場を守ることこそが、世界から信頼される最大の安全保障だったはずです。
その国是が、今、音もなく書き換えられようとしています。
国旗損壊罪と「国家主義の影」
もう一つ、見過ごせない動きがあります。
2026年6月10日2面の記事です。「国旗損壊罪」の創設です。
6月10日、自民党がこの法案を了承しました。
国旗を傷つける行為に、最大2年以下の拘禁刑を科すというものです。
処罰の対象になるかどうかは「一般通常人を基準として裁判所が判断する」というきわめてあいまいな基準です。
意図や目的は問わない、外見だけで判断するとしています。
しかし、国旗に対する行為は、その人の内心の表れです。
行為を罰することは内心を罰することにほかならない、と赤旗は指摘しています。
「朝日新聞」の社説も「政治的表現の最たるものを抑圧する」と批判しました。
ワタクシが生きてきた時代に、国民の内心に踏み込んだ法律がどれほど人を傷つけたか、それを骨身で知っています。
治安維持法がそうでした。
小樽では7月7日、戦前その法律の下で特別高等警察に虐殺された作家・小林多喜二の没後93年の祭りが開かれ、
「スパイ防止法の再来を許さない」と50人が集いました。
歴史は繰り返しを恐れる人々によって、かろうじて食い止められているのだとワタクシは思います。
再審法改正と袴田ひで子さんの訴え
暗い話が続きましたが、6月10日の3面には、ワタクシの胸を打つ記事がありました。
袴田ひで子さん、93歳のお話です。
弟の巌さんが1966年に起きた事件で死刑判決を受け、再審無罪が確定するまで58年かかりました。
ひで子さんが「事件は33歳の時、再審無罪の確定は91歳の時だった」とおっしゃっています。
58年という歳月、どれほどの重さか。ワタクシも94年生きてきたので、その長さが身に染みてわかります。
衆院法務委員会の参考人質疑で、ひで子さんはおっしゃいました。
「悪い証拠もいい証拠も全部出して裁判をやってほしい」「神様が作った法律ではない。人間が作った法律だから、改正できないことはない」と。
93歳の方が、これだけ明晰に、これだけ力強く訴えている姿に、ワタクシは深く胸を揺さぶられました。
政府案には「証拠の目的外使用禁止」という規定があり、ひで子さんはこれに強く反対しています。
巌さんの無罪を決定づけた「みそ漬け実験」は、弁護団が支援者に証拠を公開して協力を求めたからこそできたものだからです。
抜け道のない再審法改正を、ワタクシも心から望みます。
草の根の平和運動――「9の日行動」と「9条田んぼ」
そして、今週の記事の中で、ワタクシがいちばん温かい気持ちになったのが、各地の草の根の平和運動の報告でした。
2026年6月10日〜12日【地方総合・国民運動】面の記事です。
6月9日、北海道の札幌、新潟、東京の新宿など全国各地で「9の日行動」が行われました。
9条を守れという署名を呼びかけるこの活動、毎月9日に続けられているのだそうです。
30代のかたが「戦争で趣味や日常の楽しみがなくなるのが怖い」とおっしゃって署名している姿が紹介されていました。
若いかたがこんなふうに声を上げてくださっていることを、ワタクシは本当にうれしく思います。
福島県桑折町では、田んぼに苗を植えて「9条と米は日本の宝」という文字を描く「9条田んぼ」が今年で21年目を迎えました。
農家の服部崇事務局長がおっしゃった言葉が印象的でした。
「食と憲法9条はつながっている。平和でこそ農業ができる」。
今年はイラン情勢の影響で肥料や資材が二倍に値上がりし、農家の暮らしに直接影響が出ているそうです。
戦争というものは遠い話ではなく、食卓の上にまで影を落としてくる、そのことをこの記事は静かに伝えていました。
核兵器廃絶を求める「6・9行動」では、広島で原爆投下後に市内に入った83歳の男性が、
「幼くても当時のひもじさや傷ついた人たちを覚えている」と妻と娘さんと三人で署名されました。
ワタクシも戦争を知る一人として、こういう方々とともに声を上げ続けたいと思っております。
ジェンダーと労働・田村委員長の「資本論入門」
2026年6月14日本日、1面・3面記事です。
6月13日、全国女性日本共産党後援会が「ジェンダーと『資本論』入門」という催しを開き、田村智子委員長が講師を務めました。
ワタクシには、一つ、すとんと胸に落ちた言葉がありました。
賃上げを求めることと、手取りを増やしてほしいという声の違いについてです。
搾取と闘うかどうか、そこに違いがあるというのです。
また、ケア労働が低賃金なのは、専門性が正当に評価されず、社会保障予算が抑え込まれているからだという指摘。
大企業が史上最高の利益を上げながら社会への再分配を拒否している、
というこの構造は、難しい言葉を使わなくてもワタクシには実感としてわかります。
ワタクシが若い頃、働き続けた時代も、女性の賃金はいつも男性の半分以下でした。
70年経っても、その構造がまだ続いているのです。
「労働時間を短くできる社会こそ必要だ」という田村委員長の言葉、ワタクシは大切にしたいと思います。
世界の動き・イランと核兵器と欧州の変化
国際面からもいくつかお伝えします。
米国とイランの戦闘終結に向けた交渉が、今週大きく動きました。
パキスタンとカタールの仲介で合意が近づき、6月13日にはトランプ大統領が爆撃中止を発表しました。
ロイター通信の報道によれば、合意内容はイランに有利で、トランプ氏はホルムズ海峡の再開以上のものはほとんど獲得できていないとされています。
核計画の中止については60日間の交渉に委ねられるといいます。
戦争は終わりかけているように見えながら、まだ霧の中です。
核兵器については、ICANという国際団体が6月8日に発表した報告書が衝撃的でした。
核保有9カ国が2025年に核兵器に費やした総額が、前年比19パーセント増の約十九兆千億円。
一秒あたりに換算すると60万円増え続けている。
この1秒分のお金があれば、どれほどの命が救えるか。ワタクシには計算もできません。
ヨーロッパでは、米国への信頼が過去最低水準まで落ちています。
欧州15カ国の調査で、米国を「同盟国」と答えた人が11パーセントしかいなかったといいます。
世界の形が、静かに、しかし確実に変わりつつあります。
パレスチナでは、ヨルダン川西岸地区で生後7カ月の赤ちゃんがイスラエル兵に射殺されたという報告が、イスラエルの人権団体から6月9日に公開されました。
過去2年半でガザと西岸地区合わせて2万人以上の子どもが殺されているという数字を、ワタクシは黙って受け止めるしかありません。
どうか一日も早く、すべての地で戦争が終わりますように。
赤旗電子版のこと、少しだけ
ワタクシは毎朝、パソコンで「しんぶん赤旗」の電子版を読んでおります。
文字を大きくして読めますし、過去三カ月分がいつでも読めて、一年分まで検索できます。
昔は新聞の切り抜きをスクラップブックに貼っていましたが、今は検索一つで調べものができます。
便利な時代になったと思いつつ、こうして便利に読める時代があること自体、平和のおかげだとワタクシは思っています。
赤旗は今、経営危機に瀕しています。
芸能やスポーツの記事でも、スキャンダルをセンセーショナルに取り上げるのではなく、その人の生き方や思いを真摯に見つめる書き方が一貫しています。
そういう新聞を、どうか応援していただけますと幸いです。
最後の一句
焼かれても 生きた旗あり 我も撒く
焼かれても生き延びた旗があった。幾度の弾圧も消せなかった旗の火を、戦前を知る最後の世代として、あの時に似てきた今だからこそ、次の手へ渡したい。そんな老婆の決意の一句です。

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