6月7日、共同通信が、高市陣営のネガキャン騒動の渦中の人物、松井健氏への取材を報じました。
詳しい内容は、「チームあかね」がまたなが~~い記事で解説しております。
今回の高市陣営のネガキャンの一連の動きをまとめてくれました。
そこから導き出される法律的な責任にまで検証しております。是非ご覧ください。

はじめに——94年生きてきて、こんな選挙は初めてです
女性も選挙で投票に行けるようになったのは、戦後のことです。
選挙というものが、命がけで勝ち取った民主主義の証だということを、骨の髄まで知っております。
だからこそ、今回の話は、胸が痛い。
共同通信の松井健氏への取材で明らかになったことです。
コンピューターが自動で作り出した「偽の批判動画」が1,000本から1,500本。
それを300もの架空のアカウントがいっせいに拡散する。
まるで見えない手が、世論という大きな川の流れを、人工的に変えようとするような話です。
6月7日、共同通信がIT企業の代表・松井健氏への単独取材を報じ、この疑惑がいよいよ動き出しました。
事の発端——「仲間割れ」から始まった告発
まず、この疑惑がなぜ表に出てきたか、そこから整理しましょう。
現職の総理大臣・高市早苗氏の「側近中の側近」とされる公設第一秘書の木下剛志氏と、
AIスタートアップ企業を率いる松井健氏は、長きにわたってSNSを使った政治的な情報発信で手を組んでいたとされています。
ところが、この二人の間にひとつの「事件」が起きました。
高市首相の名前とイラストを無断で使った暗号資産「サナエトークン」と呼ばれるものです。
インターネット上の仮想通貨取引所に上場するや、最初の値段の約30倍、日本円にして約25億円規模にまで膨れあがりました。
まるで砂上の楼閣のような話ですが、これが崩れるのは早かった。
2026年3月2日、高市首相が「そんなものは全く存じ上げない」と公式に否定した途端、トークンの価値は75パーセント以上も暴落しました。
多くの人が大きな損失を被り、松井氏と木下秘書の間で責任の押しつけ合いが始まります。
この「仲間割れ」こそが、松井氏が週刊文春や共同通信に実名で告発するきっかけとなったのです。
松井氏の証言・AIが量産した「批判動画」の実態
では、松井氏は具体的に何を語ったのでしょうか。もう、みなさん飽きるほど聞いていることでしょう。
でも、週刊文春と共同通信の報道では少し数字の部分が違い、新しい情報もあります。
共同通信の報道によれば、2025年9月——自民党総裁選の最中——木下秘書から「先行している小泉進次郎氏を逆転するにはどうすればいいか」と相談を受けたといいます。
そこで松井氏自身が「ネガティブな発信をしましょう」と提案し、自ら開発した生成AIのソフトウェアを使って、
小泉氏を「世襲の操り人形」などと描写する動画や、林芳正氏を批判する動画を、1,000本から1,500本という規模で量産したというのです。
テレビドラマで例えるならば、こういう場面を想像してください。
真夜中の会議室で、コンピューターが延々と「偽の声」「偽の映像」を吐き出し続ける。
それを300もの「幽霊アカウント」が受け取って、いっせいにSNSに流す。
総裁選が終わると、証拠を消すようにアカウントをすべて削除する——。
これが事実であれば、もはや「選挙運動」ではなく「情報の偽装工作」です。
さらに松井氏は、2026年の衆院選前にも、高市氏を含む与野党約50陣営から動画制作の依頼を受け、そのうち約20陣営に協力したと証言している。
ワタクシの若い頃、戦時中に「大本営発表」という言葉がありました。
国民に嘘の情報を流し、真実を隠す。あの記憶と、どこか重なってしまうのです。
次々と出てくる「動かぬ証拠」
高市首相は国会で「秘書は一切関与していない。私は秘書を信じる」と繰り返しました。
ところが、その言葉を揺るがす証拠が次々と出てきます。
週刊文春が公開した、木下秘書から松井氏へ送られた「67通のメッセージ」。
動画制作の依頼と進捗確認が記されていたとされ、
しかも、共同通信の報道では、その携帯番号が木下秘書本人のものだと確認しています。
さらに、2026年6月3日には、両者が動画作成の状況を話し合っていたというZoom会議の音声録音まで公開されました。
また、このネガキャン動画の方針を決めたとされる2025年9月25日のオンライン会議には、現職の大臣補佐官・西田譲氏も出席していたと報じられています。
政府の要職にある人物が、対立候補を貶める工作の意思決定に加わっていたとすれば、これはもはや個人の問題ではありません。
「サナエトークン」が照らし出す法律の問題
次に、暗号資産「サナエトークン」の問題を見ていきましょう。
インターネット上で取引される仮想通貨を業として売買・交換するには、国の許可——正式には「暗号資産交換業の登録」が必要です。
もし松井氏の会社やサナエトークンを推進した団体が、この登録なしに実質的な販売活動を行っていたとすれば、
法律上、5年以下の懲役や500万円以下の罰金の対象になり得ます。
金融庁もすでに関連する調査を検討し始めたと報じられています。
さらに深刻なのは、高市首相の顔と名前を無断で使い、まるで「首相公認のプロジェクト」であるかのように見せかけて投資家のお金を集めたという点です。
首相が否定声明を出した途端に価値が75パーセント以上も崩れ、多くの人が損をした。
これは著名人の名前を商業的に無断利用する「パブリシティ権の侵害」にとどまらず、
投資家を欺いたとして詐欺罪や金融商品取引法違反に問われる可能性さえ指摘されています。
また、一連の高市陣営のネガキャン工作資金が、収支報告書に記載されていない不透明な企業献金や、
サナエトークンの販売益といった「闇資金」から補填されていた場合、
政治資金規正法違反(不記載・虚偽記載、および違法寄付の受領)に直結することになります。
また、松井氏が、一連のネガティブキャンペーンを無償で行っていたにしても、
サナエトークンの販売益を想定したものであった場合、同様な疑いがもたれます。
この政治資金の不透明な還流構造が解明されれば、高市首相本人が直接的な刑事責任を問われる重大なトリガーとなり得ます。
選挙の公正とは何か——94歳が問いかけること
ワタクシが生きてきた時代、選挙権というものは命がけで守られてきたものです。
戦後、女性が初めて投票箱に向かったときの緊張と誇りを、ワタクシは忘れることができません。
その選挙が、目に見えないAIの力で、気づかぬうちに歪められていたとしたら——。
公職選挙法は、相手候補についての虚偽の事実を流して当選を妨げることを禁じています。
また刑法も、人の名誉を傷つける行為を罰します。
侮辱罪は近年厳しくなり、組織的に大量の「中傷」を流すような行為は、刑事事件として捜査の対象になり得ます。
ただし、法律の壁は高い。「この動画は事実の歪曲だ」「この行為には対価が伴っていた」と立証するハードルは決して低くない。
それでも、捜査機関や金融庁が動き始めている事実は、軽く見てはなりません。
6月9日の「しんぶん赤旗」では、『中傷動画、集中審議を、小池氏「首相に説明責任」』とあり、日本共産党の小池晃書記局長は8日、
国会内で記者会見し、「首相の説明責任が問われている」「衆参両院の予算委員会で、この問題の集中審議を行うことを求める」と述べました。
首相の陣営が、他候補を中傷する動画をAIで作成して大量に投稿し、選挙結果などに影響を与えていたとすれば「非常に重大な問題だ」と述べ、
「国会の場できちんと疑問に答えることが必要だ」と強調しました。
まとめ——「知らない」では済まない時代へ
高市首相は「秘書を信じる」と言い続けています。
しかし67通のメッセージ、Zoom音声、松井氏の実名証言、大臣補佐官の関与、
これだけの証拠が積み上がってきたとき、「知らなかった」という言葉は、もはや言い訳にも聞こえません。
これは、単なる政治スキャンダルにとどまりません。
生成AIが大量の偽動画を作り、仮想通貨が政治資金の抜け道になる、
これは世界でも類を見ない、まったく新しい形の選挙工作です。
高市氏が、声高に「内閣情報調査室」「国家情報会議」などと物騒なものをつくろうとしていることが笑えてきます。
ワタクシは94年間、この国の歴史とともに生きてきました。
戦争で真実が隠され、国民が騙されてきた時代を知っています。
80年前「お国のため」となんでも我慢して暮らしたあの時、治安維持法で世の中がもの言えぬ社会になった。
そうして、戦争に突入していった。
だから言いたい。民主主義の根っこは、「正確な情報で、自分の意志で選ぶ」ことにある。
正々堂々と政策論争をすることが、本当の政治家のやることです。
あの嘘が、どこまでも通用するわけが御座いません。
最後の一句
「あの夏も 信じよと言われ 騙されし」
80年前も、「お上を信じよ」という言葉の陰で、真実は隠されていた。歴史は繰り返すのか、94年生きた者が知る、静かな怒りを込めた一句です。






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