2026年5月26日 あかね94才の独り言 (2026年5月20日〜26日号より)
毎朝、パソコンの画面に「赤旗」の電子版を開くのが、ワタクシの一日の始まりです。
先週の紙面は、まるで嵐の前夜のような緊張感と、それでも土の下から芽吹こうとする野草のような市民の力とが、ひと束になって届いてきました。
大きく四つのお話にまとめて、皆さんと共に読んでいきたいと思います。
その一 3兆円の補正予算——国民の台所は満たされるのか
5月26日付の1面に大きく取り上げられていたのが、高市首相が3兆円規模の補正予算案を正式に表明したというニュースです。
「物価高騰・原油高・ナフサ不足…首相、補正予算を表明」という見出しでした。
3兆円と聞いてもピンとこない方もいらっしゃるでしょう。
これは、日本全国の家庭が一軒あたりおよそ5万円ずつ受け取れる計算になる金額です——いわば「一世帯に薄く広げた大きな風呂敷」のようなもの。
中東情勢の悪化によるナフサ、石油化学製品の原料の不足と物価上昇への対応が名目だとのことです。
ところが首相は、ナフサ不足の原因を「目詰まり」「供給見通しの共有不足」と繰り返すばかりで、「不足している」とはおっしゃらない。
これは、雨が降っているのに「少し湿っているだけ」と言い張っているようなものではないでしょうか。
物価高に見合った年金や生活保護の引き上げ、中小企業への固定費補助や資金繰り支援についても、言及がありませんでした。
同じ1面では、日本共産党の小池書記局長の会見の様子も「補正予算案 小池書記局長が会見」として伝えています。
「危機への対策として極めて不十分」という言葉が、ワタクシには静かに、しかし確かに的を射た言葉として届きました。
電気・ガス代の補助は必要としても、年金や生活保護の引き上げ、中小企業への実質的な支援なしでは、生活の底を支えることはできません。
2面の「高市内閣支持率 下落傾向」という記事も気になりました。
毎日新聞の調査では内閣支持率が50%まで低下し、発足以来の最低を2カ月連続で更新しているといいます。
読売新聞の調査では、政府のナフサ説明に「納得できない」と答えた方が64%、つまり国民の3人に2人は首をかしげているという計算になります。
数字というのは、時に言葉より雄弁に、民心の色を映し出してくれるものだと思います。
その二 「戦争する国づくり」への静かな足音——三つの法案が同時に動いている
今週の紙面でワタクシが最も心を重くしたのは、この話題です。
「国家情報会議設置法案」「国旗損壊罪」「緊急事態条項」——三つの法案が、まるで川の中の石を同時にひっくり返すように、一気に動こうとしていました。
5月26日付の1面には「国家情報会議設置法案 与党きょうにも採決狙う」という見出しが立っていました。
この法案は、内閣情報調査室を「国家情報局」に格上げして、各省庁が集めた個人情報を、あなた自身の許可なしに一か所に集約できる仕組みを作るものです。
現行の個人情報保護法が「目的外使用は原則禁止」としているルールを、この法律でひっくり返してしまう。
しかも、国会や第三者機関によるチェック機能がセットになっていません。
過去には自衛隊が市民を監視していた事件、警察が市民活動を見張っていた事件——そういう歴史の反省の上に、今の法律は成り立っています。
その土台を崩すことへの危惧は、ワタクシには当然のことに思えてなりません。
5月25日付の1面には「思想・表現の自由侵害 萎縮誘発 自民PT『国旗損壊罪骨子』危険な中身」という記事が載りました。
自民党の骨子を読むと、選挙演説でバツ印をつけた日の丸を掲げた行為まで、事例として挙げられているというのです。
自分で持っている旗を使った政治的な表現に、2年以下の拘禁刑が科される可能性がある。
「社会通念上、著しく不快」という基準があいまいすぎて、表現次第で犯罪になるかもしれないという萎縮の空気が社会に広がっていく。
見えない檻が少しずつ狭まっていくような、ぞっとする感覚がしました。
5月22日付の2面では「緊急事態条項は『憲法停止』 衆院憲法審査会 畑野氏厳しく批判」という記事が伝えています。
内閣が「緊急事態だ」と言えば、国会の議決なしに政令が作れる——これはまさしく「憲法停止」です。
明治憲法の緊急勅令が戦争遂行と弾圧のために使われた歴史を、ワタクシは子どもの頃に体で知っています。
94年生きてきた者として、この足音には覚えがあります。
これらの法案が同時に進んでいることの意味を、ワタクシたちは深刻に受け止める必要があると思います。
その三 核廃絶の本流——世界は確かに動いている
5月24日付の1面に、NPT再検討会議についての志位議長の談話が掲載されていました。
見出しは「締約国の大多数がNPT第6条履行を求めたことは大きな希望 志位議長が談話」です。
会議は成果文書のコンセンサスが得られずに終わったといいます。
しかし談話が指摘するように、締約国の7割以上が核保有国に対して「核軍縮の義務を果たせ」と求めたこと——これは、数字の話ではなく、世界の良心の形です。
合意は取れなかったけれど、本流はここにある、という言葉に、ワタクシは少し胸が軽くなりました。
中満国連事務次長の「核保有国が軍縮コミットメントを怠ったまま、核不拡散の義務だけが順守されると考えるのは明白な誤り」という言葉は重く響きます。
自分は運動せずに他人に節食を求めるようなもの、とでも言いましょうか。核を持つ国の責任が、真剣に問われているのです。
5月22日付には、志位議長の北米訪問報告会への感想と反響が掲載されていました。
アメリカの民主的社会主義者、DSAとの交流が、参加した方々に大きな希望を与えたことが伝わってきます。
「草の根」「個人献金」「戸別訪問」というDSAの活動スタイルが日本共産党と重なるという萩原教授の指摘は、面白いと思いました。
国内から政治を見ていると暗くなりがちですが、世界的な視野で見ると、平和を求める運動は確実に広がっている。
そのことを確認できる内容で、ワタクシには静かな励ましとして届きました。
その四 「推し」を守るために——若い声が街に溢れ出した
今週、ワタクシが一番胸を熱くしたのはこの話題です。
「熱くなる」という感情の色を、あえて別の言葉で申し上げるとすれば——それは、冬の終わりに土の下から初めて芽吹きを見つけた時の、あの驚きと安堵が混ざり合った感覚、とでも言いましょうか。
5月20日付の1面には「『憲法守れ』色鮮やかに 国会前『19日』行動1万人」という見出しが輝いていました。
ペンライトを手に「憲法守れ」とコールする約1万人の姿——あのペンライトの光は、コンサート会場で推しの名前を呼ぶ時と同じ色をしているのだとワタクシは思いました。
愛するものを守りたいという気持ちは、どこへ向けられても、同じ温かい色をしているものです。
5月24日付の1面「推しのいる世界戦場にするな 国会前 第2弾オタクデモ」という記事も印象的でした。
漫画・アニメ・ゲームのファンたちが自作のプラカードを掲げてデモに参加したというのです。
「給料が入らないと趣味にお金をかけられない」「ものづくりの現場が人を殺す道具作りになるのは絶対イヤ」——この言葉の中に、生活と政治が地続きであることへの気づきが、静かに滲んでいます。
難しい理論より先に、自分の大切なものを守りたいという気持ちが人を政治へと引き寄せる。それは昔も今も変わらない、人間の自然な姿だとワタクシは思います。
5月20日付の社会面には「#小さなお店デモ」という記事が載っていました。
東京・渋谷の「喫茶 壁と卵」が改憲反対のポスターを店先に貼る取り組みを始め、それが全国のカフェ・パン屋・本屋などに広がっているといいます。
「お客さんが減るかも」と夫婦で何度も話し合って決意したというエピソードに、ワタクシは静かな勇気を感じました。
世論を変えるのは、演説台の上の声だけではない。
コーヒーを一杯飲みながらポスターを見上げるお客さんの心にも、何かがそっと灯ることがある。
「対面での対話で負けたくない」という言葉も、力強い。
5月25日付の1面では、共産党・田村委員長が東京・新橋で街頭演説をされた様子が「『戦争ダメ』応える政治を 東京・新橋 田村委員長が訴え」として伝えられていました。
「高市政権は決して盤石ではない」「一人ひとりの行動で政治は変えられる」という訴えが、こうした草の根の動きと確かに響き合っています。
一週間の紙面を読み終えて
先週の紙面全体を通じて感じるのは、危険と希望が、まるで経糸と緯糸のように交差している、ということです。
国家情報会議法案、国旗損壊罪、緊急事態条項、補正予算——矢継ぎ早に進む「戦争する国づくり」の動きは深刻です。
しかし同時に、それに気づいた市民が「オタク」として、「小さな店の主人」として、「初めてデモに来た会社員」として声をあげ始めている。
紙面の論壇時評で引用されていた小説家・中島京子さんの言葉が忘れられません。
「パワフルな力が憲法にはあるし、そんな大事な武器を日本が自ら投げ捨ててしまうならば、本当に愚かしい」——94年生きてきたワタクシには、この言葉の重さが骨に染みるように伝わります。
この感覚が、今まさに多くの人に共有されつつあるのかもしれない。
そう思うと、これからの「しんぶん赤旗」紙面を開くのが、少し楽しみになってきます。
引き続き、補正予算の審議と国家情報会議法案の動向を、ワタクシなりに見守っていきたいと思います。
最後の一句
ペンライト 憲法照らす 五月の夜
推しを応援するペンライトが、国会前で「憲法守れ」の声とともに揺れる2026年の情景。
愛するものを守りたい心と、平和を守りたい心は、同じ色の光をしている情景です。
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実際の紙面をそのまま画面で見られるのですが、文字を大きくして読めるのが何より助かっています。
その画面をPDF、データとしてダウンロードして保存もできますし、印刷もできます。
文字だけのテキストデータでも読めます。スマホで読む方には、こちらの方が読みやすいかもしれません。
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それに、過去3か月分がいつでも読めます。検索もできて、検索の場合は過去1年分まで遡れます。
昔は新聞の切り抜きをしてスクラップブックに貼り付けて保存したものですが、今は検索一つでなんでも調べられる。
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