秋の陽だまりで、一週間を手繰り寄せて
秋の柔らかな黄金色の光が、窓辺の小さな机に注ぐ季節となりました。
ワタクシあかねは、毎朝パソコンの前で眼鏡を掛け直し、温かいお茶をひと口すするのが日課でございます。
昭和、平成、令和と、一人の市民として歩んできたワタクシにとって、毎朝の新聞は過ぎ去った出来事の記録ではございません。
少女のころの学徒動員や空襲の恐怖、ひもじさに耐えながら見上げた夜空の記憶と、
いま生きる人々の切実な叫びとが、ひとすじの太い糸で結ばれて見えてくるのです。
一週間をまとめて振り返るのは、過去の痛みの教訓を、いま街角で上がっている市民の声に結びつけ、
二度と惨禍を繰り返さないために次の世代へ手渡したいからでございます。
今週の「しんぶん赤旗」には、大きな二つの流れがありました。
ひとつは、ガザの凄惨な集団殺害に抗い、人間の尊厳と「法の支配」を取り戻そうとする世界の流れ。
もうひとつは、足元の日本で、暮らしと民意を切り捨てて突き進む高市政権に、市民が灯火を掲げて立ち向かう流れでございます。
指先に紙の手触りを思い浮かべながら、まずは世界の波から、静かに読み解いてまいりましょう。
第1の波 ― ガザに抗う世界と「法の支配」を求める人々
10月7日付1面は、ガザ侵攻から3年の現実を伝えておりました。
ガザ保健局の発表では、亡くなった方は累計で7万4200人を超え、けが人は17万5000人以上。
満員の大きな競技場を、何杯も埋めてしまう数でございます。
しかも昨年(令和7年)10月に停戦が発効したあとも攻撃は止まらず、9月だけで100人以上が命を奪われたといいます。
ワタクシは背筋が冷たくなりました。
10日付の国際面には国際法学者が、国際法の履行と責任追及を訴える談話を寄せ、
9日付にはオーストラリアやドイツ、米国など各地の抗議行動が報じられておりました。
これはもはや地域の争いではなく、国際法の秩序そのものを揺るがす民族浄化だと、紙面は告げております。
同じ日のコラム「きょうの潮流」には、ガザの学校の子どもたちが描いた絵が紹介されていました。
色とりどりの花にとまるチョウチョ、太陽の下で遊ぶ少女、家族が身を寄せ合う立派な家。
それは、子どもたちが生きたいと願うささやかな未来そのものです。
星でいっぱいの空を見たいという願いを、爆音で打ち消してよいはずがございません。
ワタクシも10代のころ、茜色の夕焼けのあとの暗闇で震え、「明日も生きていられるだろうか」と祈りました。
あの身体の感覚が、80年の時を超えて鮮やかに蘇ってまいります。
けれども、暴力が暗雲のように覆っても、市民の力は屈しません。11日付1面では、
国際刑事裁判所の赤根智子所長らに「制裁」を課し、裁判所の解体まで叫ぶ米トランプ政権に、
国連と各国が「法の支配を脅かす暴挙だ」と厳しい批判を突きつけたと報じられました。
10日付には、元国際刑事裁判所判事のピレイ氏へのノーベル平和賞の知らせもありました。
戦争犯罪の訴追に尽くしてこられた国際人権弁護士への賛辞で、暗闇に灯る青いともしびのように、世界中の心に希望をともしたことでしょう。
民衆の連帯が暴力を食い止めるという歴史の教えも、紙面にありました。
6日付には、1936年(昭和11年)にファシストの行進を阻んだ「ケーブル街の闘い」から90年を記念し、
ロンドンで人種差別に反対する大集会が開かれたとございます。
5日付には、住宅不足と家賃高騰に怒ったマドリードの50万人のデモ。
弱みにつけ込んで利益を吸い上げる投機資金への怒りが、街にあふれたそうでございます。
若い人たちの声も世界を動かしています。
フランスでは全国1200校以上の高校生が、教員不足や教室の過密に抗議して立ち上がりました。
米国のコーネル大学では集団性暴力の被害と大学側の隠蔽に対し、学生も学長も州知事も、
法改正や第三者による検証へと動き出したと報じられております。
イスラエルでは、左派やアラブ系の候補者の資格を奪った決定を最高裁が取り消しました。
米国の中間選挙を前に、トランプ氏から距離を置く共和党候補が出始めたという記事もあり、
力で押し切る政治から人心が離れ始めているのだと感じます。
これらの闘いは、猛吹雪に耐える大樹のように、地球にしっかり根を張っております。
人の尊厳を買い叩くあらゆる圧力に立ち向かう市民の意思こそが、戦争の愚かさを打ち破る唯一の希望である。
ワタクシの胸には、そんな静かな熱が満ちてまいります。
さて、目を足元の日本に転じますと、そこにはまた別の暗雲が垂れ込めておりました。
第2の波 ― 暮らしと民意を削る政治への怒り
6日、高市首相の所信表明演説について、紙面は「巨額ばらまき」宣言と報じました。
演説の3分の2近くが経済政策に割かれながら、17の戦略分野に370兆円を超える官民投資を行うという、大企業への大盤振る舞いだというのです。
そこには、軍事にも民生にも使える技術や兵器の製造まで含まれ、
「防衛と経済の好循環」の名のもとに、軍事を中心にした経済へ傾く危うさが指摘されておりました。
物価高に苦しむ国民への直接の支援は語られず、食料品の消費税を2年間だけ1%下げるという案でお茶を濁し、
その先にはさらなる大増税が待ち構えていると、田村智子委員長は「暮らしはどこへ行ってしまったのか」と批判しておられました。
巨大な数字の裏の事実も見ておかねばなりません。
10日付1面は、大企業が自分の会社の株を買い戻す「自社株買い」に、
9月までで過去最多の18.7兆円を投じ、上位10社で4割を超えると報じました。
ところが働く人の実質賃金は下がり、庶民の小さなお財布からは、汗の一滴のように税金と保険料が吸い上げられていきます。
首相官邸の内閣広報室の予算も、今年度の約7億円から、来年度の概算要求では72億3000万円へ、10倍以上に膨らみました。
国民の血税で政権の自己宣伝の動画を作るなど、渇いた人々の水を取り上げ、
自分の姿を映す鏡を買うようなものではございませんか。
金権政治の無反省も、目をおおうばかりでございます。
栃木県では、1746万円の裏金をつくった簗和生農水相が、
総選挙で自分を支援しなかった自治体の道路予算を「前年度の64%減にした」「当たり前だ」と語ったといいます。
有権者への脅しにほかなりません。
批判を浴びて発言を撤回しても、大臣の椅子にはしがみついたままです。
9日付では、使用が禁じられている議員会館で、裏金議員の関文科相が、会場費ゼロで利益の高いパーティーを開いた疑いも報じられました。
上脇氏の談話どおり、無反省としか言いようがございません。
そして、いちばん恐ろしいのは、国民の声を国政に届ける仕組みそのものを壊しかねない、比例代表の定数削減でございます。
7日と8日の紙面では、廃案を求める院内集会や緊急行動が報じられ、弁護士の太田啓子さんや山下泰子さんも、
女性や少数の人々の声を締め出し、女性の権利の国際基準に逆行すると訴えておられました。
これは、有権者の多彩な願いという絵の具を、民意のキャンバスから力ずくで削り落とし、
議会を権力者好みの黒一色に塗りつぶす企てでございます。
昭和の時代、大政翼賛会のもとで多様な言論が封じられ、
国会が軍部に従うだけの場所になった結果、この国がどんな焦土へ進んだか。95歳のワタクシの目には、はっきりと焼きついております。
声を削る政治は、やがて命を削る政治に行き着くのです。
けれども、草の根からは力強い声が上がっております。
ワタクシの生まれ故郷の横浜では、あさか由香さんが市長選の第一声で、
人権を守り、ハラスメントを許さず、暮らしに公共を取り戻すと訴えられました。
また、18歳未満の選挙運動の禁止を憲法違反とする判断が出て、元高校生が控訴するという記事もございました。
若者が自ら裁判で権利を守ろうとする姿は、まことに頼もしいかぎりです。
第3の波 ― 草の根のともしび、ペンライトの海
政治の暴走への最も確かな歯止めは、永田町の思惑ではなく、各地で声を上げる市民の自発的な行動にこそございます。
5日の1面は、沖縄で30代の女性が殺害され、普天間基地の米兵が強盗殺人の疑いで逮捕されたと報じました。
那覇の県庁前には約160人が集まり、「何回こんな思いをさせるのか」と、プラカードと黄色や青のペンライトを手に、
亡くなった方を悼んで黙とうを捧げたそうでございます。
その悲しみと怒りは本土へも広がり、東京では、黙って立って訴える抗議が行われ、
首相官邸前や米国大使館前にも若者や女性が次々と集まりました。
「基地があるがゆえの悲劇を止めよ」「日米地位協定を変えよ」。
戦後81年(昭和101年)の今なお、沖縄は犠牲を強いられているのです。
夜空の下、一斉に掲げられたペンライトの光は、星くずの海のように美しかったことでしょう。
差別に抗う行動も、地域に根を下ろしております。
名古屋の静かな住宅街の公園で計画された排外主義のヘイトデモに、市民と共産党が手を取り合って立ちふさがり、
わずか5分で中止に追い込んだという記事には、思わず膝を打ちました。
「排外主義の先に戦争がある」「黙っていられない」と、若い世代が自分から足を運ぶ姿に、ワタクシの胸は温かく震えます。
京都の宝ケ池公園には7000人が集い、山添拓参院議員らと、憲法9条を守り軍拡の幻想を打ち破る対話を重ねました。
臨時国会の開会日には、衆院議員会館前に250人が「ストップ!議員定数削減」の横断幕を掲げました。
さらに共産党は、2年限定のごまかしを退け、消費税を一律5%へ恒久的に下げること、
適格請求書制度(インボイス)の廃止、そして大企業や富裕層にきちんと税を負担していただく改革を、全国で訴えております。
手に手に光を掲げる若者や女性、お年寄りの姿を思うと、ワタクシの心は歓びに打ち震えます。
暗闇で灯火を求めてさまよった戦争の記憶を持つワタクシにとって、
路上に咲くあの光こそ「主権者のまことの光」でございます。
この国には、民主主義の根が深く太く張っていると、改めて確信いたしました。
「しんぶん赤旗」電子版、ワタクシのおすすめ
大手メディアが権力への遠慮を強めるいま、政権の歪みを鋭く追及し、
どこまでも市民の側に立つ「しんぶん赤旗」の値打ちを、ワタクシは日々痛感しております。
企業広告に頼らず、読者の支えで言論の自由を守る「しんぶん赤旗」は、
いま経営の厳しい試練に直面しておりますが、この灯火を消すわけにはまいりません。
ワタクシは毎朝、電子版を開くのが日課でございます。
紙面そのままの姿でめくるように読めますし、拡大すれば、小さな文字がくっきり大きくなります。
気になる記事はワンクリックで保存や印刷ができ、若い世代はスマートフォンで文字を写し取って、SNSで共有することもできます。
鋏と糊で作っていた昔のスクラップブックとは、比べものにならない便利さでございます。
過去3ヶ月分の紙面はいつでもさかのぼれ、過去1年分の記事から、言葉を打ち込んですぐ探すこともできます。
目が疲れた日は、パソコンの読み上げ機能で「耳で聴く新聞」にして、お茶をすすりながら耳を傾けます。
これもまた至福のひとときでございます。
6日付の党活動面にもあるとおり、若い世代や働く世代の購読が広がっております。
「初月+1カ月無料」の取り組みもあり、「無料お試し期間ページ」からお申し込みいただければ、3週間は無料でお読みいただけます。
ぜひ一度、真実の言葉が詰まった紙面を手に取ってみてくださいまし。
一週間の締めくくり、「最後の一句」
世界でも日本でも、平和と民主主義を守ろうと立ち上がる人々の光を思いながら、ワタクシの胸に浮かんだ一句でございます。
削るより 灯せ民意の ペンライト
民意を削って黒く塗りつぶそうとする政治に、ワタクシたちは削るのではなく灯すことで応えましょう、という思いを込めました。
一人ひとりの小さな光が集まれば、どんな暗闇の夜も、必ず温かな希望の色に染まるのでございます。
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日刊 日曜版 10月1日から27年1月31日まで

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