2026年6月2日から7日までの「しんぶん赤旗」電子版を読んで、ワタクシが気になった記事をピックアップしてお届けします。
今週もね、胸が締め付けられるような記事がたくさんあって、正直なところ読み進めながら何度も目を閉じて深呼吸しました。
94年間生きてきたワタクシが「またこの道か」と感じる記事が、これほど一週間に集中することに、おそろしさと悲しさを覚えます。
でも、希望の光もありました。その光を、皆さんとご一緒に確かめたいと思います。
憲法は権力への鎖――「不断の努力」で守るのは私たちひとりひとり
6月7日の1面に、「九条考える 不断の努力で守る 主人公はわたしたち」という特集が掲載されました。
ここに登場する西穂波さんという市民のスピーチが、ワタクシの心に真っすぐに刺さりました。
5月9日、札幌で開かれた「平和憲法うちらが守る」という集会でのことです。
西さんはこう語ったそうです。
「日本国憲法はただそこにあるだけではただの紙切れにすぎません。戦闘機や武器を捨て、世界の平和を願い、戦争放棄を誓った日本国憲法を私たちの武器にして日本と世界の平和をつくっていくことが日本に住んでいる私たちの使命であるとここで宣言します」と。
そして「ここからどんな未来を守っていくのか、つくっていくのか、それを決めるのは政治家ではなく私たち一人ひとりです。一人ひとりが希望であり、日本国憲法の主人公です」とも。
ワタクシは昭和6年(1931年)生まれです。戦争の中で青春を生きました。
愛国教育を受け、工場で働き、食糧難をくぐり抜けた。
あの時代には、この西さんが言う「好きな服も、好きな本も選べなかった」という状況が、本当にあったのです。
今の若い方には想像もつかないかもしれない。でも、あの暮らしはたった80年前のことなんですよ。
憲法12条にはこう書いてあります。
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」。
「不断の努力」というのは、努力をやめてはいけない、ということです。
まるで竹の根のように、絶えず地面の下でしっかり張り続けなければ、嵐一発でぽきりと折れてしまう。そういうことです。
同じ7日の紙面では、一橋大学名誉教授の渡辺治さんが「憲法9条は日本国憲法全体を貫く基軸的規定」と強調しています。
9条があることで地方自治も守られ、25条の「生存権」も輝く。
憲法とはビルと同じで、基礎の柱を抜いてしまえばどこかが傾く。
9条はまさにその基礎の柱、日本国憲法の屋台骨なのです。
岩手県一関市では5月3日、新たな「九条の会」が結成されました。
89歳の代表の菊地和夫さんが「とにかくやるべ。人生最後のたたかいだ」とおっしゃった。
さらに、結成後初のスタンディングには94歳の男性が30人分の署名を集めて参加したと聞いて、
ワタクシは思わず「同い年!」と声が出てしまいました。
94歳が30人分の署名を!
この方の姿が、今週一番ワタクシの胸を熱くさせてくれた出来事です。
高市政権が狙う憲法改悪・緊急事態条項という「現代の緊急勅令」
記事で繰り返し出てくるのが、高市早苗首相の改憲への強い意欲です。
6月4日には参院憲法審査会の審議が報じられていました。
日本共産党の山添拓議員が指摘したのは、こういうことです。
改憲派が「緊急事態条項」の創設を強調するとき、彼らが想定しているのは実は「戦争」なのだ、と。
緊急事態条項というのは、大規模災害や外部からの攻撃を理由に、国会の権能を内閣に集中させる仕組みです。
これが悪用された歴史が、実はあります。
山添議員の質問で明らかになったのですが、戦前の「緊急勅令」は合計108件も発令されており、
最高刑が死刑の治安維持法の改悪すらこの緊急勅令で強行されたのです。
国会で廃案になった法律を、緊急勅令で復活させる。
これが「緊急権限」の恐ろしさです。
さらに6月5日には、高市首相が衆議院の比例代表定数を45議席削減するよう、
鈴木幹事長に指示したことが報じられました。
比例代表というのは、国民の声をもっとも正確に映す鏡です。
その鏡を、連立合意を維持するために割ってしまう。
法政大学の白鳥浩教授が「連立合意を維持するために国民の声を反映する機会を減少させる決断は本末転倒であり、日本の民主主義にとって禍根を残す可能性がある」と鋭く批判しています。
「戦争国家」の実相・兵器だけ揃えても食べ物がなければ人は生きられない
6月5日から続く特集「戦争国家の実相」が、ワタクシには今週最も重要な記事として目に映りました。
自民党が進める安保3文書の改定では「継戦能力」の強化が叫ばれています。
年単位の戦争を想定して弾薬や燃料の備蓄を増やす、というのです。
しかし、東京大学大学院の鈴木宣弘特任教授が指摘するのは、肝心なものが抜け落ちているということです。
日本の食料自給率は38パーセントです。
10個のパンのうち6個は外国から来ている計算です。
しかも肥料の自給率はほぼゼロで、野菜の種の自給率はわずか10パーセント。
これをすべて考え合わせると、実質的な食料自給率は9パーセント台まで落ちるというのです。
10個のパンのうち9個は外国頼みということになります。
鈴木教授は「弾薬などの準備ばかりの継戦能力の議論自体が的外れです。政府が保有する米の備蓄は約32万トン、実質15日間の供給分しかありません」とおっしゃっています。
一方で中国は、14億人分の1年半の穀物を備蓄しているとされます。
戦争になれば台湾海峡や南シナ海が封鎖されて輸入が止まる。
そうなれば、高価な戦闘機も飛ばせない。まず国民が飢えてしまう。
武器を買い集める前に、農業を守ることこそが本当の意味での「国防」だというのが、鈴木教授の主張です。
ワタクシも、食糧難の時代を知る者として、これは骨の髄からうなずける話です。
鈴木宣弘先生のご著書は数冊拝読いたしました。ここにご紹介刺せていただきます。


さらに6月2日には、南西諸島で激しい戦闘が起きることを想定して、自衛隊病院の病床を4倍に増やす計画が報じられていました。
那覇の自衛隊病院は平時50床から有事200床へ。
一方で、一般国民向けの病床は削減が進んでいるというのです。
有事には民間の医療従事者も軍事動員される可能性があるとも。
まるで、右手で軍人を助けるための病院を建て、左手で一般市民の病院を壊しているようです。
本末転倒とはこのことです。
安保3文書と「国家総動員」・平時の中に忍び込む戦時
6月7日の日曜特集「平時の戦時下 じわり」は、読んでいて全身に冷たい汗が流れるような記事でした。
高市政権は年末に安保3文書を改定しようとしています。
その内容が産業、科学技術、物流、公共インフラ、宇宙まで、あらゆる分野に軍事化を浸透させるものだと指摘されています。
「現代版の国家総動員体制」という言葉が使われていました。
戦前の日本は、工業、教育、文化、交通手段まですべてを戦争に向けて集めました。
軍国主義の色に染められた国家の姿です。
今の高市政権が進める軍拡とスパイ防止法、緊急事態条項はこの「総力戦体制」の一環なのだと、記事は告発しています。
米国からはGDP比3.5パーセントへの軍事費増額が求められています。
現在の11兆円から24兆円に増やすということです。
皆さん、11兆円がどのくらいの金額か想像できますか。
日本人全員が毎日3食食べ続けて1年間食べられるくらいの食料を買える金額、と考えたら少しイメージが湧くでしょうか。
それをさらに倍以上に増やして、武器に使おうということです。
そのお金を食料自給にまわしてほしいのです。
6月2日には「スパイ防止法」の歴史的背景についての識者インタビューも掲載されていました。
小樽商科大学名誉教授の荻野富士夫さんが戦中の「防諜」の歴史を詳細に語っています。
「ぼろっと話したことでも逮捕され処罰される」「食料配給の遅れに愚痴を言っただけで警察に引っ張られる」。
これが軍機保護法などの防諜法の現実だったのです。
ワタクシがまだ10代のころ「国民防諜」が強調され、「防諜週間」とかありました。
「防諜団」なるものがあり、警察や憲兵と町内の大人たちが、お互いの言動や不審な動きを監視することが実際にあったのです。
「一億が 一つ心で 防諜団」「洩(も)らすな機密 忘るな防諜」などの標語まで募集して浸透を図ったのです。
今また同じ道を歩もうとしているのか。ワタクシには、そう見えてなりません。
こういった情報をしっかりと報道しているのは「しんぶん赤旗」くらいです。
ですから、ワタクシは、ぜひ、多くの人に赤旗を読んでもらいたいと願っております。




沖縄の声、世界とつながる――DSAからのメッセージ
6月7日の1面と4面に、沖縄シンポジウムの報告が載っていました。
那覇市で開かれた「NO WARでつながろう 憲法を生かす『命どぅ宝』沖縄シンポジウム」には400人が参加したそうです。
驚いたのは、アメリカ民主的社会主義者(DSA)からビデオメッセージが届いたことです。
「アメリカの帝国主義は私たちすべてを圧迫しており、世界中の活動家にはこれに反対する義務がある」
「軍事的優位性によって日本国民が米国に従属させられているこの現状は、維持不可能であり、平和と協力に基づく対等な関係へと置き換えられなければならない」とまで言っています。
そして「米国は戦争で核兵器を使用した唯一の国であり、日本はそれらの兵器の犠牲となった唯一の国です。これは人類の歴史上二度と繰り返されてはならない忌まわしい行為でした」と。
アメリカの活動家が、こうして沖縄の闘いに連帯を表明してくれる。
これは本物の「国際連帯」だとワタクシは思います。
沖縄の人たちはひとりではない。世界が見ています。
世界の窓から・インドの若者たちと米議会の反乱
今週は海外のニュースも心に残りました。
6月7日には、インドで「ゴキブリ人民党」(CJP)という政治運動が話題になっていると報じられました。
最高裁の長官が失業中の若者を「ゴキブリ」「寄生虫」と呼んだことへの怒りが発端で、数日でオンライン入党者が2200万人を超えたというのです。
インドの20代前半の失業率は4割とも言われています。
10人の若者のうち4人が仕事のない状態です。
さらに医学部の統一入試で問題が事前流出するなど不正が相次ぎ、若者の怒りと絶望が一気に爆発したのです。
「私たちの投稿を削除できても、私たちをこの広場から消すことはできない」という創設者の言葉が、世界共通の若者の叫びに聞こえます。
6月5日には、米下院がトランプ大統領に対してイラン軍事作戦の停止を求める「戦争権限決議案」を賛成215、反対208の僅差で可決したことも報じられました。
与党共和党から4人が賛成に回った、という歴史的な出来事です。
イラン戦争によるガソリン高騰への国民の不満が、与党の中にまで亀裂を生み出したのです。
同じく6月7日には、ニュージャージー州で、ガザ地区での医療活動を行った退役軍医のハマウィ氏が民主党予備選で勝利したことも報じられていました。
「私が目にしたのはジェノサイドだった。それは米国民の税金で支えられたものだ」という彼の主張が、有権者に届いたのです。
世界は今、大きく揺れ動いています。
戦争への道と平和への道が、国の内側でも外側でも綱引きをしています。
名古屋のデモ、京都の教員、全国に広がる声
6月5日の地方面には、名古屋でのデモの様子が紹介されていました。
ミハラさんという市民の方が「私も本当はオタクとして気ままに生活をしていたかった。でもそうも言っていられない社会になってしまった」とおっしゃっていて、ワタクシはこの言葉にじんとしました。
好きな映画を見て、好きな音楽を聞いて、静かに暮らしたい。
それは誰もが望む当たり前の生活です。
でもその当たり前を守るために、仕事帰りに駅前に立たなければならない。
それほどまでに今の政治が人々の不安を大きくしているということです。
京都の教員、奥田花菜さんも、若者憲法集会でスピーチを行いました。
「声を上げているのは私たちだけではありません。性別や年齢、国籍に関係なく、平和を願う多くの方々が行動をしています。思いは、声は力となります」という言葉が印象に残ります。
6月2日には岐阜でのペンライトデモも報じられていました。
186人がペンライトを手に「戦争反対、高市やめろ」と声を上げた。
愛犬と一緒に参加した姉妹が「平和だから一緒にいられる」とおっしゃったこと。
知覧特攻平和会館で見た18歳の特攻兵の手紙を読み上げながら「私たちは歴史を知っています」と訴えた女性のこと。
こうした声が全国で重なり合っています。
あかねからひとこと
気になった一週間の「しんぶん赤旗」からピックアップしてみました。ワタクシは電子版を毎朝パソコンで読んでおります。
全国の「戦争反対!」「憲法まもれ!」の声を丹念に取材して知らせてくれる。
ここまで市民の立場で報道をしている新聞は、ほかにあるでしょうか。
「しんぶん赤旗」は経営危機に瀕しています。赤旗存続のためにどうかご協力お願いいたします。
電子版は実際の紙面を画面で読むことができます。
文字を大きくして読めるので、ワタクシには大変助かっています。
その画面をPDFというデータでダウンロードして保存もできますし、印刷もできます。
文字だけのテキストデータでも読めます。スマホでお読みになる方は、こちらの方が読みやすいかもしれません。
過去3ヶ月分が読めて、検索機能を使えば過去1年分まで調べられます。
昔は新聞の切り抜きをしてスクラップブックに貼り付けていましたが、今は検索一発でなんでも出てくる。
文字データをパソコンで読み上げる機能を使えば音声でも聞くことができます。
それから、芸能やスポーツ面もあります。
他の新聞と違うのは、センセーショナルなゴシップ記事がないところです。
芸能人やスポーツ選手の頑張りや、その人の生き方に真剣に向き合う書き方がとても好きです。
最後の一句
赤き旗 消えたらだれが 声拾う
声なき声を拾い続けてきた新聞が消えることは、声そのものが消えることかもしれない。


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