今週もまた、しんぶん赤旗を開きながら、94年の人生で培った目で、この国の姿をじっくりと見つめてまいりました。
窓の外は連日うだるような暑さでございます。
蝉の声すら、どこか苦しげに聞こえる、そんな夏でございます。
熊本の被災地では、この炎天下に雑魚寝を強いられる方々がいらっしゃると聞き、胸が締め付けられる思いでございます。
さいしょに、れいわ新選組では、新代表に山本譲二さんが選出されました。太郎さんとおなじ苗字の山本さんですね。
これからの再出発を応援したいと思います。
ワタクシは共産党とれいわ新選組、社民党など護憲派が仲間になってもらいたいといつも思っております。
さて、今週の紙面は、まさに「暑さ」という一語で括れるほど、政治の熱、抗議の声の熱、そして人々の怒りの熱が、渦を巻くように押し寄せておりました。
一週間を振り返りますと、大きく三つの流れが浮かび上がってまいります。
ひとつは、158日間続いた特別国会が閉会し、高市早苗政権の強引な国会運営と、急落する支持率という「政治の混迷」。
ふたつめは、非核三原則の見直しという危険な兆しと、それに立ち向かう原水爆禁止運動、そして市民監視の影という「平和の岐路」。
みっつめは、アメリカとイスラエルの隙間風、そして東南アジア友好協力条約の広がりという「海外の動き」でございます。
それでは順に、ワタクシの目に映った景色を、じっくりとお伝えしてまいりましょう。
政治の動き ― 「反省点はない」という高慢の代償
2026年7月27日、高市早苗首相は記者会見でこう言い放ちました。
「反省点というのは特にない」と。
まるで嵐の中で傘も差さずに胸を張るような、そんな姿でございました。
国会が閉会するその日まで、答弁拒否や審議の短縮を重ねてきた首相の口から、
そんな言葉が飛び出したことに、ワタクシは驚きを通り越して、ため息すら出てしまいました。
しかし世論はそれを許しませんでした。
読売新聞の調査では内閣支持率が57%まで急落し、前月から実に12ポイントも下落。
日経・テレビ東京の調査でも58%と10ポイント下がり、いずれも政権発足後、最低を記録いたしました。
物価高対策を「評価しない」との回答は71%にものぼり、「評価する」の21%を、実に3倍以上も上回っております。
国会運営が「強引だった」と答えた人も57.5%。まるで、大きな声で「聞こえておりません」と
繰り返す誰かに向かって、国民が一斉に声を張り上げているような、そんな構図に見えてまいります。
その物価高への対応も、迷走の連続でございました。
食料品の消費税をわずか2年間だけ1%に引き下げるという方針が7月30日に示されましたが、
これは2年後には税率が1%から8%へと、7ポイントもの大増税が待つという、
いわば甘い蜜の奥に鋭い針を隠したような案でございます。
日本共産党の小池晃書記局長は、この案には3つの大きな問題があると指摘いたしました。
期間が2年に限られていること、対象が食料品のみに限定されていること、
そして明確な財源が示されていないことでございます。
日本共産党やれいわ新選組などは、かねてより、品目を限定せず一律5%へ減税することを訴えてまいりました。
試算によれば、勤労者世帯で年間およそ17万円の減税効果があり、食料品限定案の約6万円を、11万円も上回るというのです。
財源についても、大企業は年間で12兆円もの減税を受けているという不公正を正し、
富裕層への課税を強化することで賄えるとの提案がなされております。
まるで、蛇口をひねる場所を間違えたまま「水が出ない」と嘆いているような政府の姿と、
すでに水源のありかを指し示している野党の姿と。
その対比が、くっきりと浮かび上がる一週間でございました。
さらに驚かされたのは、皇室典範改定をめぐる国会論議でございました。
「男系男子は神武天皇以来2600年以上続く伝統」などという、
歴史学的にはまったく根拠のない主張が、堂々と国会で語られたのです。
ワタクシのような戦前を知る者からすれば、これはまるで色あせた古い着物を、
さも新品であるかのように装って着せられるような、危うい光景でございました。
歴史学者からは「神武天皇の存在は確認されていない」との批判が相次ぎ、複数の新聞の社説でも
「国民主権や基本的人権を定める日本国憲法の精神と相いれない」と厳しく指摘されました。
それでも法律は、与党の「数の力」で押し切られてしまったのです。
世論調査では、女性天皇を「認めるべきだ」との回答が7割から8割台にものぼっているというのに、
その民意はまるで置き去りにされた荷物のように、顧みられることがございませんでした。
平和の動き ― 灯りゆく核の恐怖と、それでも歩みを止めぬ人々
ワタクシが今週もっとも心を痛めたのは、非核三原則をめぐる動きでございます。
「持たず、作らず、持ち込ませず」という、1967年(昭和42年)に佐藤栄作首相が表明して以来、
この国の背骨のように守られてきた原則。
それが今、静かに、しかし確実に揺らごうとしております。
高市首相は「議論の俎上に載せる」と繰り返すばかりで、堅持するとは決して明言いたしません。
田村智子委員長が衆院予算委員会で幾度も迫っても、答えはのらりくらり。
まるで熱い鍋の蓋を開けたくないまま、そっと視線をそらして横に置いておくような、そんな態度でございました。
背景には、アメリカが海洋発射の核巡航ミサイルの開発を進め、
青森県三沢基地には核搭載可能な戦闘機の配備が今年3月から始まったという現実がございます。
唯一の戦争被爆国が、みずから核の傘の内側へと、さらに深く足を踏み入れようとしている。
これは、火傷を恐れず炎に手を伸ばすような、あまりに危うい選択ではないでしょうか。
地方議会からは「非核三原則の堅持」を求める意見書が次々と採択され、
衆院にはすでに129件も送付されているといいます。
広島・長崎の県議会でも全会一致だったというその重みを、政府はどう受け止めているのでしょうか。
一方で、希望の灯も確かに見えております。
8月3日から広島・長崎で開かれる原水爆禁止世界大会には、
アメリカの民主的社会主義者の団体が初めて参加するとのこと。
核保有国の内側からも、変化の芽が育ちつつあるのです。
ワタクシはこれを聞いて、凍った大地にもやがて小さな緑が顔を出すような、そんな静かな喜びを覚えました。
田村智子委員長も開会総会に登壇し、核兵器禁止条約への参加を訴えるといいます。
もうひとつ見過ごせないのが、市民監視の広がりでございます。
陸上自衛隊の情報部隊が、大学教授やNPO代表の「愛国心」や「性的嗜好」まで調査していたという報道には、背筋が寒くなる思いでございました。
そして7月31日には、各省庁の個人情報を一元管理する国家情報局が発足いたしました。
まるで誰かに見られているとも知らずに日記を書いているような、そら恐ろしい話でございます。
国会や第三者機関によるチェックの仕組みもないまま、監視網だけが静かに、しかし着実に広がっていく。
これはワタクシたちの子や孫の世代に、決して手渡してはならない負の遺産だと思うのです。
自由法曹団も「文民統制がきいていない」と厳しく声明を出しております。
海外の動き ― 対話の力と、綻びゆく強国の思惑
暗い話ばかりではございません。
東南アジア友好協力条約が締結50周年を迎え、世界人口の4分の3にあたる地域にまで加盟が広がったという知らせは、ワタクシの心を明るく照らしてくれました。
武力ではなく対話によって平和を築くという、この条約の理念に、スウェーデンやポーランドなど欧州4か国も新たに加わったのです。
1976年に5か国で始まった小さな約束が、半世紀を経て62の国と機構にまで広がった。
それはまるで、一本の細い川が、いくつもの支流を集めて大きな流れになっていくような、そんな壮大な景色でございます。
フィリピンの外相は「私たち全員の責任」と呼びかけましたが、まさにその通り。
小さな灯を一つずつ持ち寄れば、やがて大きな明かりになる。そんな希望を感じさせる出来事でございました。
対照的に、アメリカとイスラエルの間には隙間風が吹いております。
トランプ大統領とネタニヤフ首相の会談は、イラン攻撃開始後初めての対面でありながら、両者の思惑はすれ違ったままでございました。
米軍幹部からも、ミサイルの在庫不足や作戦継続への懸念が示され、大規模攻撃の計画が中止に至ったといいます。
強大に見える国も、内側では砂の城のように脆く崩れかけている。
そんな現実が、静かに透けて見えてまいりました。ホワイトハウス近くでは
「ネタニヤフは戦争犯罪者だ」というプラカードを掲げる人々の姿もございました。
韓国が原子力潜水艦の導入にあたり、「核兵器を保有しない」ことを法律で明記しようとしていることも、印象深い知らせでした。
北朝鮮の核開発という不安の中でも、あえて自らの手を縛る選択をする。これもまた、静かな勇気の形なのだと思います。
むすびに
熊本の被災地では、なお9200人余りの方々が避難生活を送っておられます。
災害関連死が直接死の4倍以上にものぼった10年前の教訓を、この国はまだ本当の意味で学んでいないのかもしれません。
「まさに税金を軍事に回している場合ではない」という現地の議員の言葉が、ワタクシの胸に深く刺さりました。
暑い夏でございます。
政治の熱も、抗議の声も、そして被災地の炎天下も。けれど、その熱の中から、
対話を求める人々の声や、静かに広がる連帯の輪も見えてまいりました。
94年生きてきたワタクシにも、まだこの国には希望があると、そう思わせてくれる一週間でございました。
ワタクシは毎朝、しんぶん赤旗の電子版をパソコンで読んでおります。
ここまで市民の立場に立った報道をする新聞は、なかなかございません。
今、赤旗は経営の面でも厳しい状況にあると聞いております。
電子版なら文字を大きくして読めますし、PDFで保存も印刷もできます。
過去3か月分がいつでも読め、検索なら1年分までさかのぼれます。
読み上げ機能を使えば、耳だけでも内容を追うことができ、便利な時代になったものだと感じております。
無料お試し期間もございますので、よろしければぜひ一度、覗いてみてくださいませ。
最後の一句
炎天下 声なき声も 旗となる
(解説:猛暑の被災地で助けを求める人々の言葉にならない訴えも、原水爆禁止大会や国会前デモの「戦争反対」の声と同じく、一枚の旗のように未来へ立ち上がっていく――そんな願いを込めました。)



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