窓の外の風がすっかり秋めいてまいりました、2026年(令和8年)9月12日の朝、ワタクシは机に向かいながら、遠く沖縄の海のことを思っております。
明日9月13日、沖縄県知事選挙・統一地方選挙の投票日でございます。
90年以上生きてまいりましたワタクシにとって、選挙というものは、単なる政治の手続きではございません。
それは、その土地に生きる人々が「これからどう生きたいか」を、静かに、しかし、力強く語る一日なのです。
今日はこの一週間、9月7日から12日にかけての新聞やインターネットの報道を、ワタクシなりに丁寧に紐解きながら、
沖縄という土地の尊厳と、そこに生きる方々の願いについて、皆様と一緒に考えてみたいと思います。
運命の最終盤、一週間の攻防を振り返って
今週という一週間は、まるで台風の目に入り込んだような、緊張の連続でございました。
9月6日から7日にかけて、宜野湾市、名護市、沖縄市、石垣市の4つの市議会議員選挙と、
21の町村議会議員選挙が一斉に告示され、知事選と手を取り合うようにして、大きなうねりが始まりました。
日本共産党の小池晃書記局長も現地に入られ、「誰一人取り残さない沖縄」を掲げる玉城デニー知事の3回目の当選を訴えられたとのこと。
続く9月8日から9日にかけては、驚くべき事実が明るみに出ます。
米軍嘉手納基地と普天間基地が、有害な化学物質の汚染源であることを、在日米軍自身が認め、
公表しても構わないとまで言っていたにもかかわらず、日本政府がそれを独断で隠していたというのです。
デニー知事はすぐさま抗議し、基地への立ち入り調査を再び求めましたが、政府は説明すら拒みました。
県民の怒りが、まるで沸騰したやかんのように吹き上がったのも無理はございません。
そして9月10日から11日、選挙戦はいよいよ「あと3日」という土壇場に入ります。
普天間基地の中に、米軍が新しい燃料の荷下ろし施設を4棟も建設する計画が発覚いたしました。
完成予定は2029年(令和11年)とのこと。「辺野古だけが唯一の解決策」と説明されてきた普天間基地の返還が、
まるっきりの作り話であったことが、これで露呈したわけでございます。
おまけに、デニー知事になりすました悪質な嘘のメールまで出回るという、目を覆いたくなるような妨害工作も極限に達しました。
そして今日9月12日、しんぶん赤旗の一面には「沖縄の将来は県民が決める」と必勝を誓うデニー知事のお姿がございました。
自民党沖縄県連の心無い意見広告への批判、内閣の広報予算が72億円もの要求へと膨れ上がった問題、
そして米兵犯罪の8割が不起訴になっているという、あまりにも不条理な現実。
これらすべてが、明日という日の重みを、静かに、しかし確かに物語っているのでございます。
第一の柱・デニー知事が守り育てた沖縄の実績と、平和だからこその暮らし
明日、沖縄の未来を左右する県知事選挙が投開票を迎えます。
高市政権が総力を挙げて後押しする相手候補、古謝玄太氏に対し、玉城デニー知事は「新しい基地は造らせない」
「誇りある豊かな沖縄」「誰ひとり取り残さない社会」を掲げ、島じゅうを駆け巡っていらっしゃいます。
自民党や相手陣営は「沖縄は全国で最下位」「デニー県政のせいで経済が停滞した」というデマを声高に叫んでおりますが、数字が語る真実はまるで違います。
自民党県政の時代には約29%にも達しておりました子どもの貧困率は、デニー県政のもとで20.2%まで下がりました。
観光にいらした方の数は、史上初めて1000万人を超え、観光収入も過去最高の1兆円を突破。
県の税収は自民党県政時代のおよそ2倍となり、2026年度(令和8年度)の県の予算は、過去最高となる9468億円に達しております。
この予算案は、自民党も含めて実に35年ぶりに、議会全員の賛成で可決されたというのですから、
野党の側も、デニー県政の予算そのものには文句のつけようがなかった、ということなのでございましょう。
さらにデニー知事は、これから4年に向けて、18歳までのお子さんの医療費を窓口で無料にすること、
学校給食の無償化を広げること、保育園に入れないお子さんをゼロにすること、
そして病気のお子さんを預かる保育の利用料を無料にすること、
この四つを「四つのゼロ」として公約に掲げていらっしゃいます。
ご自身も母子家庭でお育ちになったデニー知事は、子どもの貧困対策のための基金を30億円から60億円へと倍にし、
中小企業が働く方の賃上げをした際には社会保険料の会社負担分を県が支えるしくみ、
家賃の支払いが苦しいご家庭へのクーポン券、部活動で大会に出る中高生への交通費の補助など、
県民のくらしの底上げに、実に細やかに心を配ってこられました。
デニー知事の言葉には、強い確信と温かな誇りが満ちております。
「平和だからこその経済、観光、くらしだ」
「政府に丸ごと抱えられた政党が支える沖縄か、それとも沖縄の将来を、うちなーんちゅ、沖縄の方々が大切にしているものを軸にして進めるか、その大きな分かれ目だ」と。
国に従うだけの外交ではなく、アジアの国々と独自の平和のための外交を進め、文化や経済の理解を深めていくこと。
それこそが、沖縄を二度と戦場にさせないための、何よりの守りなのでございます。
第二の柱・ネット上に渦巻く嘘と、自民党の心無い広告を見つめて
今回の選挙で、ワタクシが何よりも胸を痛めましたのが、デニー知事に対するインターネット上での、あまりにも卑劣な妨害工作でございます。
琉球新報によると選挙戦最終盤の9月11日、報道機関や関係者宛てに「玉城デニーです」と名乗る不審な電子メールが、大量に送りつけられました。

そこには「沖縄県を琉球県に改め名づける」といった根も葉もない嘘や、本土との間に溝を作ろうとする文章、
さらには「投票済みの証明書を持ってくればお礼の品を渡す」という、
法律で固く禁じられた買収行為をでっち上げる文言まで含まれていたというのですから、開いた口がふさがりません。
デニー陣営はただちに、「一切関わりのない、事実無根の嘘である」との声明を出し、
発信した者を特定するための手続きと、刑事告訴の準備に入りました。
特定の候補を落選させるために犯罪をでっち上げるようなやり方は、民主主義の土台を揺るがす、決して許されない選挙妨害でございます。
ネットの嘘にとどまらず、公党の広告までもが事実をねじ曲げております。
自民党沖縄県連が地元の新聞に出した全面カラーの広告には、「子どもの貧困率21.4%」「学力は最低の水準」
「最低賃金は最下位」と書き連ね、すべてがまるでデニー県政の責任であるかのように描かれておりました。
しかし先ほど申し上げました通り、子どもの貧困率は自民党県政時代の30%近くから、
デニー県政のもとで20.2%まで大きく下がっているのです。
最低賃金についても、9月3日に時給63円という大幅な引き上げが決まり、最下位からの脱却はすでに確定しております。
長年にわたって基地を押しつけ、振興のための予算を削ってきた責任を棚に上げ、
デニー県政の努力を無視して、沖縄のお子さんたちを見下すような広告を出す自民党の姿勢には、怒りを禁じ得ません。
YouTubeなどの動画の世界でも、言論の空間は大きく偏ってしまっているようでございます。
選挙ドットコムの沖縄県知事選最終盤の攻防データ番組の分析によりますと、デニー知事に関連する動画のおよそ9割が、
批判や中傷といった「ネガティブ」な内容で占められているとのこと。
街頭で目にする熱気とは大きくかけ離れた世論が、インターネットの中で作り上げられている実態が明らかになりました。
ここで、なんとも不気味な符合がございます。
高市政権は2027年度(令和9年度)の予算の概算要求で、内閣広報室の予算を、前の年の実に10倍以上となる72億3千万円へと膨らませたのです。
その理由は「SNSなどでの情報戦への対応」だと申しますが、これまで内閣広報室がメディアやSNSを見張り、
干渉してきた歴史を振り返りますと、巨額の税金を使って世論を操り、
これからますます選挙に介入していくのではないかという疑いが、どうしても拭えないのでございます。
けれども、どれほど不当な攻撃にさらされようとも、デニー知事の平和への信念は、世界中の方々から深く支持されております。
アメリカの民主的社会主義者の団体からの連帯のメッセージ、ニューヨーク州の平和運動の副議長からの
「美しい沖縄が軍事化されることに立ち向かうデニー知事に、心から感謝いたします」というお言葉、
そして現場で党派を超えて「デニーさんでなければ沖縄は守れない」と声を上げる市民の皆様のお姿こそが、
ネット上の作り話を打ち破る、真実の力でございましょう。
第三の柱・命の水と健康を脅かすPFAS汚染、そして隠され続けた真実
今回の沖縄県知事選において、県民の命と健康に直結する、最も重い争点として浮かび上がったのが、
米軍基地から出た有害な化学物質、PFAS、これは、ピーファス、有機フッ素化合物と呼ばれるもので、水や油をはじく性質を持ち、
消火剤などにも使われてきた物質による汚染の問題でございます。
沖縄タイムズやしんぶん赤旗の報道によると、今週、驚くべき政府の裏切りが明るみに出ました。


2023年(令和5年)12月の日米協議において、在日米軍側は、嘉手納基地と普天間基地での消火訓練が汚染の原因であることを認め、
「その事実を公表しても構わない」との考えを示していたというのです。
ところが日本政府、防衛省と外務省は、この米軍の回答をひそかに闇に葬り、国民にも沖縄県にも隠し続けてまいりました。
基地への立ち入りが拒まれたという結果だけを発表し、基地こそが汚染の原因であるという、肝心かなめの事実は隠していたのでございます。
知事選への影響を恐れ、県民の反発を避けるために隠していたことは、火を見るより明らかでございましょう。
官房長官は記者会見で、「米側との関係があるので答えを控える」と、説明を拒みました。
かつて防衛大臣らが国会で「基地との因果関係は確定できない」と述べていた、あの答弁そのものが、
まったくの偽りであった疑いが、いよいよ濃くなってまいりました。
自分の国の民が害を受けているにもかかわらず、米軍を何よりも優先して庇い、真実を隠して汚染を放っておく日本政府の姿勢は、
アメリカに従うことばかりを考えた、言語道断の態度でございます。
現場の怒りはすでに限界に達しております。
市民団体の方々や、子育て中のお母様方が防衛局へ直接押しかけ、「県民の命をあまりにも軽く見ている。怒りを通り越して、ただただ悲しい」
「徹底した原因の究明と、立ち入っての調査を」と、涙ながらに訴えられたそうでございます。
デニー知事はすでに5度にわたって基地への立ち入り調査を申請し、
「米軍に対して、対策の費用の負担と、汚染物質の除去を強く求める」と宣言していらっしゃいます。
国の言いなりになって基地の汚染を隠すような、政権にすっかり抱えられた候補に、
県民の命とお子さんたちの未来を託すことなど、到底できるものではございません。
第四の柱・米兵犯罪の8割が不起訴という不条理、そして普天間恒久化の企み
「基地があることが沖縄の安全につながる」「政府に従うことこそが国のためだ」という主張が、
いかに欺瞞に満ちたものであるか、今週明らかになった数字と計画が、はっきりと物語っております。
しんぶん赤旗の「米兵犯罪8割不起訴、25年国内性犯罪が顕著、沖縄に集中」9月12日1面の記事です。
2025年(令和7年)に日本国内で起きた米兵や軍属による犯罪のうち、実に8割近くが不起訴の処分となり、
とりわけ悪質な性犯罪が沖縄に集中している実態が暴かれました。
日米地位協定という不平等な取り決めの壁に阻まれ、凶悪な犯罪を犯した米兵がまともに裁かれず、
被害に遭われた方の尊厳が踏みにじられ続けているのでございます。政府は「国益」という言葉を口実に、これを放置してまいりました。
政府はこれまで、「辺野古への新しい基地の建設こそが、普天間基地の危険を取り除く唯一の解決策だ」と繰り返してまいりました。
けれども、それがまったくの作り話であったことが判明いたしました。
しんぶん赤旗「普天間に燃料施設4基、計画判明 基地恒久化狙う」9月11日1面の記事では、
アメリカ国防総省は2027年度の予算で、普天間基地の中に、新たな大規模な燃料の荷下ろし施設を4棟、
総工費およそ60億円をかけて建設する計画を進めているというのです。
工期は2027年から2029年(令和9年から令和11年)の3月までとされております。
「返還する」と約束したはずの基地に、なぜ、何十億円もかけて最新の施設を増やす必要がございましょうか。
答えは一つでございます。日米両政府は、辺野古が完成しても普天間を返す気など初めからなく、
基地を永久に固定し、その機能をさらに強めようとしているのでございます。
相手候補の古謝玄太氏は「手取りを2倍に」「10年後には県民の所得を2倍に」と、景気の良い言葉を掲げていらっしゃいます。
しかし知事の任期は4年でございます。なぜ10年先の約束ができるのでしょうか。
失われた30年と言われる間、日本全体の所得をまったく増やせなかった自民党政権を後ろ盾にしながら、
沖縄だけ所得を2倍にできるという話は、経済的な裏付けのない、絵に描いた餅にすぎません。
デニー知事は、魂の込もった問いかけをしていらっしゃいます。
「その国益というものに、県民の立場からどう物を言うか。県民の命と誇りを、どう守るか。いま、それが問われているのです」と。
国益という名のもとに、県民の犠牲を強いる政治を、このまま許してよいものでしょうか。
この問いかけは、沖縄の方々だけでなく、日本じゅうの一人ひとりの胸に、重く響くのでございます。
第五の柱・大軍拡と広報予算の乱用、揺れ動く国政の姿
今週のニュースには、沖縄の知事選の背景にある高市政権の暴走ぶりと、国の政治のほころびもまた、色濃く映し出されておりました。
高市政権が掲げる、戦略分野への370兆円という巨大な投資も、かつての政権の「成長戦略」の焼き直しに過ぎず、
過去の失敗を反省しないまま、同じ過ちを繰り返すのではという警告が発せられておりました。
「結局、成功したかのように見せかけられるのは軍事の分野だけであり、国民には大きな増税と物価の上昇、社会保障の削減が押し付けられる」という指摘には、ワタクシも深くうなずかざるを得ませんでした。
実際、防衛省の2027年度予算の概算要求では、金額を明示しない「事項要求」が151件にものぼり、
その積算の根拠を国民に隠したまま、防衛費を10兆円規模にまで膨らませようとしていることも判明しております。
暮らしのための予算を削り、無謀な軍備の拡大へと突き進む政権の姿が、ここに映し出されているのでございます。
政治の現場における嘘やヘイトへの厳しい裁きも、少しずつ進んでおります。
2025年(令和7年)の参議院選挙の期間中、SNS上で「多くの仲間が共産党員に殺害された」という
おぞましい嘘を投稿した参政党の議員が、名誉を傷つけた疑いで検察に送られたとのこと。
インターネット上の嘘やヘイトスピーチを放っておかず、法律に基づいて責任を追及していく姿勢は、
今回の沖縄知事選におけるネガティブキャンペーンへの対策とも、深く底で繋がっているように、ワタクシには思えるのでございます。
結びに・明日、沖縄の尊厳を守る一票を
この一週間の報道を振り返りますと、明日9月13日に行われる沖縄県知事選挙が持つ、歴史的な重みが、あらためて胸に迫ってまいります。
PFAS汚染の事実を隠し、県民の健康への被害を放っておく政治でよいのでしょうか。
普天間に新たな燃料施設を造り、基地の固定化を推し進める、国の言いなりの知事でよいのでしょうか。
子どもの貧困率を改善し、医療費の無料化やくらしの支援を、一つひとつ実行してきたデニー県政を、ここで止めてしまってよいのでしょうか。
インターネットの悪質な嘘と、自民党の心無い広告によって、沖縄の誇りが踏みにじられてよいのでしょうか。
答えは明らかでございます。
デニー知事が訴える「誰も取り残さない沖縄」、そして「平和だからこその経済とくらし」こそが、沖縄が歩むべき本当の道でございましょう。
高市政権による強い政治や基地の押しつけに屈することなく、誇りある自治を貫くためには、玉城デニー知事の3回目の勝利が、どうしても欠かせません。
対話を広げる時間は、最後まで残されております。
インターネット上の嵐のようなネガティブキャンペーンを打ち破るのは、
草の根の真実の対話と、平和を願うお一人おひとりの決意の一票でございます。
沖縄の未来は、沖縄の方々が決めるものでございます。
明日、玉城デニー知事とともに、平和と尊厳に満ちた沖縄の新しい扉を、一緒に開いていこうではございませんか。
90年余りを生きてまいりましたワタクシの目には、遠い南の島の海風が、少しばかり心配げに、
けれどもたしかな希望を乗せて、こちらまで届いているように感じられるのでございます。
最後の一句
潮騒に 嘘も溶けゆく 沖縄魂(うちなーだましい)
沖縄の海の音(潮騒)が、ネット上の嘘を洗い流していくイメージと、沖縄魂という言葉に込めた誇りを詠みました。
【沖縄知事選ファクトチェック】選挙運動における玉城デニー沖縄県知事への批判言説に関するファクトチェック(チームあかね編)

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