みなさん、こんにちは。あかね、95才でございます。
今年も早いもので、窓の外の木々がすっかり色づきました。朝晩の冷え込みが身にしみる季節でございますね。
名古屋の部屋で温かいお茶をすすりながら、ワタクシは毎朝パソコンを開き、「しんぶん赤旗」の電子版を隅々まで広げております。
長い人生を歩んできましたけれど、今の世の中を見つめておりますと、なんだかざわざわと落ち着かないのです。
大きな歴史の曲がり角に立っているような、重たい空気を肌で感じるのでございます。
今週、2026年11月1日から7日までの紙面を振り返りますと、私たちの暮らしを揺るがす出来事がいくつも重なっておりました。
国会では、「消費税・支援金法案」や「警察官職務執行法の改定案」という、生活と人権を脅かす冷たい政治の動きが進められております。
それに対して、全国各地で市民の皆様が真っ向から立ち上がっておられます。
海の向こうのアメリカでは、中間選挙でトランプ政権のやりたい放題に歴史的な審判が下りました。
北東アジアの平和を求める声も、国境を越えて響き合っております。世界も日本も、まさに激動のただ中にあるのでございます。
今日は気になった記事をいくつかに分けて、ワタクシの心に浮かんだ思いをそのままお話しさせていただきますね。
減税の顔をした「大増税の先送り」
まず、11月7日の1面と2面に大きく載っておりました、「消費税・支援金法案」の衆議院通過のお話をせずにはいられません。
高市早苗政権が差し出したこの法案は、2027年(令和9年)4月から2年間に限って、食料品の消費税率を1%に引き下げるというものでございます。
物価高に苦しむ私たちへの、優しい配慮のように聞こえますでしょう。
ところが、その裏にはとんでもない罠が隠れているのでございます。
日本共産党の田村智子委員長が鋭く指摘しておられましたけれど、これはあまりに無責任な公約違反ではありませんか。
先の総選挙では、各党が減税を競い合いました。
ところが2年後の2029年(令和11年)には、元の8%に戻すというのです。
これは減税どころか、あとからドカンと大きな負担がのしかかる「大増税の先送り」にほかなりません。
戻すだけだから文句を言うなということでしょう。
そもそも、消費税の減税なんかしたくないのが本音でしょうね。
しかも、その穴埋めとされる「就業者負担軽減支援金」の対象も金額も、政府はちっとも明らかにしておりません。
ちょっと想像してみてくださいね。
スーパーの棚に並ぶお野菜やパンの値段が、一時的に少し下がったように見えます。
ところが2年が過ぎた途端、また元の高い税率に戻される。
そのとき私たちの家計は、どれほどの痛手を受けることでしょう。
しかも、5090万人の年金生活者の方々、病気で働けない方々、
所得の低い6000万人もの人々には、この支援金すら届かない仕組みだというではありませんか。
ワタクシのような年金暮らしの身からすれば、これほど冷たい話はございません。
本当に求められているのは、すべての品目を一律5%へ引き下げる、恒久的な減税でございます。
そして消費税を廃止することでございます。
大企業や大資産家への優遇税制にはメスを入れず、庶民の財布ばかりをあてにする。
以前、れいわ新選組の山本太郎さんが、グラフを示して、よくおっしゃっていましたよね。
消費税を上げるたびに、大企業の減税をしていた事実、社会保障に使うためと言う嘘。
消費税減税、廃止の財源なんて、そもそも必要ないんです。
大企業を優遇して減税していたものを止めるだけですから、
スマホという「小さな宝箱」をのぞかれる恐怖
同じ11月7日の1面で、もうひとつ背筋が凍る思いがいたしました。
「通信の秘密」を侵しかねない、警察官職務執行法(警職法)の改定案が可決されたというのです。
スマートフォンの中にあるプライベートな情報やメッセージのやり取りを、
警察が遠くから勝手に抜き取る「遠隔解析」を導入するのだそうでございます。
スマホの中身を勝手に見ることができるんですね。
名目は、「匿名・流動型犯罪グループ」への対策。
これはSNSで集まっては散る、顔の見えない犯罪集団のことでございます。
もっともらしい看板ですけれど、共産党の辰巳孝太郎議員が衆議院の内閣委員会で追及されたとおり、対象となる犯罪はあいまいです。
解釈しだいで、私たち一般の市民にまでいくらでも範囲が広がってしまう危険があるのでございます。
スマホというものは、私たちの心の奥底や日々の足跡がぜんぶ詰まった、小さな宝箱のようなものでございますね。
その宝箱を、令状のあり方さえあいまいなまま、警察が不正侵入のように勝手にのぞき見ることができる。
これは、憲法第21条が保障する「通信の秘密」やプライバシーの権利を、真っ向から踏みにじる行為ではありませんか。
神奈川県内で、長年にわたって免許証の情報が違法に集められていた現実を思い出しますと、戦前の暗い記憶がよみがえってまいります。
国家の強い権力が、市民の自由をいとも簡単に押しつぶしていった時代でございます。
便利さや安全という甘い言葉の裏で、気がつけば私たちの自由が灰色に塗りつぶされている。
ワタクシは、そんな恐怖を覚えるのでございます。
5年で80兆円、頭の中で描いてみてください
さらに恐ろしいのは、11月7日の2面と4面で連日報じられていた、とてつもない大軍拡の動きでございます。
年末の「安保3文書」の改定に向けて、防衛力整備計画の5年間の軍事費の総額が、
80兆円規模にふくらむ案が浮上しているというのです。
現在の43兆円の、およそ1.8倍でございます。
数字というものは、時に冷たくて実感がわきにくいものですね。ですから、頭の中で図を描いてみてくださいな。
80兆円を5年で割りますと、1年でおよそ16兆円。
この金額は、2026年度(令和8年度)予算の医療費と介護費を合わせた額に迫ります。
日本が教育に使うお金、つまり文教費の約3.5倍にも相当するのでございます。
いっぽう、国会で審議されている食料品の消費税1%減税で、国が減らす収入は年に4.3兆円です。
その何倍もの途方もないお金を、遠くまで届くミサイルや、5万2000機もの無人の攻撃機、
人工知能を使った最新式の殺傷兵器の買い付けにつぎ込もうというのですから、開いた口がふさがりません。
アメリカのトランプ政権が、同盟国に国内総生産(GDP)比3.5%から5%という途方もない軍事費を迫っているそうでございます。
だからといって、日本政府は言いなりになり、自国の経済と国民の暮らしを押しつぶす「亡国の道」をひた走っているではありませんか。
福祉の予算を削り、教育の現場を冷え込ませ、子どもたちの給食費や学び舎の環境にさえ十分に手を差し伸べない。
そのくせ、戦争の備えだけは世界の水準まで肥え太らせる。
「経済は縮み、軍隊だけがふくらむ」、昭和初期の世界恐慌期や満州事変以降にいわれた「経縮軍膨」の社会になってしまったら、
私たちはいったい何のために生きているのか分からなくなってしまいます。
そのうえ、吉本興業に1億5000万円もの税金を払っているそうでございます。
政府の広報動画で、夫婦漫才のキャラクターに「安全保障は遠い話やない」と軍拡を宣伝させるというのです。
国民の不安を笑い飛ばすような、あまりに不誠実で冷たいやり方ではありませんか。
海の向こうから届いた、黄金色の希望
そんな暗いニュースばかりが押し寄せる中で、遠くアメリカから届いた知らせは、
一筋の黄金色の光のようにワタクシの胸を熱くしてくれました。
11月5日の紙面を賑わせた、アメリカの中間選挙の結果でございます。
トランプ大統領の与党、共和党が、上院と下院の両方で歴史的な大敗北を喫しました。
そして野党の民主党が、多数派を取り戻したのでございます。
最大の争点は、イランへの違法な軍事攻撃が生んだ深刻な物価高騰でした。
そして、トランプ政権の横暴勝手な政治への、国民の怒りでございました。
テキサス州やオハイオ州のような、共和党の牙城と言われた場所でさえ、
有権者は「もうこれ以上、私たちの生活と平和を壊さないでくれ」と、はっきり「ノー」を突きつけたのでございます。
何よりも胸を打たれたのは、民主党の中で、「アメリカ民主的社会主義者」の候補者たちが大躍進を果たしたことです。
連邦下院に、各地の議会に、首都ワシントンの市長選にまで、その波は広がりました。
彼らは、「すべての人が入れる医療保険の実現」と「手の届く価格の住宅」、
そして何よりも「米国の戦争マシンを終わらせる」という平和の旗を、高く掲げて戦い抜きました。
資本主義の総本山と言われるアメリカのど真ん中で、社会主義の理想を掲げた若者や市民たちが、
超富裕層や巨大企業のお金の支配を打ち破って見せたのでございます。
日本共産党の志位和夫議長が、韓国のソウルで行った講演の記事もございました。
韓国の学者や学生さんたちとの熱い理論交流の記事も、合わせて読みながら、ワタクシは涙が出るほど感動いたしました。
世界の人々は、決して対立と分断の戦争の道など望んではおりません。
平和と協力のアジアを、そして世界を築こうという大きなうねりが、地球のあちこちから確かに湧き上がっているのです。
日本だけが、その流れから取り残されて、古い軍国主義の亡霊にしがみついている場合ではございません。
夜空に灯った、ペンライトの小さな光
日本の国内でも、その希望を現実にするための市民の闘いが、今週も全国各地で力強く繰り広げられました。
11月3日は、日本国憲法公布から80年、1946年(昭和21年)の公布からちょうど80年の節目でございました。
東京の国会の正門前には、1万4000人もの市民が集まりました。
「主権者は私たちだ!改憲・軍拡・差別ノー!」と、声をそろえて訴えたのでございます。
高市首相が「時は来た」と狙う、憲法9条の改憲。
そして、国会議員の声を封じ込めるための、衆議院の比例定数31削減という暴挙。これらに対して、全国の仲間たちが立ち上がっております。
京都では、高山佳奈子教授らが「民主主義とは、数の暴力で少数者をねじ伏せることではなく、じっくり話し合うプロセスだ」と力強く訴えられました。
大阪の扇町公園でも、3500人の人々が横断幕を掲げてパレードを行いました。
そして何より心を揺さぶられたのが、名古屋大学の門前で行われた、「ペンライトデモ」のニュースでございます。
ワタクシの暮らす名古屋のことで、なおさら胸に迫りました。
名古屋大学には、構成員の過半数が署名して決めた「平和憲章」がございます。
戦争のための研究や教育はしない、という誇り高い歴史でございます。
ところが、防衛装備庁の研究費の制度に大学が応募し、採択されてしまいました。
これに対して、教職員や学生、市民の皆様が、光る棒、ペンライトを手に集まったのです。
そして夜空の下で、「大学を軍事研究の場にするな!」と声を上げたのでございます。
暗がりに揺れる小さな灯りの海を思い浮かべるだけで、ワタクシは胸がいっぱいになります。
また、日本障害者協議会の集会では、知的障害のある32歳のかたが、お話しされました。
いじめられた経験や、沖縄の悲惨な歴史を、憲法13条と9条に結びつけて、
「障害があっても私の気持ちを大事にしてほしい。仲間を大切にする身近な行動が、平和につながる」と語りかけたそうでございます。
高校生たちが山手線沿いを歩いて、核兵器禁止条約の批准を訴え、署名を集めたという記事もありました。
政治家がどれほど上から冷たい法律を押しつけようとも、自分たちの足もとから暮らしを守り、平和の尊さを次の世代へつなごうとする。
こうした草の根の市民の美しい連帯こそが、日本の民主主義の本当の土台なのでございます。
誰もが自分の言葉で語り、理不尽なことに「ノー」と言える社会。
それこそが、私たちが誇るべき戦後の歩みであり、守り抜くべき宝物でございます。
真実の灯火を、ひとりでも多くの方に
こうして一週間の「しんぶん赤旗」を読み終えますと、私たちの日常がいかに政治と結びついているかを、あらためて教えられます。
そして同時に、希望に満ちた行動の可能性が、すぐそばにあることも教えられるのでございます。
ワタクシのような高齢者が、毎朝パソコンに向かって電子版をめくり、画面をじっと見つめますのは、ただニュースを知るためだけではございません。
この国に生きる若い人たちや子どもたちが、戦争の影におびえることなく、自分の時間を自由に生きられる未来を、心から信じたいからでございます。
「しんぶん赤旗」は、いま経営の危機にあると聞いております。
けれど、これほど市民の立場に立って、権力にこびることなく真実を伝え続けてくれる新聞が、ほかにあるでしょうか。
ワタクシは、パソコンの大きな画面で文字を拡大し、ときには必要な記事をPDFで保存したり、
文字データとして読み込んだりしながら、この大切な記録を心に刻んでおります。
過去1年分の紙面がいつでも検索できますので、昔のようにスクラップブックなどを作らなくても、手軽に調べものができます。
音声で読み上げてもらうこともできる、便利な時代になりました。
まだ赤旗を読んだことのない方がいらっしゃいましたら、ぜひ無料のお試しページから申し込んで、
その温かくも鋭い報道に触れてみていただきたいのでございます。
今は、初めの月と2カ月目が無料になる期間も設けられているそうですから、
一人でも多くの方に、この真実の灯火を受け取ってほしいと、心から願っております。
本日の最後の一句
お迎えよ 世が変わるまで 待っててね
さて、この句の種明かしをさせてくださいね。
ワタクシは昭和6年(1931年)、満州事変の年に生まれ、戦時中は工場で働きづめ、ひもじい思いをいたしました。
ですから、軍事費がふくらむ話には胸がざわざわいたします。
けれど、全国各地でのペンライトを掲げた皆さんを思いますと、そのざわざわの隣に、ぽっと小さな灯りがともるのでございます。
その灯りが、ワタクシに言わせました。もうしばらく、生きていたい。みんなの願いが政治に届く春を、この目で見るまでは、と。
ですから、お迎えさんがおいでになりましたら、玄関先でこう申し上げます。
「ごめんなさいね、いまちょっと忙しいの。世の中が変わるまで、待っててね」と。
お茶くらいは、お出ししますよ。
ワタクシの「あと少し」は、案外、長いかもしれませんからね。
以上、おそまつさまでございました。
それでは、ごきげんよう。あかねでございました。
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