ワタクシの住む名古屋にも、もう梅雨がやってまいりました。
早朝、窓の外は灰色の幕がかかったような空、それがどうでしょう、今は、もう梅雨が終わったような夏空が広がっています。
紫陽花が青や紫の色をいよいよ深くして、雨に濡れて誇らしげに咲いております。
きょうは夏至。
一年でいちばん日の長い日だというのに、心の中はどんよりと曇ったままの一週間でございました。
新聞を読むという行為は、ワタクシにとってはもう七十年以上も続けている習慣でございます。
紙の匂いも好きでしたが、いまは電子版の画面を、文字ひと文字、追いかけております。
今週の「しんぶん赤旗」もまた、重い知らせと、それでも灯し続けられる小さな灯りの両方を、ワタクシに見せてくれました。
順を追って、お話しさせてくださいませ。
憲法を守れ――9条改憲反対のうねり
6月21日の1面では、三井寺の福家俊彦さんが、巨大資本の「生産のための生産」が、
世界を一色に塗りつぶし、その歪みが分断や戦争を生んでいると語っておりました。
憲法9条というのは、地味で目立たぬ一本の毛糸のようなもの。
抜いてしまえば、全体がほどけてしまうのです。
同じ21日の「主張」は、9条改憲反対署名で巨大な世論をつくろうと呼びかけておりました。
高市早苗首相は来年の党大会までに改憲発議のめどを立てたいと明言しているといいます。
一方で「国旗損壊罪」法案も審議入りが狙われ、立命館大学の市川正人さんは、
これが日の丸への「感じ方の違い」を刑罰で塗りつぶす、表現の自由を萎縮させる法律だと指摘しておりました。
18日の紙面では、推理作家の大倉崇裕さんも、戦時中に検閲で推理小説が消えた「探偵小説全滅ス」という言葉を引き、最後まで反対し抜くと語っておられました。
衆院憲法審査会では、日本共産党の畑野君枝議員が9条の精神を外交に生かすべきだと訴える一方、
自民・維新は自衛隊明記や9条2項削除を主張し、意見はかみ合わぬままです。
6月19日夜、国会正門前の「19日行動」には2万6000人が参加し、色とりどりのペンライトが薄暮を照らしたそうです。
憲法共同センターの秋山正臣さんは「金もうけのために戦争が始まることは歴史が物語っている」と訴え、
「殺したくないし、まだ死にたくない」と17歳の高校生も叫びました。
同じ日、全国300カ所以上で連帯行動があり、青森・八戸では初めてのペンライト集会に、
「待ち望んでいました」と市民が駆け寄ってきたといいます。
16日の名古屋駅前共同街宣には1000人超、仙台には600人。小さなペンライトの光も、束になれば天の川のような帯になるのですね。
軍拡という重荷
18日の「主張」によれば、自民党は軍事費をGDP比3.5%まで増やす提言をまとめました。
これはトランプ米政権が同盟国に求める「新たな世界基準」だといいます。
現在の10.6兆円が、33.8兆円にまで膨らみかねません。
維新は非核三原則の見直しや核共有の検討も提言。
さらに防衛省は、有事に自衛隊病院が満床になった場合、民間病院に協力させる体制を検討していると、日本共産党の山添拓議員の質問で分かりました。
病院は、戦争のための場所ではなく、平和あっての場所であってほしいと、ワタクシは思います。
終わらぬ戦争・米・イラン覚書とレバノン
17日、米国とイランの戦闘終結の覚書が発効しました。107日間の戦争が、ひとまず止まったのです。
内容を噛み砕けば「お互い、もうやめて元に戻りましょう」というだけのもの。
なのにトランプ大統領は「全て以上を実現した」と自賛し、ワタクシは思わずお茶をこぼしそうになりました。
日本共産党の志位和夫議長は「米国が得たものは何もなく、自ら没落を招いた」と評しております。
米国内でも元労働長官のロバート・ライシュ氏らが「ひどい失敗だ」と批判したそうです。
最初から外交という名の「話し合いの道」があったのに、わざわざ大きく迂回して、
戦争という名の「血の道」を通って、結局はまた同じ「話し合いの道」に戻ってきた、
それが、この107日間の戦争の正体だったのではないでしょうか。
エジプトの国際法学者マハラン氏は覚書を「歴史的な意義」と評しつつ、ガザへの言及が欠落していることを欠陥だと指摘しております。
同じ頃のG7首脳声明は、トランプ氏の指導力を持ち上げる一方、米国やイスラエルの国際法違反には一切触れなかったといいます。
覚書が発効したあとも、レバノンでは攻撃が続いておりました。
18日、20日、21日と、連日のようにレバノン南部への空爆や砲撃が報じられ、
21日の国際面では、19日未明から午後にかけての攻撃で少なくとも47人が死亡したとあります。
トランプ氏自身もネタニヤフ首相に「もっと責任ある行動を」と注文をつけたほどです。
一方、日本政府はホルムズ海峡への自衛隊派兵を検討中。
火事を起こした人ではなく、近所の人に消火をさせるような話に、道理はないとワタクシは思います。
核なき世界への祈り
21日、被団協・原水協・原水禁が、核兵器禁止条約への署名・批准を求める累計367万3660人分の署名を政府に提出しました。
一方、4月から5月のNPT再検討会議は決裂。
大阪大学の黒澤満さんは、核保有国同士が罵り合うという異例の事態だったと語り、決裂の責任は核保有国にあると明言しております。
参加した青年は「核兵器の問題は、労働条件や女性の権利と地続きだ」と気づいたと語り、
日本共産党の山添拓政策委員長も「非核三原則の撤廃など許されない」と強調しました。
核兵器は、家に置いた爆弾を抱いて眠るようなもの。
本当の安心は、爆弾そのものを取り除くことではないでしょうか。
くらしの数字
19日には、食料品消費税を2年限定で1%にする案が報じられました。
日本共産党の田村智子委員長は「議論が破綻している」として、一律5%減税を主張。
財源には富裕層への課税強化を、と小池晃書記局長も訴えております。
16日の「主張」は最低賃金の全国一律1700円を求め、いまの全国加重平均1121円では月17万円弱にしかならないと指摘。
財源には、企業の内部留保への時限課税という提案も載っておりました。
そして19日の経済面には、イーロン・マスク氏が世界初の資産1兆ドル超、いわゆる「トリリオネア」になったという知らせ。
1兆ドルは日本円で約160兆円、国家予算の1.4倍に相当します。
同じ日、世界の上位10%の消費による環境破壊の損害額が、年間で最大915兆円規模にのぼるという研究も載っておりました。
誰かが食卓で取りすぎれば、誰かのお茶碗が空になる――そんな単純な理屈を、ワタクシは思い出しました。
16日には、G7を前にスイス・ジュネーブとベルギー・ブリュッセルで大規模な抗議デモも行われ、
米国ワシントンの市長選では民主的社会主義者を名乗る候補が勝利したそうです。
世界の風向きも、少しずつ変わろうとしているのかもしれません。
切り捨てられる声
19日の紙面では、福島原発事故から避難した方が、今でも福島に戻ると過呼吸のようになると語った記事、
そして経産省が現実離れした原発建て替え目標を発表したことが報じられました。
18日には、ビザの資本金要件が6倍の3000万円に厳格化され、
20年以上日本で暮らすネパール出身の料理店経営者が「帰らなくちゃいけない」と語っていたことも。
17日の「主張」は、警察官の懲戒処分が前年比41%増の337人と最多になったと取り上げ、神奈川県警の組織ぐるみの不正にも触れています。
16日には、小泉進次郎防衛相がインドネシア大統領に旧帝国海軍艦の模型を贈り、批判を浴びたことも報じられておりました。
沖縄とガザ
17日、那覇では沖縄戦の学徒1984人を悼む祈念祭が開かれ、97歳の瀬名波榮喜さんが「命の限り、恒久平和の実現をめざす」と語りました。
共同代表の翁長安子さんは、沖縄が再び戦場になることを断じて認められないと、23日の慰霊の日を前に宣言したそうです。
同じ頃、米軍と自衛隊の大規模演習が南西諸島から全国で進み、日本本土が攻撃された場合の訓練まで始まっているといいます。
一方ガザでは、停戦後も死者が1000人を超え、2023年以降の総数は7万3016人に。一つの街が、まるごと消えてしまうほどの数なのです。
民主主義は、いま
19日の世論調査で、高市内閣の支持率は54.3%まで下落し、政権発足後最低を更新しました。
総裁選での中傷動画疑惑には首相が「確認できない」「記録もない」と核心を避け続けているといいます。
早稲田大学のロバート・キャンベルさんは、これを「民主主義の根幹を揺るがす」問題だと指摘したそうです。
16日には2月の総選挙で投票所が大幅に減り参政権が侵害されたとの追及も。
17日には比例定数45議席削減法案に、ほぼ全野党が一致して反対したと報じられておりました。
戦争が終わったと言われても、レバノンでは砲弾が落ち続けている。
憲法を守れと若者が声をあげれば、その声を封じる法律が用意されている。
それでも、国会前や名古屋、八戸の商店街、全国に並んだ色とりどりのペンライトの光を、ワタクシは消してはならないと思うのです。
終わりに一句
停戦の 文字の上にも 弾は落つ
停戦の覚書が署名された直後も、レバノンでは砲撃が止まなかった現実を、紙の上の文字と、実際に落ちる弾丸の対比で詠みました。
しんぶん赤旗、電子版のすすめ
今週もこれだけの知らせを、ワタクシは「しんぶん赤旗」から受け取りました。
市民の立場に立つこの新聞は、いま経営の危機に瀕しております。
電子版は紙面そのものを画面で読め、文字を大きくもできて、ワタクシには助かります。
過去3カ月分はいつでも、検索すれば過去1年分まで読めますし、読み上げ機能で音声でも聞けます。
芸能・スポーツ面もゴシップに走らず、生き方を真面目に見つめる書き方が、ワタクシは大好きです。
無料お試し期間ページから申し込むと、3週間お試しで読むことができます。
どうぞ一度、覗いてみてくださいませ。



コメント