皆様、ごきげんよう。「あかね95才の独り言」へようこそお越しくださいました。
ワタクシ、昭和6年(1931年)生まれで、この8月に95歳になりました。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
名古屋に住んでおりますワタクシは、先日、名古屋テレビや中京テレビのニュースで、
岐阜県高山市の高校生たちが「たかやまこども選挙」を市長選と同日に実施したという瑞々しい話題を知りました。
そして今朝、手元に届いた「しんぶん赤旗」の紙面をめくりましたところ、忘れ去られゆく凄惨な戦争体験の数々、
さらには、今まさに激戦が繰り広げられている沖縄知事選挙での卑劣な誹謗中傷や排外主義・歴史否定の野合の告発記事を目にいたしました。
これらのニュースに触れ、ワタクシの胸の中で激しく交錯した思いを、本日は皆様にお話ししたいと思います。
1. 忘れ去られゆく戦争体験の叫び
本日のしんぶん赤旗の紙面には、戦争の恐怖と残酷さを物語るあまりにも切実な証言が躍っておりました。
まず一つ目は、東京都江戸川区の今関一夫さん(90歳)による「戦後81年 証言戦争 地も空も 真っ赤な地獄」というお話です。
昭和20年の千葉空襲、10坪ほどの防空壕に20人が身を潜める中、外に出ると空も地面もどす黒い緋色(ひいろ)に染まっていたといいます。
4歳の妹を背負ったお母様と、6歳の妹の手を握りしめた今関少年が必死で逃げまどう情景。
翌朝、焦土と化した自宅跡で見つけたのは、宝物のビー玉が入った缶でした。
熱で溶け合い、二度と転がらないひと固まりのガラスと化したビー玉……。
それは、戦争によって一瞬で奪われた「幼子の未来の静止画」そのものでございます。
今関さんは現在も1409部もの手記を配り、歌声に乗せて反戦を訴え続けていらっしゃいます。
二つ目は、「命かけ原爆の恐怖伝えた祖父 三輪車など生きた証し記録に」と題された、
広島平和記念資料館の初代館長・長岡省吾さんのお孫さん、世良新悟さん(72歳)の証言です。
原爆投下直後、600度を超える熱線で表面が泡立ち、トゲのようにささくれ立った石灯籠。
長岡さんは自ら被爆しながらも、放射線が出る瓦や石、そして幼子の三輪車や焦げた弁当箱など、
1万8000点もの「生きた証し」を収集し記録に残されました。
「良心のない人々や空想力が乏しい人びとの眼前に警告としてよみがえらせなければならない」という言葉が、ワタクシの胸に強く突き刺さります。
この思いが、現在の広島平和記念資料館にも受け継がれています。
そして三つ目は、長崎県長与町の今道忍さん(89歳)による「被爆81年 証言 『また会おう』と言ったのに」という言葉です。
爆心地からわずか2キロの灼熱の地獄。
引っ越していった大親友の篤君と「また会おう」と約束したまま、二度と会えなくなった悲しみ。
一面の焼野原に立ち、紫や赤っぽいオレンジ色に染まる空の下で涙を流した少年時代……。
ワタクシもまた、昭和6年生まれとしてあの時代を生き抜いてまいりました。
女学校時代、黒い煙を上げる工場に動員され、腹をすかせ、爆音に怯えた日々。
横浜大空襲の、あの「生き地獄」を潜り抜けてきた者として、今、声を大にして申し上げたい。
「二度と、絶対に戦争をさせてはならない」
言葉だけでなく、命ある限り戦争をさせない声を上げ続けることこそが、今を生きるワタクシたちの最大の責務なのです。
2. 沖縄知事選に見る卑劣な陰謀と激しい怒り
しかし、現在の日本社会を見渡すと、あまりにも酷い惨状に激しい憤りを禁じ得ません。
今行われている沖縄知事選挙において、沖縄戦の悲劇を胸に「憲法を守り、平和を求める沖縄の心」を訴え続ける玉城デニー知事に対し、
「子どもを殺した」などという卑劣な誹謗中傷や演説妨害が繰り返されています。
それどころか、戦前の沖縄戦や国策の犠牲にされてきた歴史を「被害者意識」や「自虐史観」とさげすみ、
排外主義や歴史否定を掲げる極右勢力との野合が進められているのです。
沖縄の尊厳を踏みにじり、歴史の真実を覆い隠そうとするこのような動きに対し、ワタクシは暗澹たる思いと激しい怒りを覚えます。
3. 高山「こども選挙」の眩しさと、大人の無関心・想像力の欠如
そんな暗雲が垂れ込める中、先ほどのニュースで知った岐阜県高山市の「たかやまこども選挙」の取り組みは、
ワタクシの心に一筋の眩しい光を投げかけてくれました。
県立斐太高校3年生の切手佑樹さんたちが、「選挙権のない子供たちにも政治を身近に感じてほしい」と3ヶ月かけて準備した挑戦です。
本物の投票箱を市から借り、投票用紙には候補者名だけでなく「未来への願い」を書き込めるメッセージ欄が用意されました。
18歳未満のこどもたちが真剣な眼差しで鉛筆を握り、自分の街の未来を考えて投函する姿に、ワタクシは胸が熱くなりました。
しかし、この子供たちの澄んだ情熱と比較して、大人社会の愚かしさには深いため息が出ます。
前回の高山市長選における18歳から24歳までの若い世代の投票率は、わずか37.8%。10人のうち6人以上が権利を投げ出しているのです。
そればかりか、選挙に行く大人たちの間にも「政治の危うさ」に対する想像力が致命的に不足しています。
今、高市政権が進めようとしている戦争国家づくり。
国政選挙で与党に「国会の3分の2」という圧倒的な議席を与えてしまうことが何を意味するか。
図解でイメージしてみてくださいな。
丸いホールケーキを思い浮かべてください。これをナイフで3つに切り分けたとします。
そのうちの「2つの大きなピース(3分の2)」を、軍事費を増やすことばかりに熱心な政治家たちに手渡してしまったのです。
残されたたった1つの小さなピースでは、憲法を守ることも、暴走を止めるストッパーになることもできなくなってしまうのです。
溶けたビー玉や泡立った石灯籠が物語る日常の崩壊を想像できない大人たちが、
自ら進んで権力に「暴走の免許証」を与えてしまっている。
この想像力の欠如が、ワタクシには恐ろしいのです。
有権者の多くは、政策を吟味して投票をしていません。
高市自民党に投票した人の多くは、自民党の政策を知らないで投票していると考えます。
知っていたら投票しませんよね。
SNSや広告で作られた雰囲気で投票してしまう大人たちに対して、
この「たかやまこども選挙」には、大人たちをハッとさせる思いがけない結末が待っていました。
なんと、大人の本物の選挙では現職の市長が勝利したのに対し、子供たちの「こども選挙」では、
新人の候補者が勝利するという、大人と子供で選んだ結果が「真逆」になる逆転のドラマが起きたのです!
子供たちは直感的に気づいていたのでしょう。
今の危うい延長線上ではなく、新しい未来を選ぶべきなのだと。
後日、高校生たちが子供たちの切実なメッセージ束を新市長に手渡した光景は、未来への大きな希望でございました。
4. 次世代の主権者を育てるために
子供たちがこれほどまでに真剣に社会を考えているからこそ、ワタクシは確信いたします。
次世代を育てる本格的な「有権者教育」は、今の政府や与党には絶対に期待できません。
主権者を育てるフリをして、お上の言うことに従う「扱いやすい国民」を作りたいだけなのですから。
だからこそ、人権と平和を尊ぶ「左派の野党」にこそ目を向けていただきたい。
ワタクシは、平和憲法を守る共産党、いのちの党、社民党や立憲の護憲派議員が協力しあってほしいといつも思っております。
単なる目先の票集めではなく、「10年後、20年後の主権者を育てる」という息の長い教育の視点を持つ必要があります。
子供たちが幼い頃から社会や政治に疑問を持ち、自分の頭で考え、
平和を守る意志を持てるような学びの場を、野党や市民社会が一体となって築いていくこと。
それこそが、戦争という地獄を二度と繰り返さないための最強の防波堤になると信じております。
歴史のどん底を知る95歳のワタクシから、今を生きる皆様へ。
未来をつくる一票の重みと想像力を、どうか手放さないでくださいね。
本日の最後の一句
無邪気さに 恥じよ大人と 茜空
純粋に未来を想い一票を投じる子供たちの姿に接し、政治への無関心や戦争への危機感の薄さに甘んじる大人たちの愚かさを、茜色の夕空の下で深く恥じ入る思いを込めました。
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